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魔法学校の後輩に堕とされそう  作者: ほかほかいろ
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私の手。



 私は月華ちゃんに告白した。恥ずかしくなって自分のベッドに向かおうとすると、月華ちゃんは私の手を握った。

「今日からまたお願いします。」私たちは付き合う事になった。良かった、凄く安心する。

「先輩今日一緒に寝ませんか?」

「う、うん……」

私は月華ちゃんに手を引かれベッドに入る。月華ちゃんの体温とかいい匂いとか心臓の音が聞こえるくらい、距離が近い。

「先輩が好きって、付き合おうって言ってくれるの待ってました。ずっと。」

「待たせてごめんね。でもちゃんと……好きだから。」

月華ちゃんにそっと抱き寄せられる。私も月華ちゃんの背中に手を伸ばし、ぎゅっと抱きしめる。




 ーー翌朝、私と先輩は付き合ったのだ、恋人になったのだ。「ちゃんと……好きだから。」私は、この感情を、好きって気持ちを行動に移した。先輩もそっと答えてくれる。

暗くて表情は見えないけど、私は先輩の心まで全部見えた気がした。




 そのまま朝を迎えた。私は先輩がまだ寝てるのをいい事に、そっと頭を撫でる。寝顔も可愛い。

 私は何とか理性を保てていた。先輩があんな近くて、あんなに可愛くて、でももっと近づきたい。好きだから。


先輩が起きてきた。

「おはよう。」

「おはようございます。先輩。」

先輩はなんだか照れくさそうで、周りをキョロキョロ見て、私と目が合うと、ボッと顔が赤くなる。

 本当に愛らしい。そんななのに距離は近くて、私の真横にくっついて、ご飯を食べ始める。

凄く幸せだった。




 月華ちゃんはなんだか普通だ。私は自分でも分かるくらい不自然なのに。私だけ意識してるのかなって不安にもなる。それなのに、近くで笑顔を向けられるだけで全部がどうでも良くなる。ささっと準備を済ませて、寮を出る。昨日はあんなに遠かったのに、今日は近すぎるくらいだ、手は接着剤でくっついているみたいに。いつもは歩くのが早いのに、今日はゆっくりだ。不思議に思い月華ちゃんを見ると、目が合う。焦ってお互い目を離す。手は離れない。




 授業はなぜか集中できていた。昨日はあんなに脱線してたのに。付き合えて安心したのか、私は調子が良かった。月華ちゃんのおかげだなーって。嬉しくなって笑う。



ーーお昼休みになった。三年生の教室の前なのになぜか月華ちゃんがいる。

「月華ちゃん……?」

「先輩とご飯食べにきました。」

わざわざ来てくれて、私は胸が高鳴った。

「ありがとね。行こうか。」


 あの2人なんだか距離近いね。東雲さんって一年生と仲良いんだね意外。こそこそと周りで話してる。耳が良いのか聞こえてしまったけど、恥ずかしくて付き合ってるなんて言えない。



「月華ちゃん、今日の日替わりデザート、みかんゼリーだよ!!」

「先輩好きですもんね。」

嬉々として月華ちゃんに報告したら、温かい目で見られた。なんだか恥ずかしい。


 私は早くゼリーが食べたくて、月華ちゃんに負けないくらい、早く食べ終わった。ゼリーうまぁ。ほっぺが落ちそうになる。絶妙な酸味がみかんの良さだよね。

「私のも食べますか?」

「えっ!いいの!」

「いいですよー。あーん。」あーんしてくる、なんて聞いてない。そっぽを向いたら。

「じゃあ私が食べちゃいますね。」パクッと食べてしまう。なんだか悲しい気持ちになるけど、月華ちゃんにも美味しいもの食べてもらいたいし、これで良かったんだと納得する。まぁ食べたかったけど。




