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  作者: 水野 すいま
48/124

第48話 俊平の話

説教の後、疲れのあまり三人ともすぐに寝てしまった。

だが、寝てから約2時間後の午前4時、苦しそうに燃が飛び起きた。

そしてそのまま洗面所に向かって走り出すと、そこで一気に血を吐き出した。

「げほっ、ごほっ・・・はあっ・・・はあっ・・・」

少し落ち着くと燃は苦しそうに息をした。

洗面台はあっという間に血の色に染まった。

「ふう・・・やっぱり酷くなってるか・・・」

落ち着いたところで燃はため息をつきながら言った。



「あ、そうだ。燃、兄貴がお前にちょっと話があるってよ。」

突然良平が思い出したようにそう言った。

「ん?ああ、分かった。丁度俺も話があったんだ。」

燃は振り返りながらそう言った。

修学旅行の自由時間に燃と良平は良平の兄、黒田俊平との待ち合わせ場所に向かった。

俊平は待ち合わせ場所の噴水の近くのベンチに腰をかけている。

良平はナンパしに行くなどと言って何処かに行ってしまった。

「やあ、燃君。普段はそういう顔してるんだ?随分さえない顔をしてるんだね。」

燃を見て俊平はそう言った。

「ああ、これは目立たないようにしているんですよ。それで、話って何ですか?」

倉田信吾の顔のことを言っていると燃は悟り、訳を話してから聞いた。

「いや、そっちからでいいよ。どうせい君も僕に話があってきたんでしょ?」

俊平はにこやかにそう言った。

「え?あ・・・まあ、そうですけど・・・」

戸惑いながら燃はそう言った。

「先に話すのはどうも苦手でね。君の話を聞いてから僕も話すことにするよ。まあ、とりあえずそんなところで突っ立ってないで座りなよ。」

俊平はベンチの脇を指で指しながら言った。

「じ・・・じゃあ、まず良平の能力についてですけど、あれは人間業じゃないですよね?気を使ってもあそこもで早くなるのは不可能です。あいつはどうやってあの能力を手に入れたんですか?」

「何でそんな事?本人に聞けばいいじゃないか。」

俊平が不思議そうに聞く。

「いや、本人には聞きにくいじゃないですか。何か暗いところがあったら悪いし・・・」

燃は焦りながら言う。

「ふ〜ん。まあいいや。良平の能力は僕が改造したものだ。」

しばらく燃の耳には何も入ってこなかった。

「え?」

しばらくしてようやくその一言だけ喋れた。

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