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長いトンネルを抜けると、そこは……


ただひたすらトンネル内をまっすぐに進んでいく。

天井までの高さは180センチくらいで、幅は1メートルってところか…

俺は普通に歩けるが、俺の前を進む王子と後ろのリックは背が高い上にガタイもいいのでちょっと厄介だろう。

首を横に曲げたり中腰になってみたりといろいろやっているようだが、大変そうだ。

あれ? そういえば先頭にあるあの光。

魔法の光の玉ってやつか?

メアさんの少し先にあり、メアさんが動く方へ自動で先行しているようだ。

うーん…すげぇ便利じゃん!

ただ、あの光に方向性を持たすことが出来れば、前方だけ照らしてもらい、こっちは眩しくないように出来るのになぁ。

……

それにしても長い。もう30分くらいは歩いているだろうか。


ところで、この穴、いったいどうやって掘ったんだろうか。

シャベルでコツコツ掘った感じはしないな。

当然、土魔法で「圧縮」と「成形」を連続して行使して掘り進めたんだろうな。

なかなか優秀なやつだね、これやった人。

ただ……どんだけ掛かったんだろう、これ。

でもまぁ、魔法ですから。

結構なスピードで出来上がったんでしょうね、きっと。

『……』

バッグ君は珍しく静か……そうね、この人たちの中に念話が聞こえる人、いるかもしれないってさっき言ってたしな。

念話って一対一で対話するのかと思ってたわ。

勉強勉強…


「止まって」


そんなことを考えながら進んでいると、先頭から声がかかった。

言われるままにその場に立ち止まる。


「ふぅ……」

「はぁ」


と同時に前後でため息が漏れる。

やっぱ結構疲れるよね。

こういう時だけ背が低いことに感謝するわ。

もっともこんな場面、そうそうないけどね。


「王子」


彼女が振り返りそう言って王子に顔を近づける。

俺は彼女のさらに前方に注意を向ける。

……

ん? あれ? なんか壁みたいなものがある?


「塞がってます」


塞がってる? トンネルが? ……マズイじゃないですか。

『まずい? 美味しくないってこと? それはマズイ!』

我慢の限界、短いねぇ……


敵の攻撃とか? 後ろから追っ手が迫ってる、とか?

みんなもそう感じ取ったようで緊張感が一気に溢れ出す。


……

しばらく息を殺して様子を窺っていたが、何も起こらなかった。


「来た時はちゃんと通れたのにな」

後ろでリックが当たり前のことを呟く。

と思ったら、前方の壁からなにやら魔法を行使したような感覚が……

攻撃? いや……なにかが通り過ぎたような感覚。

「な、なに?」

先頭のメアがちょっと慌てた感じでつぶやく。

「……なにかの魔法を行使したようだね」

前方で王子様がそう答える。

おぅ…イケメンで王子様で魔法も得意でいらっしゃるのですか?

はぁ、天は二物を与えずっていうけど、二物も三物も持ってる人って、いるところにはいるのね。


……

残念ながらいろいろな魔法が行使できるみたいな俺だが、転生した俺自身は魔法を行使した経験が少ない。

実質3回ほどだ。

なので感覚的なことは全くといっていいほどわからない。

が、彼女のいる場所のちょっと前の空間でなんらかの魔法が行使されているような感じはする。

なんとなく魔素が多くなったり動いたりしてるのがわかるのだ。

これは今の俺、というよりは前の俺、つまり死んだハンツの感覚なんだろうな。

ちょっと変な感じではあるが……


なんとなく発言しなくてはいけない空気を感じたんで

「魔法の種類は特定できないが、魔素の動きは感じます」

と適当に濁して言っておいた。

『てきとーーーー!』

おい、大丈夫なのか? そんなに喋って。

『大丈夫。大丈夫。さっき君が思った念話のやり方だけどさ。思い出したんだ! 特定の人とだけ念話をする方法!』

やるじゃん!

『へ、へーん! 今の念話は僕に触れている人限定の念話さ。だ、か、ら! もうだいじょーーーぶ!!!!』

それにしても、喋りすぎだわ。


「王子」


先頭の彼女が王子に問いかける。


「しばらく様子を見よう」


王子様の意見が出たところで小休止となりました。

さて、どうしましょう。

と思った途端、前方の魔素の動きがパタリと止んだ。


「静かになった」


彼女がそう呟いた。


「よし。君、前の塞がれた部分をど──」

王子が俺に向かって言葉をかけた途端


『何者じゃ』


「うっ!」

「くっ!!」

「うおっ!」

「うにゃ?」

『うげっ』


全員が一斉に声を上げる。


俺にも聞こえた。

頭の中に響く声。


「敵?」


先頭のメアはそう言い、キョロキョロと辺りを見回す。

目の前の王子も立膝のまま辺りを窺っている。

リックは……剣を抜いてる。

っておい……こんな狭いとこじゃ剣、振り回せないぞ?

それに、俺や王子に当たったらどうすんだよ。


『丁度良い。おまえら、儂に協力せい』


なにを言って、と思った瞬間、薄暗い部屋らしきところに移動させられていた。


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