世間知らずのホタルちゃん
最近街に出かけると優しい人にたくさん出会うんだー!
例えばね?この前だったら…
「そこの可愛いお嬢さん。お小遣いほしくない?」
「え、えっと。わ、私ですか!?か、かわいい…そっかぁ、えへへ。」
「そうそう君!ショッピングで買いたいものとかあるんじゃない?」
「あ、あります!でもあんまりお小遣いなくて。」
「おじさんが買ってあげようか。」
「そ、そんなの悪いですよ!」
「大丈夫大丈夫。その代わり、寂しい人生を送ってるおじさんのお話し相手になってくれないかな?」
「えーっと、そんなことでいいんですか…?それなら構いませんけど…」
「うんうん。ありがとう!じゃあ休憩所が裏路地にあるお城みたいな見た目のところだから、こっちに来て?」
「はーい。」
って人生寂しくて優しいおじさんについて行こうとしたの!そしたら何故か銀狼が飛んできておじさんをドロップキックで吹っ飛ばしちゃって…おじさん、かわいそう。
それ以外だと…優しくて頑張り屋な筋肉質のお兄さんもいたよ!
「すみませーん。だれかー…」
「どうしたんですか?」
「実は、新しいマッサージ機器と安眠剤を作ったのですが、テスターが誰もいなくて…」
「誰もいないなんて…!そのテストを受けるのに条件とかはあるんですか?」
「必須の条件は女性。というくらいで、特別な条件なんてないんです…ただ、お嬢さんみたいに可愛い方だと嬉しいですね!」
「お兄さん口が上手いですね!かわいいだなんてー…えへ。」
「いやいや、本心ですよ!それで、いかがでしょう??もし、この実験にご協力いただけると謝礼金は出しますので…」
「お金なんていいですよ!新発明頑張ったんですよね?私でよければ協力させてください!」
「あ、ありがとうございます!薬の治験もあるのでこちらの誓約書にサインを頂くこと、服装がこちらの指定のものになることに同意頂くことになりますが…よろしいですか?」
「えーっと、服装が自分の服を全部脱いでから、薄い浴衣のようなものを指定してますけどー…?」
「はい。マッサージ機器のテストもありますので、なるべく肌に直接当てさせていただきたいんですよ!それに安眠剤とはいえ薬の治験もありますから、少し肌の露出多めで生地を極限まで薄くした患者衣みたいなものになってます。」
「そうなんですね!そういうことなら、わかりました!同意しますので誓約書を……」
ここまで言ったところでお兄さんの顔が急に青ざめ始めたの。後ろを振り返ると人を殺しそうな形相でお兄さんを睨む刃がいてね?
「ひっっ!ゆ、許してください!!命だけは!命だけはぁぁぁ!」
そう言ってお兄さんは走ってどこかに行っちゃったんだ。誓約書まだもらってないのに。
「…何がわかりました、だ。わかるな。」
「刃!奇遇だね。」
「…こんなところで何をしている。」
「何って…お兄さんが頑張ったのに最終段階で報われてなかったからお手伝いしようと…」
「…お前は、もう少し人を疑え。用心しろ。」
「刃は人を疑いすぎなんだよ。お兄さん逃げちゃったじゃん。」
「…むしろ感謝してほしいくらいなんだが。」
刃も酷いよね!お兄さんかわいそう!!
こんな感じでね、街にお出かけすると頑張ってる人とか優しい人からよく声をかけられるんだー。人とのコミュニケーションって嬉しいし楽しいよね!
でも何故か私の知り合いの人たちが邪魔したり横槍入れてくるんだよね。それも全部!いつも!!声をかけてくれるおじさんたちに申し訳なくなっちゃうよ。ねぇ?
───実は心配性な仲間が初めてのお出かけを尾行したことがキッカケで、それ以来ホタルのお出かけには24時間態勢で保護されてるって話。




