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スライムビッグウェーブ!

いつもより短くてすみません…!

なかなか時間が取れなくて申し訳ないです!

 人間族キケルの街

 海運商人達が港に作った街である。

 どの国にも属することなく街単体で自治権を持っているこの街は商王ハヤブサの息がかかっている。

 街町のブランツは空運業を開いたことでさらにこの街を発展させた。

 それゆえこの街には酒場や武具が豊富に揃っている。

 その利便性から、冒険者が集いやすい。

 全てが資本で決まるこの街は資本主義の鏡である。そのおかげで治安の良さと自由を両立できている。

 街直属の傭兵を雇う資金力、この街を愛した冒険者、立ち寄った冒険者、数多の実力者が多く集うため魔物も近寄り難い。

 無論、この周辺の魔物は彼らに狩り尽くされてしまい、ほとんどスライムしか残っていない。

 この事実こそ、この独立街が国家と肩を並べられる所以である。

 商いをするものは誰でも受け入れる。それを邪魔するのなら、徹底的に潰す。

 実力による平和を実現している独立街であった。



 独立街キケルに着く前、近くの森でトロル達と別れた。

 キケルの入場口前は人だかりで溢れていた。

 入場ゲートが傭兵によって塞がれている。 

 いつもは身体検査程度で自由開放されているはずなのだが。

 一般市民や冒険者達は立ち往生している。

 いつもの街なのに冒険者デビューの日に限って閉じるなんてひどいじゃない!


「先日起こった近隣の村の崩壊により事態の詳細が把握できるまではキケルは閉鎖します!どうぞ、お帰りいただくか近場の宿でお待ちください!」


 そんなぁ…

 出鼻をくじかれた。

 もちろんお金もないから賄賂なんて払えない。

 でも中に入りたい。


「おいおい、きいてねぇぞ!」

「今から宿探すのなんて無理よ!」


 閉め出された人達からヤジが飛んでいる。

 

「まいったな、これじゃ戻るしかないか。日にち改めるしかないかな?」

(「そうね、わたしたちお金ないものね。トロルに変わって無理やり入るのは?」)

「そりゃダメだね、トロル一体くらいじゃすぐやられちゃう」


 お手上げだ!

 そう思って帰ろうとした。

 そこでレイナが声を上げる。


(「きゃ!!すごいゾワっとした!多分魔力?!後ろ!!」)


 そう言われて振り返る。

 後ろでボロ布を着た小さな女の子が立っていた。

 ぎゃあ!ほんとにいた!真後ろ!

 

「いつからいたの!きみ1人??」

「ワタシは1人。あなた、この中で1番魔力強い。」


 憔悴しきっている。

 

「ワタシ、この中に入りたい。ワタシ、コピー使える。あなた、何使える?この中に入りたい。」


 そういって近くの石を二つにして見せてきた。10秒ほどでその石はパラパラと崩れていった。

 自分のスキルをひけらかすことは危ないけれどこんな小さい子がそれを知るはずもない。

 ん?まてよ…

 もしこの子のスキルが本当にコピーなら…

 女の子に耳打ちするーーー



「だからあ!キケルは封鎖してるの!」

「キケルの街は只今閉鎖しておりま…な、なんだありゃ?!」


 驚く傭兵の視線の先に


ーーぽにょんぽにょんぽにょんぽにょん!

ーーぽにょんぽにょんぽにょんぽにょん!


 スライムの大群!!




 そう!これがボクたちの考えた!

 【スライムの大群紛れ込み大作戦!!】

 

 突如現れたスライムの大群は圧倒的な数の暴力で入場門を押し上けた。

 それはまるでスライムの雪崩である。

 力自慢5人かかりでやっと開けられる門すらも、雪崩の前ではその重量も意味をなさなさい。


「とめろとめろぉ!!門を閉めろぉお!」


 見張り傭兵の叫びで人が集まり門が閉められていく。

 わずか数十秒、その間に雪崩れ込んだはずのスライムは溶けて消えてしまった。

 



 街の路地裏にてーー


 息を荒げた少年少女が壁にもたれて座りこんでいる。

 

「こんなふざけた方法、上手くいくと思わなかったわ。あなた何者?」

「君のコピーすごいねえ!あんなたくさんのスライム初めて見たよ!」


 くすくすと笑い合う。

 こんなにはしゃいだイタズラは生まれて初めてだ。

 

「そういえば君の名前はなんて言うんだい?」

「ワタシはペネロペ」

「そっか!ボクはヘルメス!どこからきたの?」

「場所はわからない。逃げてきたから」


 誰に追われているの? と、出かかった言葉を飲み込む。

 彼女の顔が険しい。

 

「ワタシ、これからいくところある。あなたも来る?」

「いくいく!!」


 この子といれば楽しいことが起こる!

 その時はそう考えて気楽に返事をしちゃったのだった。

 

「いたぞお!!こいつらだ!!このガキ達が門抜けた後に走り去っていったやつらだ!!」


 大勢の大人に囲まれていた。




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