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  作者: 水野 すいま
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第11話 わがまま

「しまった!学校行かねえと!そろそろ妖が出る!」

健一は洋子を地上に下ろして言った。

「私も行く!」

洋子は小さい子供みたいに言った。

「・・・・・・」

健一はじっと洋子を見た。

洋子もじっと健一を見ている。

「何でだ?妖が出るって言ってるんだぞ?」

健一は生やした翼をしまいながら言った。

「だって見たいんだもん。」

「駄目だ。」

健一は即答した。。

「何で?」

洋子は健一を見ながら言った。

「何でじゃねえよ。明らかに危険すぎるだろう?」

「大丈夫大丈夫。」

洋子は笑いながら言った。

「大丈夫じゃない!第一、俺は誰かを守る戦い方には慣れてねえ。」

「自分の身は自分で守れるから。」

洋子は自分の胸を叩いていった。

「明らかに無理だろう!」

健一もなかなか引かない。

このまま20分ほど論議した結果、健一が根負けした。

「いいか?絶対に俺から離れるなよ?」

「はーい。」

洋子はまるでピクニックへ行く前の子供のようだ。

「はあ・・・」

健一は呆れてため息をついた。

「夜の学校ってやっぱり恐いよね・・・」

洋子は真っ暗な廊下を見ていった。

「じゃあ、帰るか?」

健一はにやりと笑いながら言った。

「やだ。絶対に帰らない。」

洋子は首を横に振りながら言った。

「あっそ・・・」

健一はそう言って歩き出した・・・と思ったら健一は足をとめた。

「どうしたの?」

洋子は不思議そうに聞いた。

「妖が居る。」

健一はずっと前を見据えている。

洋子は健一の横から前を見てみた。

そこには真っ黒なフードをかぶり、骸骨の顔をして、手には大きな鎌という、まさに死神のような格好をした妖が居た。

「し・・・死神!?」

洋子は驚いていった。

「馬鹿!声がでけえ!」

健一も叫んだ。

「健一君のほうがおっきいよ!」

洋子はまた叫んだ。

「だから静かに!って、あ・・・」

健一が前を見ると死神は目の前まで来ていた。

その死神は手に持っている大鎌を健一目掛けて横凪に振るった。

「っと!」

健一は左手を刀にし、受け止めた。

「逃げろ!」

健一は洋子に向かって叫んだ。

「ごめん・・・腰が抜けちゃった・・・」

洋子は本当に腰が抜けているようで、顔を赤らめながら言った。

「・・・くそっ!」

健一は刀にした左手で鎌を弾き、死神を5メートルほど吹き飛ばした。

健一は吹き飛ばした後、すぐに右手を弓の形にし、左手を矢の形にした。

「食らえ!」

健一はそう言って矢を引き絞り、放った。

死神はその矢を鎌で弾いた。

「くそっ!こいつ強え!」

死神は健一目掛けて無数の小さい鎌を投げつけた

「くっ・・・」

健一は右手を盾に変え、鎌を防いだ。

しかし全ては防ぎきれず、一つ洋子の方へ向かっていった。

「しまった!」

健一は死神による鎌の振り下ろしを防ぎながら言った。

洋子は目を瞑った。

ザシュッという音がして顔に暖かい液体がかかった。

洋子は目を開けてみると、目の前に洋子に背を向けている倉田信吾の姿があった。

「倉田!?」

健一は驚き、声をあげた。

信吾は洋子のほうに振り返り、洋子を抱きかかえ、健一が戦っている方と逆の方向へ走り出した。

「倉田君、うでが・・・」

信吾の腕には鎌が刺さり、刃は貫通して血が滴り落ちていた。

「大丈夫。まあ、痛いけどね・・・」

信吾は走りながら言った。

「とりあえず安全なところまで逃げるよ?」

信吾はそう言って走るスピードを速めた。

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