ーーーがんばるーーー
ーーーイケてるヘタレ剣士第1話ーーー
ここは桜華高校。
武道場からは剣道部の威勢の良い声が聞こえてくる。
『立花ー!おまえは何回言ったらわかるんだ⁈足を止めるなって言ってるだろ‼︎』
『はっ、はいっ…‼︎』
『おまえはほんとに何もできないな。成績も悪く、運動もできないとは。何か取り柄はないものか…』
『どうせ僕は…何もできないんですよ‼︎』
『おいっ!立花!まだ練習の途中だぞ⁈どこへ行くんだ‼︎』
俺の名前は立花秀人。なんの取り柄もないダメ男。剣道部に所属しているが、もちろん上達するはずもなく、怒鳴られる毎日が続いている…。
『はぁー…。』
『どうしたの?ためいきなんてついて…』
この人は桜木絵梨さん。僕が密かに思いを寄せてる人。でも、こんなダサ男じゃ釣り合うわけもない。
『いや、なんでもないよっ?』
『立花くんは…なんで剣道を続けてるの?』
『え?それは…強くなりたいし、剣道が好きだから?かなぁ。。。』
『そうなんだ!よかった。』
よかった??どうゆう意味なんだ??
『たまに部活しているところを見かけるんだけど、なんだか怒られてばかりだったから…部活が嫌いなのかと思ってたの。』
『ぼ、僕は確かに怒られてばかりで、嫌になることもあるけど、それでも、け、剣道は好きなんだ。ぼ、僕は僕なりのペースで頑張る。』
『その考え、すごくいいとおもう!わたし、立花くんを応援する!』
なんだ、このキラキラした笑顔。
すごく可愛い。まるで天使だ。
『あのっ、もし、、、ぼ、僕が3年の県大会で入賞したら、つ、付き合ってください‼︎』
『え???』
『…あっ!いやっ、えっと…』
『ふふっ。じゃあ、3年になったときに良い報告まってるね。じゃ、またね♪』
僕は何を口走ってしまったんだ。
引かれたにきまってる。
でも…良い報告まってるってことは。。。
よし!僕は桜木さんのハートをつかむために剣道をがんばるぞ!!
ーー第2話へ続くーー