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最強の能力者に平穏など訪れない  作者: 世界一の能力者のゴーストライター
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7

「で!その依頼って何よ!」

廃墟に着くや否や、俺に爛々と輝く目を向けたのは有北未来、プロフィットだった。

まあ落ち着け。逃げるものでもないんだ。

「すー、はー、はい落ち着いた!で!どういう内容なの!」

お前なぁ……。

俺は碓氷から言われた依頼内容を話した。

「へぇ、二つ名関連ね」

ああそうだ。いやか?

「いいえ全く。能力者は全員が対象だもの」

で、どうする?一応二つ名なんだし、作戦でも立てるか?

「そうねぇ。そうだ!それには実地検証が必要だわ!早速その高校に行ってみましょう!」

お前、ただ単に二つ名に会いたいだけだろ。

そんな言葉は馬耳東風。肩で風を切り俺に後塵を配させると、有北はいつの間に俺の自転車の荷物置きに乗っていた。

「なにやってんの域谷!さっさと行くわよ!」

はぁ、これだから烈しい女ってのは云々。

有北の唯我独尊な立場に閉口しながらも俺は、ペダルをこぎ始めた。後ろからはシトラスの香りがする。つまりはこいつも、こんなに烈しいながらも女子だったわけか。俺は妙に得心すると、廃墟のガタガタとした石畳を抜け、セメントの坂を勢いに任せて下った。それは風が頬をかすめる昼下がりのことだった。




目の前には古びた校舎がそびえたつ。窓は砂ぼこりで茶色く濁り、もとは白かったであろう校舎の壁も薄汚れて、はがれたところとそうでないところとのちぐはぐになっていた。校門は黒いペンキが一部剥がれ、中を錆が侵食していた。

「なかなかアンティークな感じね」

いやいや、ただ古臭いだけだろ。

古びたフェンスに背中を預けると、ギイッと軋む音がした。

「で、私たちは何をすればいいの」

お前、まさか無策でここに来たのか。

「ええもちろん」

有北は胸を張って言う。

はぁ、俺として全く、自慢などしてほしくないのだが。嘘であってほしいね。

「保証してあげるわ。嘘じゃないって」

……はぁ。じゃあ仕方ねぇ。依頼主を待つぞ。

「それも暇ねぇ。そうだ、中に入りましょうよ」

はぁ!?お前、それ、無断侵入だぞ!

「いいじゃない。世界平和のためよ」

いいや良くないね。だいたい、能力者だって法律を守るべき――はっ!いない!

校門の中を見ると、有北が手招きしていた。

「なにやってるの。あんたも早く来なさいよ」

こいつ、マジで言ってやがるのか。

俺はしぶしぶ中に入った。


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