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  作者: 水野 すいま
90/124

第90話 疲労

「なるほどね・・・」

リンが納得したように頷く。

「確かに確証は無いね。でも確率的にはかなり高確率・・・なんでしょ?」

確かめるようにしてリンは燃に問いかけた。

「ああ、あまり考えたくは無いが高いことは事実だろう。」

燃がそう言うと二人は考え込むように黙り込んだ。

しばらくの沈黙。

「なあ、リン。そういえば由香里はどうなった?確かあそこに居ただろ?」

30秒ほど経った後に燃がリンに問いかけた。

「うん。彼女ならあの後すぐに起きてね・・・燃の無事を知ったら安心して帰ってったよ。」

「そうか・・・っ!!げほっ・・・ごほっ!」

燃の顔には安堵の顔が見られたが、いきなり跳ね起きると口に手を当てて咳とともに血を吐き出し、すぐにその表情はぐずれた。

「燃!?」

その姿を見てリンはすぐに立ち上がり、水を汲んできて燃に渡した。

燃はそれを受け取り、一気にそれを飲み干す。

「燃・・・やっぱり・・・」

「ああ、かなり酷くなっている。だがこれによって作戦が立てられるんだからな。良いんだ悪いんだか。まあ、安心しろ。俺はまだまだ死ぬ気は無いからな。」

リンが心配そうに覗き込むと、そう言って燃は冷や汗をかきながらも不敵な笑みを見せる。

「当たり前でしょ。こんな所で死なれたら私が困るよ。」

「ああ、そうだな・・・」

そう言ってリンも笑顔を見せると、安心したように燃は再びベットに横たわる。

さすがに体力の限界が来たのだろうか、そのすぐ後には燃はすでに寝息を立てていた。

「燃?・・・全く・・・」

リンは呆れたようにため息をつくと燃に毛布をかけ、その小屋を出た。

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