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89.潜入~マサムネとサクラ 中編~

==========第二部========

・かつての仲間(仮):92話~

・潜入の章 :82話~91話

・New Face :75話~81話

・Who are you?:64話~74話


==========第一部========

・消失の章: 1話~12話

・悲哀の章:13話~26話

・裏切の章:27話~35話

・疑惑の章:36話~47話

・犠牲の章:48話~63話


ローランド『あの2人うまくやってるかな。』

リリー『任務よりも2人での旅行がメインなんでしょ。慣れた日本だし大丈夫でしょ。』

マルコ『若いっていいもんだな。』

レオンハルト『マサムネには、できれば俺たち側には近づいて欲しくないな。今のままでいいんじゃないか。ゾーン。』

ゾーン『そうだな。戦いにおいて甘さがある。あれは治らんかもしれない。次期リーダーにと思っていたが、そこまでの器ではなさそうだ。』

麻希『それでいいんじゃない。』

レオンハルト『次期リーダーか。となると、あれか。』

ローランド『ああ。あいつしかいないだろう。』

ゾーン『それでいいだろう。マサムネとサクラにはいつか普通の生活に戻るよう説得するか、麻希。』

麻希『そうね。そうなればいいわね。』

レオンハルト『あの2人は、危機感が薄いからその方がいいだろう。2人とも自分たちが物語の主人公やヒロインのように思ってる節がある。そのせいか、任務失敗=死という概念が無いようだ。何度も言ってるんだが…。』

麻希『平和な日本生まれ&育ちのせいかしら?』

ゾーン『まあ説得は麻希に任せるよ。俺は交渉事は苦手なんだ。』

麻希『あなたには、そういうのは期待してないわ。』

ゾーン『………。』

ローランドとレオンハルトが無言で頷いていた。

リリー『それなら、薬を本格的に開発しないとね。』

全員『?』

リリー『妊娠可能になる薬よ。2人の未来のためにも必要でしょ。』

ローランド『できるのか?』

リリー『今は、不可よ。でもゼロではないと思ってる。身体的な問題ではないはずだから………。』

麻希『そうなればサクラが喜ぶわね。孫ねえ。』


桜と政宗が去った夕方の米倉製作所。

女性B『今日ももうすぐ終りね。もう来客はなさそうだし、早めに掃除しとくわ。』

女性A『そうね。予約もないし、大泉さん、お願いね。』

女性B=大泉が掃除と後片付けを始めた。しばらくして

大泉『あらっ、忘れ物?誰かしら?』

女性A『どうかした?』

大泉『忘れ物みたい。ノートよ。う~ん、どう考えてもあの娘よねえ。安川さん、どうしようかしら。』そう言いながら、ノートをパラパラとめくった。』

女性A=安川『この時代にノートねえ。』

大泉『本間部長に届けてくるわ。あとはお願いね。』

安川『ちょっと、突然どうしたの?』

男性A『なにを騒いでる?』

大泉『橋本課長。課長でもいいわ。いいところに。』と言いながらノートを渡す。

橋本課長『このノートは?』

安川『トイレを借りに来たカップルが忘れていったようなんです。でも、連絡先が分からないわ。トイレを借りに来ただけですし。』

大泉『そうね。橋本課長、中身がなんとなく重要なことが書かれているみたいなので、本間部長に見てもらおうかと思っていたのですが、課長の方が詳しそうですよね。』

ノートをパラパラめくる課長の顔色が変わっていた。

橋本課長『このノートを探しにきっと来るはずだ。その時は絶対に知らせるように。どんなに重大な会議や用事があってもこれを書いた人物に会わないといけない。分かったな。』

安川&大泉『分かりました。』

橋本【ありえない。だけど私と同じ考えだ。しかも問題点とおおよその解決案も書いてある。】

ノートには、発電胎バクテリアの商品化への問題点と解決案が書かれてあったのだった。


翌日の昼前、米倉製作所の守衛所。

桜『あの~。昨日ここに来たものですが、もしかしたらこちらにノートを忘れていってないでしょうか?』

守衛『ん?おお~!待っていたよ。君たちが来たら通してくれと言われてる。連絡しておくから昨日の受付のところまで行ってくれ。』

桜『分かりました。』と建物に向かって歩き出した。

政宗『ワザとか。』

桜『言ったでしょ、仕掛けたって。』と笑顔で応えた。

建物の扉を開けて入ると、そこには、橋本課長を初め、おそらく本間部長?、そしてHPで見た米倉社長も立っていた。

橋本課長『待っていたよ。探し物はこのノートでしょう。』

桜『はい、やっぱりここに忘れていってたんですね。』

橋本課長『謝らなければならないことがある。このノートの中身を見てしまった。』

桜『………そうですか。いえ、忘れた私がいけないので…。』

橋本課長『できればこのノートの内容について話をしたいのだが。』とノートを桜に渡しながら言った。

桜『話ですか。机上の空論だと思っていますし、御社とは関係のない内容かと思いますが。』

橋本課長『そうか、発表してないからな。うちも他の企業のように発電胎バクテリアの実用化の開発を進めているんだ。そして君のノートの内容が私が考えている方法に非常に類似したものなんだ。ここで話すのもなんだし、ちょうどお昼だ。一緒に昼食を食べないか。その後で話し合いをしよう。』

桜『政宗、どうする?一食浮きそうよ。』

政宗『!ああ、どうせ予定ないし、いいよ。』

桜『逆に助かります。その日暮らしをしているので。』

橋本課長『!決まりだな。社長、部長、よろしいですか。』

米倉社長『ああ、そうだな。好きなものをご馳走しよう。』

政宗『それなら肉…。』と言おうとしたら

桜『お任せします。』と遮られた。


昼食後の会議室。

橋本課長『なるほど、浸透圧か。だけどバランスが崩れると使い物にならないな。そうなると品質の問題が出てくるな。』

桜『その辺りが、頭の中だけでは解決できなくて、アイデアが出て来ないんです。』【本当は、答えを知ってるんだけど】

橋本課長『そういえば、君たちは、その日暮らしと言ってたな。よかったら、うちで働かないか。実際に実験してみて、我々と一緒に考えれば解決案が出るかもしれない。どうかな。』

桜『政宗、どうする?私はやってみたい!』

政宗『桜がそういうならいいけど、俺は何をしたらいい?』

桜『政宗は、SE系が得意でしょ。確認してほしいことがあるの。』

米倉社長『決まりだな。待遇の面は、善処するよ。住むところは、よかったらうちに来なさい。他の者も気にしてると思うのだが、その若さでその賢さなのにその日暮らしというのは訳ありなのかね。』

桜『ええ。訳ありです。でも隠すことではないので。駆け落ちです。私が彼に一目ぼれして、医学部を蹴ったんです。そのことで親と喧嘩してしまい家を出たんです。でも後悔はしてません。一生に一度の人生ですから。』この言葉は真実味があった。桜の今の気持ちなのだろう。


この日は、米倉社長宅でその家族に挨拶をして明日からの準備に当てたのだった。




次回は05/30 18:00 の予定


『潜入~マサムネとサクラ 後編~』 です。

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