星核ハンター★ファミリー(笑)休日お出かけ編
今日は久しぶりに星核ハンターファミリーの休日が重なったの!星も一緒に遊べるって言ってたし楽しみすぎて昨日なかなか寝付けなかったんだ…えへへ。
「刃ちゃん。みんなを送迎してあげて。」
「あれ?カフカは行かないの?」
「ええ、でも気にしなくて大丈夫よ。帰ってきたらみんなの話を聞かせて頂戴。」
「うん、わかった。」
「ああ、それと。これを渡しておくわね。」
「クレジットカード…いいの?」
「久しぶりにみんな集まるし、星も来るじゃない?今日は好きにしていいわよ。暗証番号は変えてないから。」
「そう言ってくれるなら…ありがたく使わせてもらうね、カフカ!」
多分星も来るからだと思うけど…カフカは相変わらず彼女に甘いなぁ。みんなが星のことを好きなんだって思うと心がふわっとするよね。
…横に返事もせずに、むすっとした人もいるけど。
「…なぜ俺が。」
「星たちが可愛すぎて誘拐されちゃうかもしれないじゃない。」
甘いどころか過保護かも。
「…。」
「はぁ…仕方ないわね。地下で死合いましょう。私が勝ったらみんなを送迎してあげて。貴方が勝ったらそうねぇ…本当に殺してあげる。」
「…いいだろう。」
「ホタル。貴方も出かける準備をしてていいわよ。おめかしして星に可愛いって言ってもらうんでしょう?」
「う、うん!メイクセット借りるね!」
勝つことが前提のお話をしてる気がするけど…カフカだし仕方ないよね!
それよりも私のことだ!せっかく早起きしたんだし、気合いを入れて準備するぞぉー!
まずお肌のお手入れして….保湿のやつも忘れずに。それで、下地作って…ええっと次は…白めに見える肌色のやつを塗って、その上からこれをポンポンして…うんっ!悪くない!ここから筆ペンみたいなやつで目とか眉のライン描いて…重ねて…うん。まつ毛は足さなくてもいいってカフカが言ってたから…少し整えて艶が出るようにして…
最後に、カフカから貰った口紅を薄めに塗って…出来た!!1人で全部やるのは初めてだけど悪くない…よね?うん。そんなに遜色ないはず!
後は昨日準備しておいた肩が出たワンピースを着るんだけど…さ、流石に肩を出して肩周りと首元は透けたレース生地が重なってるだけなのはやり過ぎたかな…深夜テンションで着る物を選んだ昨日の自分を恨む。
スカート部分も膝から下が透けてるし…レース多めのフリル付きで可愛いなって思ったけど実際に来てみると結構恥ずかしい…
鏡の前で真っ赤になっていると星の声が聞こえてきた。
「おーい、みんなー。星来たよー。」
「銀狼。引っ張らないで。」
「いいからいいから。」
そのまま銀狼が私の前まで星を連れてくる。
「お、おはよ。」
「おはよう、ホタル。今日すっごく可愛いね、抱きついていい?」
か、かわいいって…えへ。頑張って良かったぁ…えへへへ。
顔が引き締まらない。ふにゃふにゃしてると星が顔を背けながら顔を真っ赤にしてる。
「ごめん。抱きつくだけじゃ我慢できそうにないから襲ってもいい?」
「え、ええと…お化粧崩れちゃうから…あとで、なら。お願いします…」
「あっ。これヤバい理性溶ける!」
星が息を荒くしながら私に近づいてくる。
「…私がいること忘れてない?」
銀狼が星の顔を掴みながら私から引き剥がす。残念そうな顔をしてる星も可愛いなぁ、ふふっ。
そんなことをしてるとカフカが戻ってきた。
「あら、星。もう来てたのね。いらっしゃい。」
「うん。昨日ぶり!」
昨日…ぶり?みんな任務で忙しかったんじゃ…星に会いたくても会えなかったんじゃ!?!?
「ホタル。そんな怖い顔しないで?せっかくの可愛いお顔が台無しよ?それに、だからこそ今日は譲ってあげるんじゃない。」
む、むむむむーーー…むぅ!
