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そこは長い長い廊下でした。


「リック」


彼女がリック君を呼んだ。

すると死人のような顔をしたリック君が控え室にのっそりと入ってきた。


「鍵が見つかった」


……如実にリック君の顔色が明るさを増す。

「マジか?」


「彼のおかげ」

(リックが駄目すぎるけど……)


そういうと彼女は俺の手から鍵を受け取り、スッと鍵穴に仕込むとグリンと回した。


カチャン


軽い金属音がした。


壁を押すと内側に開いた。


「やはりリックより優秀」


「お役に立ててなにより」


「ぐぎぎ……」

俺の後ろでリック君が呻いている。


「リックはここで見張り。魔導師はついて来て」


あれ? さっき名前を言ったはずなのに……

俺の呼び名は魔導師ってことになったんだな。

「はいはい」


彼女の後に続き壁の向こうに進むとそこは長い廊下だった。

石の床に石の壁。

天井もやっぱり石だ。

……石、だよね。

壁を触ってみた。

……木ではない。

金属っぽくもない。

ってことは、石?

いや……コンクリートっぽい感じのキレイな直線の空間だ。

さっきいた場所よりも整えられていて現代っぽい…ていうのは変か。

俺がいた地球の建物の中っぽい。

そして、ドーンっと真っ直ぐに続く廊下。

見上げてみれば天井には丸い窪みが等間隔に奥に向かって並んでおり、そこからほんのりと光が漏れ出ている。

でも薄暗くしてあるせいか先が見えづらい。

さっきの場所より暗く感じる。

……わざとか?

目を凝らして先を見てみたが、すげー遠くてさっぱり見えない。

馬乗り女もドアを潜ってからはしばらくその場で立ち止まり、辺りを観察しているようだ。


「…ん」

(行くしかないか)


彼女がなにか呟いた。

そしてそのまま前へと歩き出した。

ついて来てと言われたので、俺は何も言わずにそのあとについていく。

……

ホコリっぽさは感じないが、長いこと使われていない感じはする。

……

当たり前のようにドアも窓もない、そんな長い廊下がただひたすら続いている。

そしてそれは緩やかに下っていた。

帰りが面倒そうだな、と俺は思いつつ、ズンズンと進む馬乗り女の後頭部を見つめながら歩き続けた。

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