笑い方がぎこちないと、人はそいつをキモイと思うらしい。
僕はよく、“黙ってたらカッコいい”と言われる。
どうも笑う事が苦手なのか? かなりぎこちない笑い方をするらしく、
特に女性からは、キモイと思われているらしいのだ。
つい最近、男友達に誘われて行った飲み会も、僕は友達から予め言われて
いたにも関わらず、あまりの緊張でまたあのぎこちない笑い方を女の子達
の前でやってしまい、その飲み会に来ていた女の子達にこう僕は言われる
ようになったんだ。
『“三田君って、笑い方キモイよね?”』
『えぇ!?』
『コイツさ、あんまり笑いなれてないから、許してやってよ!』
『“ポンコツゲゲゲってどう?”』
『・・・な、なにが?』
『“三田君のあだ名よ!”』
『あ、あだ名?』
『結構! 初めて見たら、ゾッとする笑い方だよね!』
『おい、そんなあだ名付けるなよ!』
『・・・も、もういいよ、ありがとう、』
『で、でもさ、』
『黙ってたら三田君ってカッコいいのに、笑うと不気味よね!』
『うんうん、彼氏だったら絶対にわたしは嫌だわ!』
『ワタシもそうかな。』
『・・・あんま、気にすんなよ。』
『あぁ、慣れてるから大丈夫だよ、』
『それとも、もう帰るか? ココに居るの辛いだろう。』
『あぁ、ううん、』
僕の男友達は申し訳なさそうに、何度も僕に謝ってくれたけど、
気分は最悪だった。
僕は子供の頃から、笑うのが凄く苦手で......。
僕の母親からも“お外であまり笑わないように”と言われていたほど、
親からも僕の笑い方はキモいと思われていた。
『今日は、本当に済まなかったな!』
『・・・あぁ、別にいいよ。』
『今日の飲み会の女の子達は特に性格が悪い子ばかりだったと思うから、
あんまり気にすんなよな。』
『・・・ううん、』
『“やっぱり、まだ落ち込んでるのか?”』
『えぇ!?』
『お前さ、子供の時からそうじゃん! 笑うのが苦手だかって、
本当に芯から笑わない子供だったし、今だってそうだろう。』
『・・・あぁ、ううん、』
『“別に俺の前だけでも、笑っていいんだぞ! 笑わない奴なんてやっぱり
おかしいし、笑ってると元気もでるしさ!』
『隆平はいいよな、隆平が笑うとパッと周りが明るくなる感じがするし、
何より隆平は笑顔が似合うよ。』
『お前だってそうなるよ、俺が紹介してやろうか。』
『“なんの紹介?”』
『笑顔がステキになるお店だよ!』
『そんな所あるのかよ。』
『あるよ、俺も最近知ったお店なんだ!』
『頼んでいいか。』
『勿論!』
僕は友達と一緒に、“そのお店に行ったら、、、?”
確かに、笑顔のステキなオジサンがここの会員になった人達に
キレイな笑顔が出来るトレーニングをしていたんだ!
『“大丈夫! キミの笑顔もわたしの手にかかればステキな笑顔になるぞ!』
僕はその言葉を信じて、このオジサントレーナーに身をゆだねる事にしたんだ!
そうすると? みるみるうちに僕のぎこちない笑い方が、ステキな笑顔に......。
この先生! マジ凄い人だったんだよ!
この笑顔を武器に、今度は自信たっぷりで飲み会に参加すると、、、?
僕はあっという間に、飲み会に来ていた女の子達が僕を注目したんだ!
『三田君って、“凄くステキな笑顔だね!”』
『えぇ!? そ、そうかな、』
『“私、三田君の笑った顔が好き。”』
『えぇ!? 本当?』
『うん。』
まさか? 僕がこの飲み会で一番モテる男になるなんてね。
“やっぱり、男も女も笑顔がステキだとモテるんだなと心底思ったよ。”
最後まで読んでいただいてありがとうございます。