私はほっぺを膨らませながら涙目で無言の抗議を行う。
「…ホタル。外だとあまりそんな顔しないようにね?今の貴方がそれをやると周りの理性が溶けてしまうわよ。」
「やっぱり私悪くない。ホタルが悪い。」
「…はっ、私は今一体何を!?」
カフカが星と銀狼の首根っこを掴んで前進を止めながら私に忠告してくる。理性を溶かすって何!?わかんないけど!??
「はぁ…星。こっちにいらっしゃい。貴方もおめかししましょ?銀狼、貴方は騎士様が帰ってくるまでお姫様を守ってて。」
「監視カメラ、録画機能付きも一緒に警護致します!」
「ふふふ。それは頼もしいわね、後で録画データをお願いするわね。まぁ、どちらにしても刃ちゃんが動けるようになるまでもう少しかかるから待ってて頂戴。」
そう言うと星を連れて奥の部屋に消えていく2人。
「オシャレ頑張ったんだけどなぁ…変なのかな?」
「むしろあなたが頑張りすぎたせいで周りが大変なんだよね。」
「??」
「はぁ…気が付かなくていいよ。そっちのほうがホタルらしい。」
銀狼は私のことを語っているはずなのに全然わからない…えっと、よくわかんないけど頑張ってるの知ってて似合っててそのままで良いってことかな…?えへへ、うれしっ。
「それ!それやめて!!理性が溶ける!!!」
「だから理性が溶けるって何!?!?」
しばらくして星とカフカが帰ってきた。
「おまたせ。」
白いワンピースに上着を羽織ってカフカのサングラスを掛けている星。なんて素敵…!カフカのセンスはやっぱりすごいよぉ…しかも私の服装に合わせてくれてるしぃーー…昨日の密会のことは許してあげちゃう。
「銀狼はオシャレしなくていいの?」
「い、いいよ。私はこれが楽なんだから。」
「星、銀狼を捕まえて?」
「イエス、マム!」
「はーなーーせーーー!」
ということでカフカに連行された銀狼。
帰ってきたらあまりにも普段と違いすぎてびっくり…!
普段巻いている髪の毛をストレートに伸ばして白から薄い紫になるグラデーションのワンピースに身を包んでいて…どこからどう見ても箱入り娘で清楚なお嬢様だ。
「えっ、えっ!?素敵だよ銀狼!どこかのお姫様みたい!!!」
「ほらね。言ったでしょう?似合ってるって。」
銀狼が珍しく顔を真っ赤にしてもにょもにょしてる。
「ホ、ホタル…?私、かわいい?」
「すっっごく!可愛いよ銀狼!!!服もみんなお揃いで姉妹みたいだし。嬉しい!」
「そ、そっか!ホタルにそう言ってもらえると、嬉しい。へへ…ああ、ホタルが言ってた顔がふにゃふにゃって…これかぁ…」
銀狼が着飾ってくれるなんて珍しい!それに、本当に似合ってる!普段のパンクな格好も好きだけどたまにはこういう格好もしてほしいなぁ。
「普段もそういう格好増やそうよ!かわいいよぉーー。」
「は、恥ずかしい!で、でも1人だけでオシャレなんて恥ずかしいし寂しいけど、ホタルが同じ格好してくれるなら…たまになら、良いよ。」
「する!するする!お揃いの服も買いに行こう!」
「あーーーっ、嬉しい!ありがとう!!でも何もわかってない!もうっ!」
…??銀狼が可愛いのは知ってるよ?私、何か変なこと言っちゃったかな?
「ふふふ。若いっていいわねー。」
「うんうん。カフカが良いって言うならいいことだ。」
「貴方は中心にいるのだけどね?」
そんなこんなでしばらく待っていると復活した刃がスーツに黒手袋をはめてエントランスにやってきた。
「…待たせたな。」
「前も思ったけど、刃ってそういう格好似合ってるよね。」
「…行くぞ。」
「あっ、もしかしてホタルに褒められて照れてる!?ねぇねぇ。」
「…やめろ銀狼、気が散る。」
「もー。素直じゃないなーー。」
そんな悪態をつく彼だけど、本当は仲間想いなの知ってるよ。とっっても不器用だけどね!
