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  作者: 水野 すいま
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第16話 約束

「よお、・・・俺の助手に手を上げるのは感心しないな。」

リンと健一を切り裂くはずの爪は健一達の前に立っている荒木燃が手のひらで受け止めていた。

健一はとっさに洋子のほうを見た。

洋子は燃のことを驚いてみていた。

燃は洋子のところから健一達までの距離、つまり一瞬で10メートルほどの距離を詰めたのだ。

「とりあえず・・・消えてくれ!」

健一は燃がそう言った瞬間、燃の周りの空間が歪んだのを見た。

すると妖はそこから動かなくなり、体が分解されたように崩れた。

「い・・・今のは・・・」

灰のようになってしまった妖を見ながら健一は言った。

「大丈夫か?二人とも。」

燃は二人に近づきながら言った。

「健一君だっけ?君、かなり強いな。」

燃は健一の前にしゃがみこみながら言った。

「じ・・・じゃあ、話してくれるのか?」

健一は燃の顔を見るために仰向けになってから言った。

「ああ、しょうがないな。リンが倒されちゃったんじゃあ、話さない訳にはいかない。」

燃は立ち上がりながら言った。

「洋子!こいつの怪我、見てやってくれ。救急箱はここに置いとくからよろしく!」

燃は洋子に向かって叫んだ。

「う・・・うん!」

洋子は今、気づいたように言った。

「あ・・・荒木!」

健一は去ろうとした燃を呼び止めた。

「燃でいいよ。」

燃は振り向かずに言った。

「その方が呼びやすいだろ?」

燃は健一の方に振り向いていった。

「あ・・・ああ。じゃあ、燃。一つ頼みがあるんだが・・・」

「何だ?」

燃は健一の顔を見ながら言った。

「ちょっと手合わせをお願いできないかなあって・・・」

健一は笑いながら言った。

「手合せ?なんで?」

燃は不思議そうに聞いた。

「ああ、俺が見たところ、燃は相当強いと見た。だから、俺は燃と戦ってみたい。それだけだ。」

「それだったらリンが・・・」

「俺はあんたと戦いたいんだ、燃。」

健一は真剣なまなざしで言った。

燃は大きなため息をついた。

「だ・か・ら・俺は戦闘は嫌いなの。なるべく戦いたくないんだ。」

燃はそう言ってリンと所へ言った。

「1回ぐらい良いんじゃないの?戦ってあげても。あんまり無理しなければ良いんでしょ?」

リンは仰向けに転がったまま言った。

「リン・・・お前まで・・・」

燃は頭を抱えた。

「彼、なかなか強いよ?燃も強い人は好きでしょ?それに弱みも握られてることだし・・・」

「・・・・・・ああもう!分かったよ!戦えばいいんだろ?戦えば!」

燃は頭をかきむしりながら言った。

「サンキュ。」

健一は燃に向かっていった。

「でも、今は無理だろ?」

燃は思いついたように言った。

「ああ、だから明日にしてくれ。」

健一は仕方なさそうに言った。

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