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第4話:はじめての「ありがとう」と修行フラグ


 ――それは、ほんの一言だった。

 魔力に満ちた王都エルグランディアの夕暮れ。

 金色に染まる中庭で、俺――ニャルガ=ドラグーンは、ついに“その時”を迎えた。

「ニャル、今日もいっぱい遊んでくれてありがとうね!」

 リリィが笑顔で言う。

 その言葉が、何故かいつもより胸に響いた。

(ああ……俺、ずっと誰かに“ありがとう”って言いたかったんだよな)

 リリィは、この異世界に転生してから、初めて俺を“誰か”として見てくれた存在。

 ただの魔獣じゃなく、“心があるもの”として。

 ――その想いが、喉を熱くした。

 そして、

「……ぁ……り……がと……う」

「…………えっ?」

 リリィが時を止めたように固まった。

「……あ、あ……い、今……ニャル、しゃべった……よね!? “ありがとう”って言ったよね!?!?」

(うおおおおお!?!?マジで出たあああああ!!)

 言葉になった。声になった。

 伝わった。

 俺、喋ったぁああああ!!!(語彙力喪失)

[スキル進化通知]

《言霊開放(第2段階)》を習得!

▼以下の能力が解放されました:

・発声時に“魔力圧”が込められるようになります。

・短文での意思疎通が可能になりました。

・次の段階:「意思会話」は感情と想いの“共鳴”によって解放されます。


(なるほど、“想いを込めた言葉”が鍵ってわけか……)

 その時――

「話せるようになったか、毛玉」

 低く鋭い声が、背後から降りてきた。

 振り向けば、そこには銀髪の騎士 -ヴァルド=ゼクト。

「今日から鍛えるぞ」

「……え? 早ッ!?」

「王女に拾われた魔獣だとしても、“喋れる”となれば話は別。

 貴様は“存在として、戦える領域”に入りつつある。なら――」

 その目は獣を見定める狩人のようだった。

「俺が叩き直す。竜猫族? 癒し系? 関係ない。

 貴様、牙があるだろう。なら、剥き出しにしろ」

(……こいつ、怖い。でも……)

 どこか、ワクワクしている自分がいた。

 自分の存在を“戦士”として扱ってくれるのは、初めてだったから。

「……オレ……つよく、なる」

「言葉の数も足りん。体もまだ甘い。だが――目だけは、悪くない」

 その日、俺の修行生活が始まった。

 “癒し系”でありながら“最強の破壊力”を秘める――竜猫族、ニャルガ=ドラグーンとしての、本当の物語が。

第4話:はじめての「ありがとう」と修行フラグ

 ――それは、ほんの一言だった。

 魔力に満ちた王都エルグランディアの夕暮れ。

 金色に染まる中庭で、俺――ニャルガ=ドラグーンは、ついに“その時”を迎えた。

「ニャル、今日もいっぱい遊んでくれてありがとうね!」

 リリィが笑顔で言う。

 その言葉が、何故かいつもより胸に響いた。

(ああ……俺、ずっと誰かに“ありがとう”って言いたかったんだよな)

 リリィは、この異世界に転生してから、初めて俺を“誰か”として見てくれた存在。

 ただの魔獣じゃなく、“心があるもの”として。

 ――その想いが、喉を熱くした。

 そして、

「……ぁ……り……がと……う」

「…………えっ?」

 リリィが時を止めたように固まった。

「……あ、あ……い、今……ニャル、しゃべった……よね!? “ありがとう”って言ったよね!?!?」

(うおおおおお!?!?マジで出たあああああ!!)

 言葉になった。声になった。

 伝わった。

 俺、喋ったぁああああ!!!(語彙力喪失)

[スキル進化通知]

《言霊開放(第2段階)》を習得!

▼以下の能力が解放されました:

・発声時に“魔力圧”が込められるようになります。

・短文での意思疎通が可能になりました。

・次の段階:「意思会話」は感情と想いの“共鳴”によって解放されます。


(なるほど、“想いを込めた言葉”が鍵ってわけか……)

 その時――

「話せるようになったか、毛玉」

 低く鋭い声が、背後から降りてきた。

 振り向けば、そこには銀髪の騎士 -ヴァルド=ゼクト。

「今日から鍛えるぞ」

「……え? 早ッ!?」

「王女に拾われた魔獣だとしても、“喋れる”となれば話は別。

 貴様は“存在として、戦える領域”に入りつつある。なら――」

 その目は獣を見定める狩人のようだった。

「俺が叩き直す。竜猫族? 癒し系? 関係ない。

 貴様、牙があるだろう。なら、剥き出しにしろ」

(……こいつ、怖い。でも……)

 どこか、ワクワクしている自分がいた。

 自分の存在を“戦士”として扱ってくれるのは、初めてだったから。

「……オレ……つよく、なる」

「言葉の数も足りん。体もまだ甘い。だが――目だけは、悪くない」

 その日、俺の修行生活が始まった。

 “癒し系”でありながら“最強の破壊力”を秘める――竜猫族、ニャルガ=ドラグーンとしての、本当の物語が。


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