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87.潜入~マサムネとマルコ 後編~

==========第二部========

・潜入の章 :82話~

・New Face :75話~81話

・Who are you?:64話~74話


==========第一部========

・消失の章: 1話~12話

・悲哀の章:13話~26話

・裏切の章:27話~35話

・疑惑の章:36話~47話

・犠牲の章:48話~63話


タコスを食べ終わった二人。

マルコ『俺は任務の前にゲン担ぎにこれを食べることにしてるんだ。』

マサムネ『そうだったんですね。』

マルコ『さて、扉は開かないか。まだセキュリティーが作動しているのか。』そう言うとクレジットカードのようなものを取り出し、それをロック解除の機能があると思われる部分に近づけた。扉が開いた。

マルコ『レオンハルトのこのカードは万能だね。』

自由に生きたいと言って出て行ったルーカスとマキシムがある日戻ってきて、トレジャーハンターになりたいからセキュリティー解除できるような万能アプリを作って欲しいとレオンハルトにお願いして作ったのがこのカードだった。このカードでほとんどのセキュリティーが無効となるのだ。それをマルコも貰ったのだった。

マサムネ『暗いな。灯りは無いのかな。』とサングラスを掛けた。

マルコもサングラスを掛ける。

殺人領主等でマサムネが掛けていたサングラスだ。今回は暗視モードで暗闇でも見えるようにした。暗闇でサングラスを掛けるという反対の行動だが、まあどうでもいいことだ。

マサムネ『人の気配はないですね。赤外線センサには反応無しですね。』

マルコ『そうだが、油断するな。』

2人は部屋という部屋を開けていった。

マルコ『特に目ぼしいものは無いな。セキュリティーが高そうだったのだが、案外ハズレだったかな。』

マサムネ『でもなんだかワクワクしますね。』

マルコ『そうだろ、そうだろ。さて、ここは扉が大きいな。食堂とか休憩所かもな。』と言ってロック解除して入った。

マサムネ『食堂とかではありませんでしたね。実験場?カプセルが一杯ありますね。』

マルコは無言で近づいて行った。『人体実験か。』

カプセルの中には、見たことのない生き物たちの死体が入っていた。

マサムネ『異種配合ですかね。』

マルコ『おそらく、それに近い実験だったんだろう。』

2人は歩きながら見て回り、あるカプセルの前で立ち止まった。割れており、中身がなかった。

マルコ『どう思う?』

マサムネ『元々空でたまたま割れたのか、それともここの研究員が取り出した後なのか、もう一つは、自ら出て行ったのか、ですかね。』

マルコ『最悪はどれだと思う?』

マサムネ『最後の自ら出て行った、ですね。』

マルコ『それなら、その最悪を想定して動こう。』

マサムネは頷いた。

その後、この部屋を見て回り、PCのようなもの前で立ち止まり、触ったが

マルコ『動かないか。レオンハルトを連れてこれば良かったな。データだけでも取り出せたかもしれないのにな。もうこの部屋には用は無いな。次に行こう。』

扉に向かって歩いていたが、不意にマルコがマサムネを突き飛ばす。不意を付かれたマサムネは倒れたがすぐに立ち上がり、『マルコさん?』と言おうとしたが、すぐに黙り戦闘態勢に入った。

マサムネが直前までいた場所に見たこともない獣がいたのだ。


ライオン?虎?黒豹?の頭を持つケルベロスというべきか、体はなんだろうか?筋肉質で3種の肉食獣のどれにも当てはまらない。何を掛け合わせたのだろう。しっぽは、お約束の蛇だ。それも3本?3匹といったほうがいいか。


マサムネ『マルコさん、大丈夫ですか。』小太刀を取り出し、左手はいつでも時空孔盾を発動させる準備をする。

マルコ『すばらしいな。』

マサムネ『えっ?』

マルコ『マサムネ。このキメラは凄いぞ。どの頭が主導権を握っているのかな。やはり真ん中のライオンか。いや意表をついて虎ということも考えられる。うーん、じつに興味深い。』

