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シチリア大穴ダンジョン第3層

 シチリア大穴ダンジョン第3層の状況と成果。


 状況

 シチリア大穴ダンジョンはイタリア、シチリア島に存在する直径300メートル級の中型大穴ダンジョン。

 シチリア大穴ダンジョンで第3層に初めて侵入したのはイタリア軍ではなかった。

 地元の若者たちで構成された探索団であり人数は5名である。16歳から20歳の男子。探索団というのは、サーチャー・チームの日本語訳である。

 1層2層は世界共通であり割愛するが、3層は草原型である。ただし広く天井が高い。広さは現在1層2層とも20倍までは確認されているが、30倍は有りそうだとの事である。

 形状は1層2層同様の円形である。

 高さは20メートルほどであり、これまでの低木だけではなく10メートルを超えるような樹木が多数確認されている。

 湧き水があり、小川として流れているのは従来の草原型と同様。

 全ての第3層が共通なのかはまだ不明である。

   



 成果


 まず肝心なのが今まで軍の探索で発見できなかった第3層への階段発見である。

 これは突然現れたという。イタリア軍とイタリア探索者協会によると、5名の装備は木製の手作り防具と木製の手作り盾に武装は棍棒、先祖伝来の槍・先祖伝来の剣・鉄パイプ・スコップがそれぞれの武装である。

 軍から見ればふざけた装備であるが、1層2層なら十分対抗できる装備でもあった。


 産出物は初めて小さな石と宝箱以外の産出物があった。肉である。肉と聞くと不思議であるが、何か透明なものに包まれた明らかに肉以外の何物でもないものが出現した。

 イタリア軍とイタリア探索者協会は若者たちのいたずらではないかと疑うが、肉を包む透明なフィルムが正体不明で若者たちが用意できるような物でもない事から産出物と決定。

 肉は若者たちから買い上げた。金額は初めての物なのでかなり多めで買い上げたようである。

 肉は見た目も検査結果も豚肉で、死刑囚の食事に出してみたが旨いという以外には何もなく中毒にもならず、この第2回会合の時点でも健康に影響は無いという事である。

 この肉は複数入手しており、フィルムを剥がさない状態であれば驚くべき事に常温保存が可能である。肉なのに腐らないのである。この会議中にイタリアに保存状態を確認したが腐っていなかったので、

6週間以上の常温保存が可能と思われる。

 

 暫定豚肉を落としたのは体高50センチメートルほどの豚で角ウサギ同様、額に小さな角が付いていたという。イタリア探索者協会では角ブタと名付けたようだ。その後も何頭か倒したが牙が見えるほど大きくなく毛も短いためイノシシではないと5人組が証言している。また、暫定豚肉を落とすのは2割の確率であるらしい。


 肝心の第3層への到達方法であるが火薬を使わない事らしい。

 軍の探索では各国とも安全第一で銃を使用しステップウルフを退治しているが、彼らは銃を使わずに倒していった。

 軍の分隊に階段を降りるように命令したが、階段に拒否されたという。

 イタリア軍では発砲をせずに1層2層を突破させた。しかし、それでも階段を降りる事は出来なかった。その分隊は今までに銃を使用していた。

 それでは何が原因か。いろいろと装備を変え確認作業に入ってイタリア軍は、火薬が原因だと断定した。火薬がダンジョンに拒否されているようである。火薬なし装備で1層2層と突破したイタリア軍の分隊は無事第3層へ降りる階段を使用できた。

 新たな分隊をダンジョン探索部隊以外から呼び寄せ火薬なし装備で3層まで進めさせた結果、同じように階段を降りる事が出来た。また、銃を使用していた分隊もダンジョンから出て数日後に同じ様に火薬を使わずに探索をさせると、第3層の階段を降りる事が出来た。 

 第3層への階段利用方法発見であった。


 未発見の第3層を目指す他の民間探索者もステップウルフ対策として猟銃や拳銃を使用する事が多く階段を発見できなかったものと思われる。

 1層2層で満足している者たちは銃をほぼ使わないが、第3層へ向かう意思がなかったものと思われ階段が出現しなかったという推測が一部から起きている。

 不思議な現象であるが、回廊から2層3層へ直接侵入できない事と合わせると、ダンジョンに何らかの意思があるようにしか思えないというのが、会議で接触した関係者多くの感触である。


 そしてその結果が、会議で合意されたダンジョンへの火薬持ち込み禁止規則である。誤射も多く、狭いダンジョンで発砲音がうるさいと問題になっていたのでちょうど良かった模様。

 爆薬でダンジョン壁を壊そうとしたり、ダンジョンそのものを破壊しようとした国も多い。それらは全て徒労であった。



 ダンジョンで意思を持つ存在がいかなる者かは知り得ないが、接触を持つ事は極めて需要だと思われる。



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[一言] ハードエアライフルならよいと
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