表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

8/10

8、簡単なお仕事


 声をかけられた時期からもわかるとおり、私はザコである。

 対外的には、常に聖女の側に控えているので、重要そうに見えるかもしれない。

 でも、やっていることは、彼女のメモ帳、不完全なウェキペ。

 新参者の癖にとにらむは、お門違(かどちが)いだ。

 なにせ黄昏れのヒトだもの。

 いまはひたすら、セトさんと面会した人物(容姿)を羊皮紙に描き起こしている。

 それに注釈をつける者は別にいて、その他、私が記憶しているのは、件の禁書庫の中身に限られる。

 セト聖女は、意外に用心深い。

 人というものの性質、その限界を承知している。よいことだ。

 だから、茶会で参加者の素性を彼女にささやいている秘書が、他陣営の人間でも驚きはしない。

 聖女だけに許された場所へ、私がどう理由をつけて出入りするか悩むまでもなかった。

 身分ある人物が一人で(・・・)行動する時、必ず二人や三人付き従うのが当たり前の世界なのだから。

 けして詳しくはないのだけど。

 前世界であれば、聖女は教会の管轄であったように思う。

 こちらでは、誰かが認定しなくても、称号というものがある。

 まして今回の召喚は、王家主導で行われた。

 現在の陣容を大雑把に言うとこうだ。

 年嵩の聖女は教会の総本山に居を移し、変容した教えを正そうとしている。

 年若い聖女は、民衆の味方をしているつもりで、一部の貴族に利用されている。

 セト聖女は、いまのところ王家に従っている。無難でよい。

 王制とはいえ王家一強ではないし、その上、一枚岩ではないけれど。

 セトさんは冷静だ。

 そもそも、私に難しいことなど考えられるはずもない。

 彼女が王家に同情しすぎて、もしもの時に縁を切れないなんてことにならなければ、それでよい。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