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アリアという少女

 アリアは思考に深く埋没する。単純な作業、繰り返す動作は、それだけ彼女の思索をシンプルに、余計なものを洗い流して必要なものだけを拾い上げさせる効果を持つ。

 彼女が常に考えるのは『今、自分に一体何ができるのか』である。その思惟なくして彼女は今日まで生き永らえることはなかったし、それ以上に生来、とは言っても前世に当たる頃なのだが、その頃からずっと染み付いている癖のようなものだからだ。


 アリアはまず状況を整理する。

 公爵家に奴隷として買われ早一月。そろそろ要領の良い者には仕事が与えられ始めている。アリアもまたその要領の良い側に分類され、昨日ようやくタコ部屋とでも呼ぶべき集団寝室から二人部屋へと移ることができた。

 仕事と同時に与えられる衣服。俗に言うメイド服と呼ぶにはあまりに質素なエプロンドレスを洗っている。与えられたエプロンドレスは二着であり、衛生面に殊更過敏な彼女は洗わず同じ服を着まわすということに言い知れない抵抗を感じたからだ。

 本来なら昨夜の内に洗い、今朝乾いた服を取り込みたかったのだが、環境の変化に身体が音を上げ結局寝入ってしまった。

 彼女はまだ幼い。この度召し取られた下女の中でも一際に幼いのだ。幼い少女の身体では体力が足りなかったということだろう。アリアは現在九歳になったばかりであり、街の商家へ丁稚奉公に出るにしても幼すぎる歳の頃である。この国での就労年齢は一般的に十二歳。奴隷という境遇を無視すれば、未だ家事の手伝いをするような年齢であった。

 目を覚ましたアリアは、脱ぎ散らかし、無造作に置かれたエプロンドレスを目にする。そして即座に昨夜のことを思い出した。遅れは早く取り返した方が良い。彼女は起きるなりそう考え、すぐさま洗濯を開始した。

 これが終われば定められた朝食の時刻まで自室で待機し、食事の後に今日からの仕事を言い渡されるだろう。内容は、間違いなく雑用の類である。掃除か、洗濯か、荷物運びか、さもなくば同じ使用人の衣服の修繕か。間違っても家人の側仕えなどが許されることはないだろう。彼女はあの集団寝室を抜け出して間もないのだから。もしそれがあるとすれば、間違いなく毒見の類である。


 手早く仕事をするためにまず何を頭に入れるか。館内の地図、細々としたこの家独自のルール、移動に適したルート、何より重要なのはこの屋敷で働く人々の中心人物の名前と顔だろうか。

 それと同時に彼女は昔のことを思い出し、同じように並べて考える。

 前世、彼女は雨宮(あまみや)隆司(りゅうじ)という男性であり、極平凡なサラリーマンであり、中流家庭を支える大黒柱であった。特筆すべき点は少々多趣味だったという程度だろうか。生前の生い立ちを掘り起こす。


 記憶が結ぶ映像には寒村の姿がある。年々若者は都会へと逃避し、老人ばかりが寄り合う寂れた村だ。その村で、彼もまた都会への夢を抱く。彼は今と同じように『今、自分に一体何ができるのか』を考えていた。

 少し記憶の再生が巻き戻る。場所は小学校だった。閉校しないのが不思議でならない程に児童が少なく、案の定彼が大学への進学を決めた頃には他の小学校への吸収合併が決まった母校である。

 思い出すのはその小学校に通う少女。彼女こそが彼に深い思索を癖付かせた原因であり、都会への夢を抱かせるに至る切欠であった。

 転校。

 その一言が彼の精神を大きく変える。

 少女は、小学校三年のそろそろ梅雨に入ろうかという頃に転校した。彼にとっては、青天の霹靂。それ以外の児童にとっては日々の生活を賑やかすイベントの一つだっただろうか? そして周囲の大人たちにとっては周知の事柄だった。

 引越しの前日、突如として教師から知らされる事実。恐らく生涯再会することのないだろう別れというものを、その日彼は初めて知った。

 別れは、雨降りの中で彼女に傘を渡したのだったか。

 思い返せばそれが彼の初恋であり、叶うはずなどなかった幼い恋であった。彼は再会を夢見て、いつしかその夢は都会に見る夢へと姿を変えていった。

 どうすれば再開できるだろう? どうすれば彼女が移り住んだ場所に行けるだろう? そんなことを考えながら『今、自分に一体何ができるのか』を自らに問い、その答えの通りに生きてきた。

 今の自分なら、一体どうするのが最適だったと考えるだろう?


