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「――きたに、域谷!」
頭に衝撃を感じて飛び起きると、そこには不機嫌そうな有北の顔があった。
ど、どうした。
「どうしたも何も、作戦会議中に寝ないでくれるかしら」
そこで思い出した。俺たちは今タッチャーをどう仲間に入れるかの作戦を話し合っていたことを。
す、すまん。つい。
「ついじゃないわよ。……はぁ、じゃあ最初っから行くわよ」
刹那、扉が開いた。外からは緑髪の少年が入ってきた。
「やあみんな、ええっと、レンジャー君に、プロフィットちゃんに――おお!これはこれは!期待の超新星!アイスエミッター君じゃないか!」
「その名前で呼ばれるのはあまりうれしくありませんね」
洋平がたははと笑う。そうだ、あの夢の続きはこうだった。あの後目覚めると、俺はいつもの部屋にいて、机にはクリエイターからの置手紙と中学校の制服が。内容はそこに通うように指示するものだったはずだ。さすがの俺も死ぬことは怖かったのでそれに従うとそこにいたのは碓氷洋平。つまり、あの時戦った白髪の男だったわけだ。俺は、もちろんこんな性格だからだれにもなじめるわけがなかったが、なぜか碓氷だけは話しかけ続けてくれた。それで仲良くなったのだ。あいつはたぶん、俺を妹を傷つけた犯人と知っていただろう。だが、それでもかまってくれた。と言うことはあいつは優しい奴なんだな。
「あ!そうそう!今日は報告があってやってきたんだ!」
なんか嫌な予感がする。
「何かしら!」
目を爛々と輝かせてその先を聞いたのは有北だけだった。
「なんと!APKS団が機関直属の組織になりました!」
「……や、やったー!」
喜んだのも有北のみだった。
おい有北。何をそんなに喜んでいる。
「私の夢だったのよ!」
機関直属になることがか?
「ええ!」
……そんなにすごいことなのか?
俺はクリエイターに聞く。
「そりゃあね。前例がないっていう点では。しかも機関直属になったら情報なんて取り放題だよ」
あー、なるほどな。で、ほかには。
「要望したらもしかしたら宿舎だってもらえるかもしれないし、給料だって――」
ああ、俺のきき方が悪かった。デメリットはないのか?
すると、クリエイターの顔が青くなったような気がした。
「え?デメリットなんてないでしょ?」
有北が自分の世界から帰ってきたのか、クリエイターを仰ぎ見る。
「じ、実は……」
「「実は?」」
「き、機関からの頼みごとをしなくちゃいけなくって……」
はぁ!?俺は嫌だぞ!
「なに言ってんの!それによって平和を維持できるってことでしょう!」
そうはいってもな!
「お願い!レンジャー君!機関の人も君がいるならってことで今回のお願いをオッケーしてくれたんだ!」
はぁ!?勝手に俺の名前を使うな!
「お願いだよ!レンジャー君!」
おい洋平。お前はどうする。
「あははー、僕はやめよう――痛い痛い!わかったって咲!……あー、やっぱり続けようかな?」
はぁ!?なんでだ!お前がここに残る意味など――
「お、お願い、域谷おにいちゃん」
いつの間に俺の前に来ていた咲が潤んだ瞳で俺の眼を貫いた。
……し、仕方ない。やってやろう。
俺は仕方なく、首肯した。
「……そうやって小娘は甘えさせて……」
有北が何かつぶやいたような気がした。
今日を概算して短めに終わってしまったことをお詫び申し上げます。




