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勇者もいろいろ大変かも。

今回は召喚された勇者の話です。最後にちょっとだけグロゥスさん目線もあります。

勇者召喚の初日の展開です。

三畑が死体に憑依した瞬間、教会の地下では勇者5人が召喚されてました。

しかしこれは正式な召喚ではなかったのです。



【田島悠斗】


遂にきたー!!

オレがヒーローになる瞬間が!


子供の時から〝ヒーロー〟に憧れていたオレ。

でもただのヒーローじゃない。

オレが憧れてきたのは戦隊モノのリーダーだ。

これこそがオレの中のヒーローオブヒーローだ。

みんなを率い、みんなで戦い、それでもピンチになってもリーダーであるオレがみんなを助ける。

そういう状況が一番カッコいいと思って生きてきたんだ。

ヒーローひとりが戦って勝っても自己満足じゃないか?

みんなで協力し合い、高め合いそれでもやっぱりリーダーが一番ってのが最っ高にかっこいいじゃないか!


『勇者様、我々に力をお貸しください』


そう言われた瞬間、ピーンときたんだ!

転生モノ来たーーー!!!って!

オレは勇者のチートでみんなを率い、世界を救う大活躍をし栄光の光に包まれながら生きていく!


日本じゃオレはいっつも2番手3番手だった。


中学の学級委員の選挙じゃ2番目。

高校受験じゃ県内で3番目に難しい高校に受かった。

その高校の生徒会役員選では3番手で落選。

サッカー部ではサイドの点取り屋として全国に挑戦するも準決勝で敗退。

チームでも得点数は3番手だった。


なんでオレは1番手にはなれないんだ?


1番になりたかった!

親も『なんで1番になれない』と叱られた。

『努力が足りないんじゃないか?』とか

『集中力が足りない』とか

周りのみんなは言うけど、オレ自身、サボってる事なんてないと思ってるし、毎日努力してると思っている。


でも今日、オレの人生は上昇気流に乗ったんだ!

勇者イコールチートでしょ?

それにオレの努力と才能が加われば成功間違いなしじゃん!


ウッフッフ… 明日からきっと楽しいぞ。



【赤坂静香】


『勇者様、我々に力をお貸しください』


冗談でしょ?

いや、これは、噂の〝異世界転生〟ってヤツ?

…嘘。

……

いや、現実味がありすぎる。

夢…って感じでは…ない?

自分の服もさっきのままだし近くにいた身体の大きなジャージ姿の女性もいる。

と言うことは、明らかに私の周りの人たちだけこの場所に転移した…と考えるのが…いや、科学的にはあり得ない。

でも現実は、さっきまでバスに乗ってたはずなのに…今は見たことのない薄暗い建物の中にいる。

!!!

な、何? あのどデカいワニ…ワニではないが爬虫類っぽい頭だけの…

って! その目が動いてる!!

あれで生きてるっていうの?

信じられない!!

いや、だからこそ、異世界ってこと?

あぁ…頭がついて行かない。

とりあえずは彼らの言うことを聞こう。


『まずは異世界からの旅の疲れを落としていただくために食事と説明を兼ねた会を催させていただきますのでこちらへ』


派手でキラキラした神父みたいな格好の男がそう言ってにこやかに笑う。

あまり感じのいい笑顔ではないわ。

でも、ここから出るにも方法がわからない。

彼の言葉に従うしかないか。




【早乙女美憂】


……

何が起きたの?

ここは…?

い、いや、これから部活の練習が…あ…るの に


『まずは異世界からの旅の疲れを落としていただくために食事と説明を兼ねた会を催させていただきますのでこちらへ』


全然気付かなかった。

そう、私以外にも人がいる…

いつの間にか、そこにいた皆がその男の言葉を聞いて動き出した。

やっぱり私も一緒に行かないとダメっぽい、かも。



【斎藤莉美】


ちょ、ちょっとなにこの展開ぃーー!?

楽し過ぎなんですけどぉー!


『勇者様、我々に力をお貸しください』


来たぁぁぁぁー!!

絶対でしょ! これ!!

おっといけない。

こう言う場合は無闇に言葉を喋っちゃいけないだっけ。

下手な質問をして疑われちゃって知らないうちに…

マジそれは避けないとね。

いい子ちゃんぶるのは得意だしぃ。

うっふふふ…


『まずは異世界からの旅の疲れを落としていただくために食事と説明を兼ねた会を催させていただきますのでこちらへ』


さてさてどんな無理難題を押し付けられちゃうのかなぁー。

楽しみ楽しみっと。



【飯塚陽菜】


え?

何?

何が…


どうして…こんな…ところに……


『勇者様、我々に力をお貸しください』


ゆうしゃさま?

何?

なんのこと?

な、なんか外国人っぽい人がしゃべってるけど…なんで日本語に? 聞こえるの?

こ、これから大事な合同練習が…

大学3年になって初めて掴んだオリンピックへの…


『まずは異世界からの旅の疲れを落としていただくために食事と説明を兼ねた会を催させていただきますのでこちらへ』


あ、これは…確かマンガであったヤツっぽい。

なんであたし?

今?


無理。

返してほしい…


でも…こういうのって、帰れないんだよね。多分。



儂の魔力を糧に召喚された5人は、枢機卿に従い動いていく。

何やら5人とも混乱しとるようじゃったが当然じゃろうのう。

この儂でさえ戦いを挑まれ敗れた時は混乱したからのぉ。

混乱、か。

こんな気持ち、えらい久しぶりじゃのー。

なんか楽しくなってきおったわ。

さて

どうやってここから抜け出してやろうかのう。

そのうち誰ぞ戻ってくれば上手いこと言ってそこの魔晶石を片付けされよう。


くっふっふ。


ここ数百年、面白いことがなかったが…

此度のこの動き…

いろいろ起こりそうでワクワクするのう。


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