 アリアは作業を終えたことを知覚し、即座に思考を破棄する。その中から有用な事柄だけを抽出し、頭の片隅へと焼き付けるのだ。

 特筆すべきはこの身体の体力の低さだろう。かといってトレーニングに注力するような余力も時間もない。そういう意味では、これは有用な情報などではない。体力不足の懸念だけを頭に焼付ける。

 次に取り出すのは今日任されると予想される仕事の数々とそれらへの対処。同時に最も収集すべき人間関係の情報への留意と、館内の間取りの記憶である。これは取り出しやすい場所を意識して頭に焼き付ける。

 より、効率的に。時間を上手く使い、余らせた時間で焼き付けたメモの中から優先度の高い事柄を処理していく。

 それが彼女にとって『今できる最大限の努力』であり、前世で刻み込まれたワーカホリックの気質なのだから。

「洗濯完了。ニウ、干すの手伝って」

 今すべき自分の仕事は半分終えたものとし、ルームメイトに残りの半分を受け渡すために声を掛ける。

 (もっと)も彼女は……。

「もうちょっと、寝させて」

 非常に怠惰であり、目を離せば自己の生活さえ(ないがし)ろにしかねない、生活能力的に見た場合の破綻者に他ならないのだが。

 しかし彼女とてタコ部屋から抜け出してきたのだ。能力が低い訳ではなく、やるかやらないかという選択でついつい楽な方に流れてしまう性質なのだろう。

 アリアは思う。先に済ませてしまった方が余程楽だというのに、と。しかし分かってはいても実行できるとは限らないのも人と言う生き物だと同時に考える。つまり、ルームメイトに投げかけるだけの言葉を持っていないということに思い至り、尻を叩くことにした。

「ダメ。早くしないと朝食の時間に遅れるよ? 起きないなら置いていくからね」

 ニウと呼ばれた少女はなめくじのような動きと緩慢さでのろのろとベッドから這い出した。頭頂部付近に付いた猫のような耳がアリアの起こす音に反応してぴくぴくと顔を向ける。アリアはそれを尻目に手早く自分の衣服を干しに出す。


 朝食の時間は、生前で言うところの午前七時頃だ。現在は陽が出てすぐの時刻。まだまだ時間自体には余裕がある。

 しかし、アリアはルームメイトの分の洗濯物まで面倒をみるつもりはない。ただでさえ体力に不安があるのだ。余計な体力など可能な限り使わない方が良い。

 洗濯物を干し、部屋の窓を開く。場所は公爵邸の敷地内、しかも彼女たちの部屋は三階である。街中より余程安全だ。相当に価値のある物でもなければ盗難の恐れなどない。

 かと言って庭に洗濯物を広げる、などという行動も躊躇(ためら)われる。ここは彼女の生まれた屋敷ではなく、今現在は単に間借りしているに過ぎない場所なのだから。景観を損なうなどと言い掛かりをつけられでもすれば目も当てられない。同じ理由で、窓から部屋の外に干すという選択肢も消える。

 一通り考え、することがないと判断して頭の中のメモを取り出す。体力の不足、こればかりはある程度身体の成長に任せなければならない部分もある。もし仮に、何の因果かで公爵のご息女にでも気に入られれば護衛としての訓練を受けられるかもしれない。だがそんな望みなど蜘蛛の糸よりも細いどころか、端から存在していないと思っていた方が良いだろう。


 次の項、魔術の訓練。これを思い出し、アリアはしまったと心中で悪態を吐いた。だが、もう遅い。慣れない環境と今朝のイレギュラーな仕事により油断した結果だ。既にルームメイトを起こしてしまっている。彼女はどうやら魔力の流れに敏感なのだ。彼女の横で魔術の訓練などできるはずもない。

 この世界には、魔術が存在する。

 そもそもこの世界は雨宮隆司が生まれ育った世界とは枝そのものが違う世界なのだ。世界とは世界樹の葉であり、基本法則は枝が決定付ける。

 雨宮隆司は魔術を含め超常現象と呼ばれる不可思議な現象とは隔絶された枝の世界から零れ落ち、魔術を初め物理的に否定したくなるような法則が支配する世界へと生まれ落ちた。

 そして生を受けたのは、実在するらしい神々に祝福された剣と魔法の世界である。

 この世界では、別段魔術を扱う事が悪しき事という訳ではない。むしろ、逆だ。魔術とは、魔力と呼ばれる対価により人ならざる者たちから力を借り受ける術に他ならない。魔術を扱えるというのは、その魔術を形にできる超常の存在と交わりが深いということ。つまり、彼らと意思をやりとりすることができる存在として重宝されるのだ。


