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日記を初めた件について 6歳半年

 2016年 9月〇日

 これは日記である。

 僕が最強に至るまでを記した日記である。

 なお、この日記は僕が異能【影分身】を授かってから半年後に書き始めた日記である。

 日記を書き始めた理由は、そうだな、その方が今の自分の力について整理がつきやすいかなっていう、まあありふれた理由だ。さして深い理由はない。

 といっても日記を書き始める理由なんてのはそんなものだと思う。

 さて、とりあえず今からは僕のこの半年間について軽く振り返りをしていこう。


 僕は半年前の誕生日に異能【影分身】を授かった。


 この異能【影分身】を授かってから僕はまず自分がどれだけの影分身を生み出せるのかを試した。

 1体、また1体と増やしていって、最終的に5体生み出したあたりで体調に異変をきたしたのでやめることにした。

 5体の影分身を生み出してから6人の僕で話し合いをすることにした。話し合いの内容はこれからどうするかについてであった。


 僕の目標は【最強】へと至ることだ。

 何者にも負けない最強に、ありとあらゆる全てを圧倒する最強に、全ての頂点に立つ最強に、僕はなるつもりだ。

 その為の努力は惜しまないつもりだった。


 だけど具体的にどんな努力をすればいいか見当がつかなかった。


 そんなこんなで1時間程6人の僕で話し合いをしていたら、幾つかの案が生まれた。

 一つ目は体力をつけるである。

 体力が付けば僕の生み出せる影分身の数も多くなるし、絶対に無駄にはならない。これは即採用された。僕もそれがまず一番大切だと思った。

 ただ、つけるのは体力なので、これは僕が自分一人で努力をしなければならないこととなったが、それは最強へと至るために必要なことだ。僕にとって一切苦痛ではなかった。


 二つ目は魔法の練習をしてみるだ。

 魔法は一般常識として魔法使いと呼ばれる極一部の天才を除いて使用するだけで死にかけてしまうような非常に効率の悪いものだ。

 でも、魔法を自由に使いこなせるようになれば出来る幅は広がるし、最悪魔法の使い過ぎで死んでも影分身であれば特に問題はない。

 というわけでこれは影分身にやらせることとなった。


 三つ目は知識をつけるだ。

 お父さんからよく知識はとても大切だと教えられて来た。

 知っていると知らないでは大きく違う。

 物事において知らなくて不利なことは山の様にあるけど知っていて不利になることはほとんどない、むしろ知っていることによって有利になることがほとんどである。

 これに習って僕は知識をつけるようにした。

 幸いなことに影分身で経験したことは全て本体である自分に還元がさせる。

 だから例えば影分身を使って本を読んだりすればその本を読んだという記憶に経験が全て僕に還元されるということだ。つまり本体の僕がその本を読んだことになるということだ。


