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「まあ大体こんな感じだ」
夕暮れ。現場検証が終わった佐藤さんは俺たちに振り向き、そう言った。白い歯が沈みかけた太陽に光る。まあ、これは上から目線だが、これくらいの強さなら、二つ名とはいかないまでも、そこそこの強さの能力者なら制圧できるだろうな。そう思った。しかし、この人たちは、あとで聞いたのだが、みんなが非能力者か弱能力者であるということだったので、とても驚いた。しかし、たぶん、だから強いのだろう。自分は弱いと知っていて慢心していない。だから備えもちゃんとする。その結果がこれなのだ。これをたとえば、そうだな、前に俺たちが狩ったファイアラーにでもやらせてみろ。多分そこら辺にいる能力者でも鎮圧できないぞ。まあ、だから何だという話かもしれない。諸君は彼らのすごさを、ただ単にきれいごとを言うための材料として用意したに過ぎないと思うかもしれない。ここで多様性を云々。長くなるのでやめよう。そして俺たちが談笑しながらベンツに戻っているとき、俺には見覚えのある髪形、それもとても親近感のある髪型が目の端に移った。服装もそうだ。ああ、あれに似ている。昔の俺に。俺は急いで駆け出した。いやな予感からかもしれない。虫の知らせかもしれない。俺の胸の中にはさざ波が立った。
「急に走り出してどうしたの!?」
有北が追い付いてきて言う。
ああ、なんか嫌な予感がするんだ。それも特大の。もしかしたら危ないことかもしれない。お前はもしもの時を考えてついてくるな。
「そう」
なおも有北は俺の横を走っている。
ついてくるなと言っている。
「いやよ。あんたが嫌な予感を感じるってことは、私にとってはとっても楽しいことかもしれないもの。それに、あんただけそんな危険な場所に向かわせるのは嫌」
……ちっ、勝手にしろ。
「そうね、勝手にさせてもらうわ」
俺は手を差し出す。
「なによ」
飛ぶぞ。
「あんたも結構乗り気じゃない」
うるさい。
有北が手をつかんだ瞬間、俺は飛び上がった。目の前には金髪のツンツン頭が見える。
「あ、あれって」
ああそうだ。いやなことに俺の昔の姿とそっくりなんだ。
「そ、そういうこと」
ちっ、こっちに気づいたようだな。スピードを上げるぞ。しがみついてろ。
「わ、分かったわ」
有北は俺にしがみつく。香水の香りがする。有北の心音がする。有北の体温が温かい。俺の鼓動は早くなる。なんだか蠱惑的な思いがした。しかし、俺は急がなくてはならない。もしあれが本当に俺の姿をまねているのなら、機関が危ない。
僕はとあるはアニメしか見ていません。ですがファンです。あんなに心躍らされる物語なんてないじゃないですか。