 しかしアリアの場合は少し事情が異なる。彼女は奴隷である。とはいえ、この世界の奴隷は、最低限の権利が保障されている。生存権はもとより、財産権、人格権、部分的な社会権などが保障されているのだ。

 ただ、ここで問題になるのは自由権の乏しさである。より詳しく言うのなら、ある種当然ではあるが、職業選択の自由が存在しないのだ。

 魔術を扱える人間。それはこの世界において希少である。

 魔術を扱うためには満たさなければならない条件がいくつかある。

 まず、魔力が存在すること。これだけで三分の二の人間が脱落することになる。

 次に、魔術の源となる存在と意思を通わせられること。この才能を持つ人間は十人に一人と言われている。

 最後に、魔術を適切に使うための知識を有すること。これだけはある程度後から修得することもできる。ただし、魔術の使用に堪え得るだけの知識を獲得するための教育を受けるには多大な資金を必要とする。

 つまるところ、この世界で魔術を扱えるのは奇特な魔術師に師事する才能ある人材か、そうでなければたまたま条件に合致した貴族や豪商、有力者以外にありえないのだ。

 魔術とは強力な兵器ではあるものの、容易く使い手を増やせるものではない。

 そこに魔術を扱える奴隷が現れればどうなるか。想像に難くない。次々と戦場に宛がわれ、使い潰されるのが落ちだ。

 故に、アリアは魔術師の資質を隠さなければならない。


 アリアは所在をなくし、再度頭のメモを並べる。

 その中から選択したのは、読書。文化や技術の水準を知り、元の世界に存在しない知識を獲得するための手段であった。

 彼女は自らの数少ない私財から一冊の本を取り出す。製紙技術がなく、一定の規格で作成される紙が存在しないため印刷技術は存在しない。手書きで羊皮紙に綴られた言葉を拾う。


 本を読みながら、製紙の手順を思い描く。木から樹皮を剥ぎ、細かく砕く。熱を加えて木の繊維を取り出し、ゴミを取り除く。それを薄く延ばして、水分を抜く。

 さて、脱色はどうするのだったか? 表面を整えるなどしなければ繊維が筆に引っかかる結果にも繋がるだろう。それだけの凹凸(おうとつ)があれば、やはりそれも印刷には向かない。

 更に問題点として、羊皮紙と比較してあまりに低い保存性は無視できない。これを何とかしなければさして使い道もないまま埋もれてしまうことになりそうだ。利点の一つとして、型枠に画一された規格というものがある。だが、自分以外がそれをみて印刷など思いつくだろうか?

