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3、生き方
目の前に浮かぶ半透明の板は、任意で人に見せることも可能なようだ。
「スキルとか称号は、誰かれかまわず教えない方がいいと思うよ?」
フランシスはそう言ったけど、そういう人だからこそ信用して見てもらった。
どうやらスキルは、職業柄鍛えてきた技能が反映されているようだ。
称号は、生きる姿勢…。
そっか、黄昏れているのか私。しかも、ヒト。動物寄りって感じじゃない?
「フォォォォ! これは嫁を動かせるってことですかぁ!?」
テンションアゲアゲで、自分のステータス板を見せてくれるフランシス。
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名前 フランシス・ジャン・モロー
レベル ふつう
スキル 言語理解 雑音遮断 一点集中 造形全般 物質操作 錬金 薬学
称号 異世界人 傀儡師
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ジャンは洗礼名だそうだ。
貴族ではないけれど、あきらかにエリートで、趣味に生きる人…。
こんな状況でも幸せそうで、私も良い具合に力が抜けた。