 午後の授業も終わり、部活に向かう。部活の時はいつもテンションが高いが、今日はいつもよりもテンションが高い。教室を出たところで呼び止められた。

「陽奈、すまないが今日は部活休みだ。」

「えっなんでよ部長、今日木曜日だよ!!」

「柔道部が練習試合で、相手校の控え室として、訓練室を使うらしくてな。使用許可が取れなかった。」

「じゃあしょうがないか。」私はショックだったけど、諦めざる終えなかった。



 ガッカリしながら、私はトレーニングルームに向かった。模擬戦とかしたかった。とりあえず練習しよう。いつも通りのルーティーンを終わらせたら、月華ちゃんも来た。

「先輩やっぱここでしたか。」

「月華ちゃんも練習?」

「一緒に帰りたくて……」月華ちゃんは大胆だ、三年生の教室に来たり。私には真似できない。

「いいよ。帰ろっか。」

「せっかく来たので私も練習していきます。」

 消化不足だった私もその方が助かるので、一緒に練習する事にした。



「月華ちゃん。もっと手を伸ばして、姿勢崩れてる。」

「こうですかね?」

「うん。いい感じ。」

先輩は私の体に触り手の角度や姿勢を直す。なんだかドキドキして、上手くできない。

「月華ちゃん?」

「ご、ごめんなさい。ぼっーとしてて。」

「大丈夫だよ。そのままの姿勢でね。」

そう言って先輩も練習を始める。いつもみたいに魔力をぶつけるわけじゃないのか、先輩は目を閉じ集中している。



ーー今日の私は本当に調子がいいからできるかもしれない。手のひらに思い切り魔力を込め、イメージする。攻撃魔法を無詠唱で使う。やっぱできないか。手応えはあったんだけどな。


 何回も繰り返したが、何もできなかった。

「そろそろ帰ろっか。」

「はい!」嬉しそうに帰る準備をする。可愛い。

「先輩は今日は何の練習をしてたんですか?」

「無詠唱で攻撃魔法使いたいなって。難しいよ。」

「あーだから火花出してたんですね。」

「火花?そんなの出てた?」

「はい。気づいてないんですか?」

やった。やった。これで、まだできてはないけど、前に進めた。



「上手くいけば、大会前までに仕上げられるかも……」



 先輩は、目を輝かせてそう言った。何だか怖い、先輩がまた遠くなったきがして。いつもより歩くペースが早く、少し先を歩いてる。先輩はいつもなら隣を歩いてくれるのに、今は私が目に入っていないみたいだった。




 食堂で夕食を済ませ、寮に戻ってきた。月華ちゃんはさっきから、距離がある気がする。

「月華ちゃん?なんかあった?」心配で声をかける。

「大丈夫ですよ……」

 ほんとかな。何もないって否定はしてくれない。ちょうどお風呂が沸いた。

「月華ちゃん先はいる?それともまた一緒に入る?」

冗談混じりに言ってみる。

「はい……」

あ、あれ。気づいたら私はそのまま月華ちゃんとお風呂に入っていた。月華ちゃんはなんだかしょんぼりしたままで、なんだか気まずい。

「月華ちゃんがお風呂で告白してくれたよね。ちょっと前なのになんだか、凄く前に感じるよ。」

「そうですね。」

 また空返事だ。ちょっとくらい私を見てくれてもいいのに。


 結局そのままお風呂を終え、寝る準備を済ませた。月華ちゃんは、自分のベッドに腰をかけていた。私を見て欲しくて、色々考えて、頬にキスをした。

「おやすみ。」なんだかとっても恥ずかしい。穴があったら入りたいよ。


「先輩。大好きです。」なんだか寂しそうに月華ちゃんが言う。なんだか放っておかなくて。

「大丈夫だよ。私はずっといるから。」

暗くて表情が見えないけど、安心させたい一心だった。

「今日も一緒に寝よ?」

そう言って月華ちゃんのベッドに入る。

「先輩。」

「月華ちゃん……?え。え。」

 月華ちゃんは私の逃げ道を塞ぐように私に覆い被さる。これは流石に良くないんじゃ……。

「ひなちゃん大好き」私は体が動かなくなる。

月華ちゃんは体を寄せてくる。

このままだと、まずい。分かっているのに。

手は、動かない。扉も遠く感じる。月華ちゃんはものすごく近い。

 月華ちゃんなら、大丈夫。漠然とした何かがそこにあった。


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