変化と確信
【side ナナ】
「ナナ様、恵みの里を北東に十キロほど進んだ地点にて、黒い魔物が出現致しました!」
「よし、それなら手はず通り皆で攻め立てるのです! 狼の居ない者はアマゾネスと一緒に向かいましょう!」
魔物が減ったという情報が出るようになってから二日ほどが経ち、ようやくお目当ての魔物達が現れたのです。
「お姉様、行くのですよ!」
「――ああ! 行こう、ナナ!」
私はお姉様の手を取りながら外へ出て、愛狼のシェンへと騎乗します。
鞍を軽く蹴ると、シェンはそのまま風のように森の中を駆け始めました。
少し離れたところには私達についてきている戦士の皆がついてきてくれる。
そして隣には、同じく愛狼にまたがるニーナ姉様が並んで駆けてくれている。
この光景を二年前の私に言っても、きっと信じてはもらえないに違いないのです。
私がずっと欲しくて、それでも手に入らなかったもの。
これを守るためなら、私はいくらでも頑張れるのです。
私達を姉妹に戻してくれたヴァルのためになら、ナナはどこまでだってやれるのです。
全力疾走で駆けていくと、少し離れたところに敵が見えてきました。
種族自体はこの辺りと変わらないですが、ヴァルが言っていた通りその体は真っ黒なのです。
私達を甚振って楽しもうとする外道の企みなど……このナナが打ち破ってやるのですよ!
「皆、この二年間の……私達が頑張ってきたその成果を、今ここで見せるのです!」
「「「おおおおおおおおおっっ!!」」」
先頭に立って狼に騎乗したまま敵に切り込み、そのまま腰に提げているマチェーテを振るう。
スパッと綺麗にトライサーペントの首が別れ、その場に崩れ落ちた。
あまりにもあっけなくて、思わず隣を見る。
するとどうやらお姉様も同じ事を思ったようで、二体三体と魔物をばっさばっさと切り倒してから、首を傾げていた。
「思っていたよりも、全然強くないな」
「……ですね。どうやら私達は、強くなりすぎたみたいなのです!」
辺りにいる獣人達の様子を見れば、皆が一対多でも問題なく魔物を殲滅することができていた。
だが少し考えてみれば、それも当たり前のことなのかもしれません。
何せヴァルの指導のおかげで、今では私達はほとんど全員がマーメイドの皆さんと一緒に海底で魔物を狩れるようになるまでレベルを上げ、強くなったのですから。
たとえゲス魔族に強化されたといっても、ダート大森林の魔物であれば問題なく倒せるのです!
とりあえず一度魔物の討伐が終わったら、一度ヴァルのと合流する予定なのですが……この調子なら……すぐにでも向かえるはずなのです!
待っていてくださいね、ヴァル!