「ねぇ、刃。今日の運転は速度こそ出てるけど随分と車体を安定させた運転だね??」
「…何が言いたい。」
「ゲームをする銀狼のためか。それとも、お昼寝してる星のためか。どっちもだったりして?」
「…騒がしいよりマシなだけだ。」
「ふふ、そっか。ありがとね、刃。」
それと多分、私が乗り物酔いしないように…だよね。やっぱり不器用すぎるよ、刃。そこが素敵なところでもあるんだけどね?
それじゃ、ショッピングスタート!
最初に行こう!って言い出したのはアニメ、ゲーム、ロボット全てが揃ったホビーショップだった。銀狼が奥にコソコソと向かってて、ホタルがロボットのプラモデルを眺めてる。
…私にも常識はある。オシャレした3姉妹に見えるこの状況だとこのお店はあんまり良くなかったかな?でも2人とも楽しそうだしいいや!私は考えることをやめた。
「むむむ、この一角獣のロボット少しサムに似てるかも…」
「ホタルもすっかりプラモデルの魅力に取り憑かれたね。」
「星が色々教えてくれたからね。知れば知るほど奥が深いよ!」
「細身もいいけどムチムチボディも良いよ。」
お店の中の視線を私たちが独占しつつも、ホタルと会話を弾ませる。
プラモを眺めながら横目で銀狼の方を見ると、彼女が向かった奥のコーナーには可愛らしいヒツジや銀河打者くんのぬいぐるみが置いてあった。しばらく眺めて首を横にブンブン振ってから戻ってくる銀狼。
最終的に私が宇宙ライダー変身ベルト。ホタルが一角獣のロボット。銀狼がパーフェクトプラモデル塗装セットを購入した。…銀狼、これ買いたいもの我慢したな?買ったものもホタルのためのものみたいだし。
ふと横を見るとホタルも何か言いたげな表情をしていた。私たちの心はひとつだ。
「ごめん。これも追加で買わせて。」
「私も。これ欲しかったの!」
さっき銀狼が見てた抱いてよし!枕にしてよし!体ごと寄りかかってよし!が売り文句の銀河打者くんぬいぐるみを私が抱えてレジへ。その隣でホタルも、もこもこヒツジさんぬいぐるみを購入。
「あっ…これ。」
銀狼が何かに気が付いたようだ。
「あ、ありがと…2人とも。」
「フンッ!」
「…フンッ。」
優秀なエージェントは鼻を鳴らして振り返らない…実にクールだ。
あ、荷物は刃よろしくね。
次に向かった先は、ホタルの要望でアクセサリーショップだ。
さっきよりもなんだか視線を多く感じる…少し慣れなくてホタルに近寄ってしまう。服の裾を掴むのは我慢した。せっかく綺麗な服なのにシワつけちゃうもんね…なんだかモヤっとするけどきっとそうだ。
「ごめんね、銀狼。退屈でしょ?」
「たまに来る分には良い暇つぶしになるよ。」
「2人とも見て!すごい!たこ焼きのイヤリング!!」
たこ焼きじゃなくてどちらかというとミラーボールじゃない…?普通に綺麗だけど、相変わらず星の感性は独特だ。それなのに何しても様になるのだから美人というのはズルい。
「ねぇ、星。ここにはドクロ模様のアクセはないの?」
「そしたら一緒に行こう、開拓の旅だ!」
「開拓の規模小さすぎ!!あっ、ホタルは私たちのことなんて放っておいて良いから自分が満足できる買い物しなよ?」
「えっ。あ、うん…ありがと。」
ホタルの言葉を背中に受けながら星と歩き出す。
「ねぇ銀狼。耳赤いよ。」
「…自覚あるから余計なことは言わなくていい。」
たまには恥ずかしいセリフ言ったっていいじゃん。
そんなこんなで星と楽しくドクロを探していると、ホタルがいくつか候補の中から悩みに悩んで選んだ腕輪を購入したらしい。3つも。
「ほら。2人ともこれ、サイズ間違ってないよね?腕輪だからピッタリじゃなくて大丈夫だと思うからお揃いつけよ??」
「銀狼。これ今襲ってもいいと思う?」
「やめときなよ。嫌われても知らないよ?」
