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  作者: 水野 すいま
70/124

第70話 到着

山のようなところに入って約20分。

小さな山小屋が見えてきた。

「着きましたよ。」

山小屋の前で止まると燃がそう言った。

「『着きましたよ』ってこれただの山小屋じゃないのか?」

美穂を後ろに背負いながら、光太郎が言った。

「はい。山小屋ですけど、ここが一番修行に適しているのです。」

そう言って燃が山小屋のドアを開ける。

だいぶ使われていないのか、中は埃だらけであった。

燃は懐かしむような目で中を見回した。

「どうした?何かあったのか?」

入り口で止まっている燃を不審に思ったのか、光太郎が中を覗き込む。

「いえ・・・ちょっと色々ありまして・・・あ、どうぞ入ってください。」

そう言って燃は中に入り、道を開けた。

「入ってくださいって・・・お前こんな埃まみれのところに入れってか・・・?」

光太郎が文句を言う。

「やっぱり嫌ですか・・・?」

予測通りなのか、燃は苦笑いをしながら言った。

「嫌だな。」

きっぱりと光太郎が言う。

「分かりました。じゃあ、俺が掃除をしておきますんで光太郎さんはそこで待っていて下さい。」

燃はそう言うと小屋の中へ入っていった。

「あ・・・ああ。じゃお言葉に甘えてゆっくりしてる。」

光太郎はそう言って美穂を地面に寝かし、近くにあった手ごろな大きな石に座った。

「いてっ・・・」

その石に手をついた瞬間、石で手を切ってしまった。

「これ・・・自然に削れたものじゃねえな・・・」

その石に顔を近づけて観察をしながら光太郎が呟いた。

辺りを見回すと砕けた石、凪倒された木など、荒れ放題だ。


ー1時間後ー

「終わりましたよ。」

そう言って燃が小屋の中から顔を出した。

しかし返事はなく、代わりに大きないびきが聞こえた。

「はは・・・爆睡中か・・・」

二人は地面の上で気持ち良さそうに眠っていた。

「まあ、あれだけ歩けば無理もないか・・・」

そう言って燃は美穂を抱きかかえ、光太郎の腕を自分の肩に回して立ち上がらせた。

「今日ぐらい休ませてあげないとな・・・」

燃は苦笑いをしながら小屋の中へ入っていった。

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