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最強の能力者に平穏など訪れない  作者: 世界一の能力者のゴーストライター
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玉入れ、大玉転がし、タイヤ引きなどが終わり、綱引きが始まる。ここは俺の出番だ。赤の鉢巻きを結びなおす。さっき碓氷たちから声援をもらった。洋平はへらへらと笑っていたが、咲に至っては目に炎を宿しながら「応援してるよ!お兄ちゃん!」とお熱い言葉をいただいた。やれやれ、そんなに期待されちゃ、頑張るほかないでしょうが。ちなみに俺と同じチームにいる有北は、この種目には出ないのだが、「ほどほどに頑張りなさい」と、何とも腑抜けた声援をもらった。これが純真と邪悪の違いだろう。もちろん、純真とは咲のことで、邪悪とは有北のことだ。純真ってのは純真無垢であるから何にでも熱中できる半面云々。ここは省略することにして、今回の作戦を説明しよう。今回の作戦は、その名も、みんなで力を合わせよう作戦だ。当然だって?いいや、あんたらの思っている力を合わせるとは格が違う。掛け声に合わせてみんなで綱を引くのだ。紅組陣営に一人、俺とは真逆の生粋の陽キャラがいるのだが、カリスマ性もあり、リーダーシップもあるそいつが「せーの!」と矢面で掛け声をかけてくれるらしい。俺たちもそれに合わせて声を出す。後ろにも聞こえるようにだ。そしてその掛け声に合わせて綱を引く。どうだ、これこそ俺たちの至高の作戦だ。ん?聞いたことがあるって?言わずもがな。

綱に手をかける。やさぐれた綱の繊維が飛び出ていて、それが手に刺さり少し痛い。綱は太くて少し持ちにくい。ほかの生徒たちも綱を手に持つ。その目は真剣だ。一体、この競技に人生をかけている人は何人いるだろうか。何人が女子にその誇らしげな背中を見せつけたいと思っているだろうか。殊に、この後最後にリレーがあるのだが、その選考から外れてしまった人は実質最後のチャンスだ。この先は苦痛に喘ぐ人生が、少なくとも俺には待っているだろう。そりゃあ俺は凡人なのだから、能力がなければ凡人なのだから、会社勤めで理不尽に会い、社会の荒波にもまれ、精神は摩耗するに違いない。今、ここに立つ人々の中にもそのようなことにうすうす気づいている人は幾人かは居るだろう。だったら、高校時代くらいせめても楽しみたいじゃないか。恋愛したいじゃないか。そんな覚悟にも似た願望が彼らには見える。俺も綱を握る手を少し強めた。さあ、全てを出し尽くそうじゃないか。


能力の話がなくってつまらないと思ったそこのあなた!その感想により僕はとっても傷つきました!侮辱罪を適用します!

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