長い廊下の先は白い部屋でした。
数百メートルほど行くと通路は右に直角に折れていた。
そこを曲がってまたうす暗い道を進む。
やがて正面に鉄の扉が一つ現れ、それを開けたとたん景色が一変した。
扉の向こうは明るい真っ白な空間だった。
8畳ほどの広さの空間に左側と正面に……小窓の付いた扉が2つづつ、合わせて4つあった。
そして右側には小窓のない大きい観音開きの扉が一つだけある。
彼女が左側の一番近い扉の前に立つ。
扉は上の方に鉄格子付きの小窓があり、右側の真ん中あたりには鍵穴とノブが付いている。
「……」
残念ながら彼女の背の高さでは小窓を覗くことが出来ない。
が、彼女はドアの周りをぐるりと見渡し、おもむろにジャンプした。
片足をドアノブにかけ、片手で鉄格子を掴むと小窓を覗き込んだ。
……おぉ…身軽っ!
「違う」
そう呟いた彼女はもう隣の扉に向かって動き出していた。
俺も目の前の小窓を覗いてみた。
おっと、俺の背だとギリギリだわ。
部屋の中には薄暗いが常夜灯のような灯りがあるため、様子は窺えた。
確かに……空っぽだ。
「空ですね」
そう言って横を向くも、もう彼女はいなかった。
すでに正面の壁にある3つ目の扉の小窓を覗き込んでいた。
「ん?」
目に見えて分かるほど彼女の背中がビクリと動いた。
素早い動作で下に降りた彼女は右手でドアノブを掴むとクリッと回して引いた……
が、ドアは動かなかった。
すると、パッと振り向き俺をジッと見つめてくる。
……
あ……また鍵を探せってことですね。
俺は辺りを見回して見た。
すると俺たちが入ってきた出入り口のある壁になにやらそれらしい小さな蓋(?)が貼り付いていた。
その小さな扉にあるツマミを捻り、手前に引いてみると、そこには5本の鍵があった。
その中の右から3番目の「3」と書かれた場所に下がっていた鍵を取り彼女に渡した。
残りの鍵はなんかの役に立つかもとポケットにしまった。
……ん? アラビア数字が使われてる……
なぜだ?
異世界でもアラビア数字?
……
うーん……前の転生者か何かが広めたのかな?
そういうことにしておこう……
カ チャ
早い!
渡したと思ったらもう鍵を開けドアノブを回していた。
うん。
ちゃんと鍵は外れたようだ。
彼女は取っ手を引いてドアを開けると音もなくスッと中に入っていった。
……
ここで閉められちゃったりしたら……とか考えないんだろうか。
信用されてるのか? 俺。
「王子!」
彼女の声が聞こえた。
……
かなり感情的になってるのがわかる。
でも、おーじ?
……
王子っていわゆる王様の子供ってことだよね。
んじゃなぜ王子様がこんなとこに?
やっべぇ……なるべく関わり合いにならない方が良さそうかも……
とはいえ、彼女らに着いていかないことにはここからの脱出は難しい。
う〜む…悩ましい。