「えっ、えっっ??」
「私たちのこと気にしないで選べって言ったのに…」
「え、えへへ…でもね。せっかくだからお揃いがいいなって…ダメ?」
ダメなわけないじゃん。
私と星も腕輪をつけてみんなで笑い合う。もう、サプライズを用意したのはこっちなんだけどね…
「じゃあサプライズのお返しってことでこれ。」
星がホタルに星型のイヤリングをプレゼントした。
「えっ、嘘…!う、うれしい…星!ありがとね!!!大切にするね!」
「私からもお返し。」
私はアクセとか服装のセンスはあんまりないかもしれないけど、ホタルに似合いそうなものを一生懸命選んだつもりだ。
それは、蝶を模した髪飾り。黒縁に透明感のある羽模様がとても神秘的だ。色は普段とは違う赤やオレンジが入った暖色系を選んだ。
「よく人混みではぐれるし、派手な色の髪飾りならすぐホタルだってわかるし…これなら迷子になってもすぐ見つけられるよ。」
「これ…!本当に素敵、銀狼!ありがと!!」
ホタルが私に抱きついてくる。わ、悪い気はしないね!ふふん!
ごめん嘘心臓の音やばい助けて恥ずかしい嬉しい好き襲っちゃうかも。
「でもこれカフカのカード使ってないよね…大丈夫?」
「別に。電子銀行口座の0を増やすのなんてヨユー。」
「もうっ。」
なんとか理性が勝って軽口を叩く。本当はホタルにプレゼントするなら自分のお金で出したかったからなんだけど、これは内緒。
あっ、そうだった。今身につけない分の荷物は刃よろしくね。
最後に寄ったお店は、星がカフカにお土産買いたい!って言ったのとお宝探ししたい!って言ってた両方美味しいところ取りができそうな骨董品屋さんに来たよ!
お店に入って早速お宝探しに走ってった星。私と銀狼は入り口でお店の雰囲気に圧倒されていた。
「ここ、なんだか掘り出し物見つかりそうだね。」
「同感。ゲームのデータにはない雰囲気?オーラ?みたいなのを感じる。」
正面のお座敷に着物のお婆さんが正座している。正直全然気が付かなかった…まるで存在感がないんだもん。何も言わないし。
「えっ、これ…古いゲームのハード、もしかして…!やっぱり!すごい!プレミアつきまくって現物なんてもう手に入らないと思ってたのに!!!」
銀狼がとても興奮してる。本当に掘り出し物が見つかったみたい…!ここでなら、私にも宝物。見つかるかな…?
「星は何を探してるの?」
「カフカが喜ぶもの。」
「んー、彼女なら星からもらったものだったらなんでも喜ぶと思うよ?昔星がプレゼントしたその辺に落ちてた石とか、顔から手足が生えてる似顔絵とか部屋のショーケースの中に劣化防止加工までして仕舞ってるし。」
「そっか。ありがとホタル、決まったよ。」
それならーー。と言いながら店内を適当に歩く星。これ!と言って指を刺したのは座ってるお婆さんのすぐ後ろにある壊れかけのオルゴールだ。
お婆さんの表情が驚愕に染まる。
「お嬢さん。これが良いのかい?」
「うん。これがいい、ちょうだい。」
「そうかそうか…このオルゴールはね?いや、難しいことはやめておこう…とにかく、人の気持ちが大切に、大切に詰まったそれはそれは美しいオルゴールなんだよ。」
「…プレゼント用、なんだけど。」
「いいさいいさ。好きにおし。」
「うん、ありがとうお婆ちゃん。」
…私、星が指差すまであのオルゴールに気が付かなかった。不思議なオルゴール。不思議な、お店。
私が欲しいもの。私の宝物を探してぼーっと店内を歩いてるとふと目についたものがある。
「…木箱?」
「持っていきな。」
「中身ないけど…」
「自分で入れるものを見つけたらいいさ。大切なものを入れるんだよ。」
私は空の木箱をもらってお店を出る。不思議なお婆さんだったなぁ…あ、お代渡してない!?
