第6話 狙撃
洋子はまたかと思いながらも死を覚悟した。
しかしまたもや痛みがこない。
熊を見ると熊の手が無くなっていた。
手がなくなり、怯んだ熊を健一がとどめを差した。
「あはは・・・また助けられちゃったね・・・」
洋子はそう言って健一を見た。
「いや、一発目は俺じゃない・・・俺は間に合わなかった。」
健一は窓を見ながら言った。
「え?じゃあ、誰が?」
洋子がそう言うと、健一が窓を指した。
窓には小さな穴があった。
「これって・・・?」
洋子はその穴を見ながら言った。
「ああ・・・おそらくライフルかなんか・・・いや、何かもっと特殊なもので狙ったんだろう・・・」
健一は目を閉じて言った。
「ふ〜ん・・・」
洋子は健一を見ながら言った。
「健一君はさっきから何してるの?」
洋子は先ほどからずっと目を閉じている健一を見て言った。
「ちょっと遠くまで見えるようにしたんだ。」
健一が目を開けるとその目は真っ赤になっていた。
「なっ!?健一君、その目・・・」
洋子は驚いていった。
「ああ・・・妖の目だ。数キロ先まで見える。」
「そ・・・それでどうするの?」
洋子は戸惑いながら聞いた。
「撃ったやつはおそらくあのビルから撃ったんだろう・・・だからあのビルの様子を見ている。」
「あのビルって・・・あれ?」
洋子はかなりと遠くの高いビルを指差していった。
「ああ、そうだ。」
健一は真面目にいった。
「まだ居る・・・ちょっと待ってろ・・・すぐに戻る。」
健一はそう言って窓から飛び降りた。
「ちょっ・・・健一君、ここ4階!!」
洋子は急いで窓の下を見た。
するとそこには大きな黒い翼を生やした健一が居た。
「あはは・・・健一君・・・何でもありだね。」
洋子は一人で苦笑いをした。