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二人来ました。


……デカイ。

とにかくデカイ。

身長2メートルはいってそう。

しかも筋肉モリモリだわ。

かといってボディビルダーほどの太さはない。

実用的って感じ?

この巨体がしかもわずかな物音だけで天井から……

こりゃプロだわ。

泥棒にしろ何にしろ素人の動きじゃないわ。

ん? 泥棒っていうよりも戦う人って感じだわ。


で、気がつけば俺の喉元には、キラリと光る剣が突きつけられていた。


「……状況の説明」


彼は俺に剣を向けたまま、看守の頰を叩いている奴に声をかけた。


「看守を尋問中」


おっと。

こいつ、やっぱり女かよ。

しかも声の感じからして若いな。


「おまえ、何者だ」


男は突きつけた剣をそのままに、俺にそう問いかけてきた。

いきなり殺されることはなさそうだ。


「そこの牢屋にいたものだ。たまたまチャンスがあったんで看守と入れ替わったばかりだ」


俺は床にあぐらをかく状態のままそう言って両手を上げ、手のひらを開き男に見せた。


「……」


男は無言で俺を見つめている。


「……っうっ!」


おっと、看守が目を覚ましたようだ。


「喋ったら殺す。わかったら頷け」


彼女は看守に馬乗り状態で大きめのナイフを相手の目の前でヒラヒラさせながらそう言った。


しばらく状況が飲み込めなかった看守は目だけキョロキョロさせていたが、状況を把握したのか小刻みに数回、頭を縦に動かした。


「お前はマルクだな」


相手は頷く。

へぇ……マルクって言うんだ、こいつ。

ちなみに俺ってなんて名前なんだろう。

知ったところでどうしようもないんだけど……自分の名前がわからないってのは不便だわ。

そう思った瞬間、頭の中にまたメニューのようなものが!

これは……ちょっとした備忘録……いやプロフィールって感じかね。

そこには……いろいろ書いてあった。

俺?いや、元のこの身体の持ち主の名前から年齢、生年月日、出身地、住所、使える魔法、所持金、所有物……隠し財産の場所まで書いてある。

こりゃ便利だね。

えっと、前の俺ってハンツ・ヴェルヘルム・ヘーゲルっていうんだ。

今年で……72!?


で? 今の俺は……え?……15歳? どゆこと?

この髭と髪の毛で? 測ったら20年分あったよ?

で、15歳?

辻褄が合わな過ぎっ!!!

……

おっと、馬乗りになってる女が何か言ってる。


「特別区画に行くための方法を教えろ」


マルクの目が大きく見開かれた。

……なんだろ特別区画って……

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