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俺は空を飛んでいた。なんてことない、ただの暇つぶしだ。俺だって能力者が全員悪いなどという一種の遺伝論を抱くような頑迷固陋な奴じゃない。だから四六時中能力者殺しに奔走しているわけじゃない。ただ、機関、あれは駄目だ。上が生粋の能力者なのだから多分腐敗しているに違いない。そんな俺は空を飛びながら読売新聞を見る。能力者がどこかで暴力沙汰を起こしていないかを知るためだ。そしてペラペラめくっていくがめぼしいものは見つからない。選挙の結果?そんなの興味ない。ただ、日本維新の会にはもう少し議席数を伸ばしてほしかったと希求するのみだ。そうして読み終えると、新聞は灰にして霧散させ、眼下に広がる陳腐な街並みを見下ろす。本当に住宅街は見るところがなくて辟易とするなという感想を抱きながら、とりあえず町内を一周してみるかと速度を速める。レンジャーの最後に言っていた言葉、『仲間もいいもんだぞ』という煩い言葉が脳内に反芻される。なんであんなに強かったあんたはそんな陳腐な俗に塗れちまったんだ。俺は無性に叫びたくなって、それを抑えようと頭をかきむしる。あんたはそんな奴じゃないはずだ。あんたは孤高の存在だったはずだ。あんたは……あんたは!――俺の心の中の大海はどす黒い渦を巻き、嵐が轟轟と吹きわたる。大体、と俺は心の中に煩く居続ける彼に皮肉交じりに笑いかける。あんたは今まで一度も本気を出したことがないじゃないか。俺にはわかる。俺も同じ境地にいるからわかる。あんたは、素の能力でも二つ名の一人や二人を相手どれるあんたは、一度もその体術を使わずに能力だけでここまで上り詰めたじゃないか。そんなあんたが味方を持つ?仲間を持つ?笑わせるな。あんたがもし本気を出そうものなら、他の俺以外の二つ名が一斉にかかってきても瞬殺できるのだから。そんなあんたを楽しませられるのは、元に戻せるのは俺だけだ。そうか、つまりこれはあれなんだな?あんたからの挑戦なんだな?だったらいいだろう。その挑戦、受けて立つ。まずはあんたの障壁となっているプロフィットとかいう野郎の抹殺からだ。ああ待っていてくれ。俺があんたの目を覚まさせてやるから。考えが漸くまとまってきたと思ったとき、遠くから女の悲鳴が聞こえた。
自分でも思うんですが、こんなつまらない物語、よくかけるなと思います。まったくやる気が出ません。それによってさらに駄文が作られ、さらにやる気がなくなりという悪循環です。