大はしゃぎの銀狼とあわあわしてる私と掘り出し物を買えた星。とりあえずみんな欲しいものは見つかったの…かな?
持ちきれないものは刃よろしくね。
みんな大満足の帰り道。空がオレンジと紺のグラデーションになってて綺麗…
刃との合流地点に向かいながら、私たちは飲み物を4つ購入した。銀狼と星はおまけにアイスクリームまで買ってる。
「…荷物は明日アジトに届くそうだ。」
「全部任せちゃってごめんねー。」
「…早く乗れ。」
「刃、はいこれ!」
飲み物をひとつ渡す銀狼。渡すだけ渡したら後ろの席で星とアイスクリームの交換会が行われている。ず、ずるい…!
「…手が塞がるものは運転に邪魔だ。」
「少しくらいいいんじゃない?ほら、銀狼も刃が好きそうな甘くないお茶系の買ってきたことだし。」
「…断る方が面倒そうだ。」
「素直じゃないんだから。それで、感想は?」
「…甘いな。」
「ふふ、そうだね。」
今日は茶化すのやめておこうかな。刃の口角が上がってるのなんて久しぶりに見たよ。
「ぎんろー、刃が美味しかったってー。」
「えっ!?ほんと!?!?やった!」
「…否定しにくくするな。」
「いいじゃない、間違ってもないんでしょ?」
そう言ってると、刃の頭をわしゃわしゃ撫で始める銀狼と星。
「…やめろ。気が散る。」
「今日は運転も荷物もありがとーー。」
真っ直ぐな言葉で感謝を伝える星。
撫でる手を振り払おうとする刃。
「ほらほら、飲み物持てないくらいなんだから。ハンドルから手を離すと危ないぞ??」
気さくに絡む銀狼。
きっと彼もこの雰囲気や関係性を気に入ってるはずだよ。わかりにくいけど笑ってるもん。
帰ってきた私たちをカフカはリビングで迎えてくれた。
「みんな、おかえりなさい。楽しかったかしら?」
「うん。掘り出し物も見つけたし大満足。ただ少し疲れちゃったから先に寝るね。私お化粧はしてないからそのまま寝ちゃっても大丈夫だよね??」
「日焼け止めや保湿のものは塗ってあるから、念のため水で流しておきなさい。おやすみ。」
銀狼は郵便に回さず直接車に置いといたもこもこヒツジさんを抱えて部屋に戻っていく。早速抱き心地を確かめるんだね。
「カフカ。」
「星。おかえりなさい、楽しかった?」
「うん、楽しかった。あとこれお土産。」
「…っ!お土産だなんて、とても嬉しいわ。ありがたくいただくわね。」
今一瞬びっくりしすぎてカフカの魂飛び出てたような…本当に星からもらえるものは物でなくても言葉でも態度でもなんでも嬉しいみたい。
「これは…オルゴールかしら?」
「うん。壊れかけで音が途切れ途切れなんだけど綺麗だった。」
「ふふふ…本当に嬉しいわ、ありがとう。今夜、ヴァイオリンでも弾こうかしら。」
「絶対聞きたい。夜部屋に行くね。」
えっ、ああ…!私も星と一緒にいたかったのに先をこされちゃった…むぅぅ。
「もう。だからそんな顔しないの。いいわよ、星と一緒にいらっしゃい。お土産話も聞きたいわ?」
「そ、そうだ!お土産話!今日は楽しいこと不思議なこと嬉しかったこと、話したいことがたくさんたくさんあるんだ。夜行くね!」
本当に今日は温かくて幸せで…あっ、そっか。この大切な気持ちを木箱に入れよう。そうだ、写真を現像して思い出をたくさん残そう。お婆さん、ありがとう…!
ホビーショップのこと、アクセサリーショップのこと、骨董品屋さんのこと、お昼ご飯のこと、街の人たちの視線のこと、星のこと、銀狼のこと、刃のこと。カフカに話したいことの全部全部、大切な私の…私たちの思い出なの!私はもう1人じゃない!
───これが私の家族!いいでしょ。えへへ…




