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~プロローグ~
こんな世界で大嫌いなものは「愛してる」。
誰にでも発する言葉。
「恋人」
「家族」
「思ってないくせに口に出す大嘘つき」
私は心から「愛してる」と言うことも言われることも、思うことも止めた。
何故なら、私の周りには「思ってないくせに口に出す大嘘つき」ばかりだっただからだ。「愛してる」と何度も言われた。でも、もう何も感じない、響かない。他人の心なんて読めないから、私のことどう思ってるか分からない。
だから「愛してる」なんて大嫌い。
だけど、言われたとき嬉しかった。あの時までは。
「愛してるよ」
恋人の水嶋 戒は私の髪をかき揚げ、頬にキスをして、「愛してる」と言った。そして私も。
「私も愛してる」
気持ちが悪いと思うくらい彼にすがり付いて何度も「愛してる」と言った。私達は本当に愛し合ってると思ってた、全てが壊れるまでは・・・。