95.過去の因縁~其ノ四~
==========第二部========
・過去の因縁の章:92話~
・潜入の章 :82話~
・New Face :75話~81話
・Who are you?:64話~74話
==========第一部========
・消失の章: 1話~12話
・悲哀の章:13話~26話
・裏切の章:27話~35話
・疑惑の章:36話~47話
・犠牲の章:48話~63話
ノア『タケシ様、私を見つけてくれてありがとうございます。』
タケシ『……誰?』
ジャンヌ『それでこのいたずらは解除してくれるの?』
ノア『このステーションのAIは私が上書きさせてもらいましたので、今後は私が管理します。タイムワープはもうできるようになっております。』
ジャンヌ『もう解散してもいいのかしら。子供たちは精神的に疲れたと思うから。』
ノア『好きにしてもらって結構です。でもジャンヌ様とタケシ様は残ってもらえませんか?』
ジャンヌ&タケシ『?』
ノア『タケオ様の………言伝…遺言があります。』
ゾーン『何!』
ジャンヌ『何ですって!……遺言…やっぱり死んだのね。』
ノア『はい、あなた方を助けるために犠牲になりました。』
ゾーン『俺も聞いてもいいか?』
ノア『構いません。聞くというより映像をお見せします。』
ロキ『俺もいいか。』
結局、大人全員+タケシが、その映像を見ることになった。
ジャンヌ、ゾーン、ジャックがTime Keeperとの話し合いに向かった日。
タケオはまだカプセルで眠っていた。しかし、しばらくして目覚めた。
タケオ『うーん、ここは?』
ノア『医療用カプセルです。瀕死でしたので脳の機能をほとんど停止して治療してました。』
タケオ『よく思い出せない。ジャンヌは?』
ノア『出かけております。』
タケオ『そうか。』カプセルから出てきた。
タケオ『あっ、鼻血。』と鼻からドバっと血が出た。
ノア『まだ完全に回復しておりません。』
タケオ『そうなのか………………それでも俺を起こす必要があったということか。ジャンヌのことか。』
ノア『私にとって重要なのは、タケオ様です。だから起こしたくはなかったのです。ですが、その場合、タケオ様は悲しい結果を知ることになる確率が高いのです。今、私の中で計算できないものが多くなってきています。一度リセットしないと間違いを犯すかもしれません。』
タケオ『ノアはそのままでいい。それが成長の証だ。で、ジャンヌに何があった?』
ノア『ジャンヌ様はゾーン様、ジャック様とともに敵対している組織との話し合いに向かわれました。』
タケオ『そうなのか。突然だな。あれ?ナンバー1は戻ってきたのか?』
ノア『はい。』
タケオ『敵の人数は不明なんだよな。BHB残ってたかな。』
ノア『違います。脅威はその者たちではありません。』
タケオ『ん?他の脅威?………………まだ、頭が働かん。』
ノア『Unknownです。それが三人を追いかけていきました。』
タケオ『Unknown?………ああ……なんだっけ?まあいいや。みんなのダイブ先は分かるのか。』
ノア『分かりませんが、Unknownの行き先は分かります。』
タケオ『じゃあ、とりあえずそこに行ってくれ。』
ノア『分かりました。あと念を押しておきますが、私には武器は搭載されておりませんので。』
タケオ『そうだったな。まあ出たとこ勝負だ。』
そしてUnknownに近づくノア。
タケオ『ウネウネしてるな。あれは髪の毛か。』と自身の髪の薄い頭を叩いた。
ノア『それはいわゆるブラックユーモアですね。』
タケオ『いや、違う。真面目な話だったんだが、禿親父が言うとそういう風に聞こえるのか!』
ノア『失言でした。』
タケオ『まあいいけどさ。傷ついたけど。ところでなんだかこっち側とあっち側の狭間で挟まっているようなんだが。』
ノア『三人を追いかけて向こうの世界に行こうとしたけど穴が小さくて挟まったのでは?』
タケオ『なら放っておけば、穴が閉じて真っ二つになるかも。』
ノア『ダイブするときの穴はそんなに大きくありません。Unknownの大きさは、511mあります。おそらく半分近く向こうに出ているでしょう。ということは、穴を自力で大きくしたと推測されます。』
タケオ『なら、向こうにいけば脅威になるからこっち側に引っ張るしかないな。よし引っ張れ。』
ノア『どうやって?』
タケオ『………フ~。武器は無いけど、クレーンのような牽引機能はあるだろ。』
ノア『ありますが、タケオ様が引っ掛けに行きますか。』
タケオ『うん、俺しかいないからな。』
ノア『気を付けて……誰か出てきました。』
タケオ『何!』
そこには、ダイブしたであろう人間がいた。フランクだった。だが、その男は触手に胸を貫かれた。
タケオ『!』
そして、その後、その男はUnknownの穴らしきところに触手を使って放り込んだ。
ノア『食事中です。』
タケオ『俺もああなるか。』
ノア『100%なります。』
タケオ『それなら押し出そう。引いてもダメなら押してみろ、だ。』
ノア『押してもダメなら引いてみろ、では?』
タケオ『臨機応変な対応が必要ということだ。この言葉を入れ替えたのもそうだ。』
ノア『勉強になりました。』
タケオ『よし、ノア、体当たりだ。押し出せ~!』
ノア『予想通りの命令ですね。それしかありません。了解しました。』
ノアがUnknownに体当たりをするために進み始めたが、急停止した。
タケオ『おっとっと。ん。あれは怪我をしてるのか。』
ノア『向こう側の部分がこっちに向いたようです。見たところ大怪我のようです。………外部に放射能反応があります。おそらく核ミサイルを使用したものと思われます。』
タケオ『マジか。でも死んでないんだような。』
ノア『生きていますが、ダメージが深刻そうです。』
タケオ『ここが勝負だな。』
ノアが再び進み始め、ぶつかった。そしてそのまま押し出そうとした。
タケオ『いけるか?』
ノア『抵抗はありますが、怪我のせいかさほど強くありません。もう少しで向こう側にでますが、穴が小さいです。私は向こう側に行けません。』
タケオ『ノア。いいと言うまでこの状態で待機。出たところの座標を知らせろ。Unknownが出たら、すぐに俺たちもダイブしてそのまま押しつぶそう。』
そう言ってタイムワープの装置をノアの各箇所に設置しに奔走した。
設置が終わり、戻ってきたタケオを見て
ノア『………。』
タケオ『言いたいことは分かってる。でもここは無理をしないとな。』鼻血が酷かった。そして時計を見て
タケオ『ダイブ20秒前だ。よし、押し出せ。』
次回は07/11 18:00 の予定
『過去の因縁~其ノ五~』 です。