 いや、ありえまい。更に言えば、印刷技術の有用性すら認められないかもしれない。

 製紙技術と印刷技術が定着するまでの筋道が立てられず、思考を破棄する。確固とした成功のヴィジョンが浮かばない限り、情報の漏出などすべきではない。

 自分にとっての最大の武器は、生前の世界に溢れていたこの世界の何世代も先を行く技術の知識だけなのだから。


 アリアは考える。

 最低限の安全を確保するにはどうすれば良いのか、それを最大限の効率で成すためにはどうすれば良いのかを。

 アリアは考える。

 『今、自分に一体何ができるのか』を。

 アリアは考える。

 時折本のページを捲りながら。

 ただただ深く、アリアは考える。


「リアー、また本読んでるの?」

 思考を中断する。

 ルームメイトが洗濯物を干し終えたようだ。彼女は「まだ早いじゃん。もうちょっと寝させてよねー」と言いながら伸びをする。伸びで涙が滲み出たのか、手の甲で目を擦った。

「時間はお金より貴重なんだよ? ずっと寝てるなんてもったいない」

「私は寝てる時間が一番幸せだよ」

 早くに起こしたことを口外に非難するルームメイトの言葉、それをアリアは涼しい顔で受け流す。挙句、本を突きつけてこう言うのだ。

「朝起こしてって頼んだのはニウニの方じゃないか。二度寝したら起こさないからね。分かったら本でも読んでなよ」

 集団寝室でたまたま隣の寝具だった二人の間で、もはや定例となりつつある朝のやり取りであった。


 難しい顔で本を読み始めたニウニの姿を認め、アリアは再度思索へと潜ることにした。思考は、今開いている亜人と獣人に関する書物からテーマを拝借する。

 この世界には亜人、そして獣人と呼ばれる人種が存在する。

 亜人とは人の身体に人以外の動物の特徴を併せ持つ者。獣人とは人に似た身体を持つ獣の姿をした者である。

 目の前の少女、ニウニは猫の亜人であった。金髪と呼ぶにはくすんでいて、茶髪というには色素の薄い髪。それと同色の毛で覆われた耳を盗み見る。

 過去には人種に根ざす紛争も発生したようだが、現在は良好な関係を築きつつある。その要因は、共通の外敵が出現したことにあるだろう。


 魔物。そう呼ばれる生物について考える。

 魔物とは、異常発達した何らかの器官を保有する野生生物を指す総称である。多くの場合は通常の獣より大きく、凶暴になる程度でしかない。

 だが、一般的な人々からすればそれでも十分に脅威ではある。通常のトラと遭遇すればどうだろう? 恐らく多くの人は命の危機を感じる。そのトラが、通常の倍近いサイズなら? 原始的で精度の低い武器しかない状態では打ち滅ぼすことすら難しくなってしまうだろう。

 例外は、魔術くらいしか存在しない。ただし、魔術師とは貴重な存在だ。しかも魔物の討伐には危険が付き纏う。貴重な人材を、高々集落を一つ二つ救うために危険に晒すことなどできない。

 そこで槍玉に上がるのが亜人や獣人である。彼らは、一般的に人の倍以上の膂力を持っているとされる。その中でも戦士と呼ばれるような存在ともなれば、その身体能力はもはや人などと比較にならない。

 そして人が持つ製造技術を集めれば、彼らが発揮する戦闘能力は僅か十数人で大型の魔物の討伐を可能とするまでに至る。人であれば中隊規模の戦力を全滅を覚悟して投入しても上げられない成果を、彼らは分隊の規模で死傷者もなく上げることができる。

 圧倒的な戦力。しかし総戦力では亜人と獣人を足した状態でも人と拮抗していた。

 彼らの弱点は安定性を欠いた生活基盤にあったのだ。彼らは農業をせず、家畜を育てず、自生する植物を採り、野生の獣を捕らえて食糧にする。当然加工技術、特に製鉄技術に類するものなどほとんどなく、医学も(まじな)いめいたものしか存在しなかった。長期間の戦争など行えば、すぐさま人手不足による食糧難に襲われることになっていたのだ。

 そうして散発的に争っていた人と彼らの前に、魔物が現れた。

 彼らですら手を焼く厄介な存在など、人にどうこうできるものではなかった。そして互いに二面に向けた戦線を維持すれば、訪れるのは共倒れしかない。そう考えた人の側は即座に使者を出す。

 人は彼らに食糧と、武具、医療を提供することで協力を取り付けることに成功した。彼らの卓越した武力を、物資とサービスで買い付けたのだ。


 アリアは再びニウニに僅かばかりの視線を向け、すぐに本へと目を落とした。

 アリアは使用人の顔ぶれを思い出す。街での生活を嫌う者が多い獣人の姿はなかった。だが、亜人は多かったのではないか?

 この国の人口比率など知りようがない。ただ、奴隷商会へと送られる馬車から眺めた限りでは、多くとも亜人は総人口の二割に届くかどうかといった印象だった。

 アリアは僅かに嫌な想像が形を結ぼうとしているのを感じたが、構わず思索を進める。思い出す限り、使用人の約半数が亜人である。純粋な雇用としては明らかに不自然だ。選考基準のようなものが存在すると見て間違いないだろう。その目的は容易に想像がつく。

 戦力の獲得。

 そこでアリアは違和感を感じた。何故自分がここにいるのか? 人目に付くような場所では魔術など使っていない。まして、奴隷商会の中で魔術を使うなどという愚かな真似はするはずもない。そんなことをすれば、戦争奴隷として売ってくれと言っているようなものだ。それだけはなんとしても回避したかった。

 だが、もし外部から魔力の有無を計測する方法があったとすれば?

 ニウニは魔力の流れを感じ取っている。なら、魔力が流れるだけで起きる何らかの現象があると考えるべきだろう。それを計測できるのであれば、個人個人の保有する魔力を調べることも可能かもしれない。

 考えられない訳ではない。アリア自身、この世界の技術全てを知っている訳ではないと理解している。特に自分にそれがあるかどうかを比較的早い段階で認知したアリアにとって、それは興味の対象外だったのだ。

 では、自分は魔術師の資質をもつかもしれない存在としてこの家に買われたのだろうか?


 アリアは、魔力の計測方法などという単純な疑いすら抱かなかった自分自身の迂闊に眩暈を覚えた。

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