結論はつまらないギャグ
「以上、私がおすすめする夏のいいところでした。」
そういって雪原は満足そうにタブレットをしまい出す。これは流石にパワポにしてまで持ってくるものでもないので、ツッコミます。
「ちょぉぉっとぉぉぉ!まじで?まじでそれだけ?」
「何か?高山潤一?まだおかわりが欲しいの?」
すっとぼけてきやがる、首を傾げてすっとぼけてきやがりますね。てか、おかわりってなんだよ!
「いや、だって夏のド定番の甲子園、プール、夏祭りを挙げてしかも常人とは思えない楽しみかたしか紹介されてませんからね!!」
「いいじゃない!楽しみ方は人それぞれよ!追加で言うならかき氷でっかいの頼んで結局溶かす奴とか夏休み最終日の家族総出の大宿題祭りも大好きよ!もちろん見る専だけどね」
ええひねくれてますね、ホントに。
「むしろ、これだけ出すの苦労したのよ。そんなに夏の思い出ないし」
「いや、いっちゃったね。夏の思い出ないって言っちゃったね」
やれやれと言わんばかり深いため息をつく雪原、いやむしろこっちがため息つきたいんですけど...と俺もため息をついていたら。
「私はただこんなに雪が積もってのが嫌なのよ!」
はい、知ってましたよ。どうせそんな事だと思ってましたよ。
「最期の結論言っちゃったね」
「言っちゃったわ」
二人して顔を見合わせる。
「高山潤一」
「なんだよ」
「あなたは夏がすき?」
「俺は夏でも冬でも春でも好きだな」
「秋は?」
「雪原当たり前な事聞くなよ」
そう言って俺は
「「あきないことが大事」」
と言ってやったんだ。
まぁ、被ったな、ちょーはずいんだけどくそ当たり前なギャグ的なギャグにもならないことハモられたんだけど。あ、手で顔を覆いましたね笑ってますねあれ。俺がこれ言うってわかってましたね。
「高山潤一、今のはくそダサいわね。今ので今週極寒になることが決定したわ。寒冷前線、冬将軍...きついわー」
「ほっとけ!俺のちょっとこれはいけるかなー?って思って口に出してしまった言葉を被せるように言ってなおかつ....」
俺が顔を赤らめながら反論していると
「はいはい、続きの弁解はバスの中で聞いてあげるから帰りましょ」
「くっそーー、お茶のんでみんなの前で噎せたときなみに辛れぇー。もう、あんなギャグ言わねー」
このあといじられるのかと思いながらバスに乗ったが一切触れられることはなかった。