 以上の3つのことを最強へと至るためにやろう。

 異能【影分身】を手にしたその日のうちに僕はそう心に決めて行動を開始した。


 こうして日記にして書いてみて思うが我ながら行動が早すぎると思うな。確実に6歳児の行動力じゃないな。

 まあ。ただ行動が早すぎて悪いことはないと思うし。行動が遅いよりかは絶対良いと思うけど。問題はなしだな。流石僕。


 まず体力づくりはコツコツとやるしかないので、本体である自分が一人でコツコツと頑張った。

 お父さんに体力を増やしたいからジョギングするといったら、嬉しそうにしてジョギング用の靴にジャージを買ってくたのはかなり嬉しかった。

 ついでにいえば土日なんかは自分も体力不足を感じてると一緒に走ってくれた。


 魔法の行使の方は、影分身が魔法を使ってる様子を部屋で見守っていたのだが、中々に酷い光景であった。

 今でこそ見慣れた光景となり。一切気にならないが、最初の頃は中々に慣れなくて目を背けてしまうレベルだった。

 自分が魔法を具体的には火とかは危ないので、コップを用意してそこに水を注ぐ。

 たったそれだけの魔法なのに、目から血が出て、耳からも血が出て、口から血が出て最終的にダメージ限界で破壊されて消える。

 その瞬間にその苦痛の記憶含めて全ての経験が還元されるのだが、今は平気だが、最初の頃はこれが中々にきつくて、吐きそうにすらなった。というか吐いた。

 ただある時にこれはあくまで記憶、経験、実際の体ではなんともなってないって自分を信じ込ませたら特に苦しさみたいなのは消えた。痛くないわけじゃないけど。

 その時はよく分からなかったが、本を読んで知識を得た今の僕なら分かる、おそらくプラシーボ効果って奴だ。知らんけど。


 で、まあ、この魔法の訓練なのだが、体力と同じで経験が還元されるだけだから魔力増えないんじゃないという嫌な懸念があったのが、そういうのは特になかった。

 普通に魔力の最大値が増えた。

 といってもほんの少しだけだ、具体的な数値も分からないレベルでほんの少し増えただけだ。それでも確かに増えたという感覚はあったので、体力が持つ限り分身を生み出して魔法を行使させて、魔力の最大値を増やしていった。

 普通の人間には絶対に出来ない方法ではあると思う。


 ほんで、最後の読書もとい知識をつける作業。

 これは学校に行っている間とかに影分身を全員休日か平時の学校終わりにに市の図書館と学校の図書館で借りてきた本やネット小説を読ませる形で解決させた。

 最初は図書館に直接行かせようと思ったが、流石に全く同じ容姿で同じ服を来た6歳児が図書館にいたらおかしいだろってことでやめることにした。

 基本的には朝学校に行く前に影分身を学校に行かせる振りをさせて俺が家に残る。俺が学校に出かけたら割とすぐにお母さんがパートに出かけるのでそれを見計らって分身を生み出して家に残す。

 俺は外で待機してる影分身と交代して学校に行く。

 これである。


 毎日のジョギングで体力がついていることもあり、この半年間この方法で一回も遅刻はしていない。

 まあ、お母さんがパートを休みだったりする日はこの方法が使えないので普通に学校に行ってるのだが。


 因みに土日であれば、適当に友達と遊びに行くと言って、出かけて影分身をする。

 影分身全員でバラバラに町を探索したり、俺本体は実際に友達と遊んだりする。


 そうやって半年間過ごして来たわけだ。

 こうして振り返ると結構あっという間なようでかなり濃い半年間だった。


 さて、一応半年間の成果も書いておきますか。


 まず。成果一つ目、体力が増えて体調に異変をきたさずにさせる影分身の数が10人に増えた。

 これはもちろん体力が増えたというのもあるが、何となく異能【影分身】そのものの練度のようなものが上がってより多く影分身が出来るようになったそんな気もする。

 まあ、より多くの影分身が出来るに越したことはない。


 次に魔法であるが、これは魔力の最大値が最初のコップ一杯にも満たない水しか出せなかったのか、2Lのペットボトルが全て満たせるレベルの水を出せるようになった。

 おそらく最初出せた水の量が100㎖ぐらいって考えたら実に20倍という進歩だ。

 ただ、毎度毎度2Lのペットボトルに水を入れて、それを親にバレないように洗面台で捨てるのは手間なので、なにか新しい魔法特訓方法を考えたいと思う。

 

 そして最後に知識。

 これはかなりついたと思う。

 僕は様々な本を読んだ。色んなジャンルの本を読んだ。WEB小説から、図書館に置いてあった有名なライトノベルに歴史の漫画やら幼児向けの絵本に小説、簡単な文学小説まで。

 それはもう色んな本を読んだ。

 もちろん最初は漢字が分からずにかなり苦労したが、俺にはお父さん、お母さんに司書の先生という非常に心強い味方がいた。

 分からない漢字があれば質問して、時には学校や図書館に置いてあるパソコンで調べたりしつつ様々な本を読んで言った。

 そんな生活を1か月程していたら、大体の本は読める程度の漢字力が身についていた。好きこそものの上手なれとはよく言ったものだと思う。

 おかげで学校の漢字テストではいつも満点だ。まあ、基本皆満点だけど。

 以上がこの半年間の成果かな。


 何だかんだで少しずつだが確実に最強へと近づいて行っている気がして非常に嬉しい気分である。


 ――――――――――――――――


 補足説明

 学校生活が始まる前については保育園に預かって貰ってました。

 保育園でも基本的には今の生活とやってることは大差ないです。

 学校が始まったうんぬんも日記に書かせようかと思ったのですが面倒になったのでやめました。

 因みに主人公の誕生日は3月です。

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