マサムネ『えーと、倒しますよね。』【まさか、生け捕りっていうんじゃ】

マルコ『ああ、他の部屋を見て回るには邪魔をするだろうし、殺るよ。うん、マサムネ、お前だけでやっつけてみろ。俺は他の部屋の探索に行くよ。』と言って瞬間移動で扉の向こうの通路に消えていった。

マサムネ『えっ?俺一人で?まじ?』とキメラと対峙した。

マサムネは改めてキメラを観察した。【体長は4mほどか。頭が異種の3つ。しっぽの蛇は見たことがない種類だ。これも異種配合された蛇とみる。間違いなく毒蛇だろう。体がよく分からない。肉食獣のものではない。どちらかと言えばゴリラに近いのかも。足は…。】

キメラが動いた。咬みつきに来たところを躱して天井に瞬間移動し、その後背中に飛び乗った。小太刀を突き刺す。10cm程刺さったが、全く意に介さずだった。逆に小太刀が抜けなくなった。瞬時に小太刀を手放して横に飛び降りた。マサムネのいた空間を蛇たちが襲い掛かったのだ。マサムネは、s-BHBを取り出した。

マサムネ『これならどうだ。』とキメラの体の真下に放り投げた。しかし、起動するまでの数秒。蛇がs-BHBに撒きついて体下から取り出し持ち上げたところで起動し、蛇が消失した。上方向にしか効果が無いので本体は無傷だ。

マサムネ『ちっ!しっぽだけかって、おいおい。』しっぽが生えてきた。蛇が復活、しかも5匹と増えた。

マサムネ『起動までのタイムラグが欠点だよな。おっと!』キメラが前脚で引っ掻きに来た。引っ掻きと咬みつきの怒涛の攻撃だった。それらをなんとか躱していたが

マサムネ『仕方がない。』そう言って反撃に出た。

キメラがバランスを崩した。左前脚を失ったのだ。時空孔盾で消滅させたのだった。

マサムネ『これで機動力を無くせ………まさか!脚もか。』しっぽに続いて脚も再生したのだった。


その頃、マルコは通路奥にいた。目の前には他と違う見るからに頑丈な扉があった。

マルコ『ここまでは、キメラ以外は何もなかったが、この奥は何かありそうだ。』と独り言を言いながらカードをかざした。

『ピッ!』という小さな音が鳴ったが、解錠されなかった。

マルコ『ん?』もう一度カードをかざした。

『ピッ!』という音だけで何も変化なしだった。


マサムネ『すごい再生能力だな。どうしようか。』と考えていると

キメラの6つの耳が何かに反応したかのようにピクッとした。そしてマサムネを無視して廊下に向かって走り出した。向かった先はマルコが歩いて行った方向だった。

マサムネ『やばっ!』と慌てて追いかけた。廊下に出て瞬間移動したが、限界距離の50m以上先を行っており追いつけなかった。


マルコは後ろを振り返った。キメラがこちらに走ってくるのが見えた。

マルコ『マサムネ、無事なのか?麻希に怒られるかな。』と嫌そうな顔をした。

キメラがマルコに飛び掛かった。マルコは冷静に対処した。身を屈めキメラの体下に入った。アーミーナイフを真ん中のライオンの喉に刺し、相手の突進を利用してそのまま胸に向かって切り裂いた。かなりのダメージを与えたのかしゃがみ込もうとして動きが鈍くなった。そのタイミングを逃さず腹のあたりにs-BHBを置いた。腹がs-BHBに乗っかるようになり、その後、キメラの腹がなくなり、動かなくなった。さすがに体や内臓の再生はできないようだった。

その光景を茫然と見つめるマサムネ。

マサムネ『俺が苦戦してた相手をあっさりと……父さんといいマルコさんといい…いやになるよ。』とつぶやいた。

マルコ『マサムネ、無事だったか。やられたのかと焦ったぞ。お前の母さんは怖いからなあ。』

マサムネ『一応、無傷です。』

マルコ『それなら良かった。これ以上は進めないみたいだ。レオンハルトを連れて来て直接解除してもらう必要がありそうだ。一旦、戻ろう。』

マサムネ『了~解。』そして『異種配合とキメラ…か。』と呟いた。

2人はみんなの待つ場所に戻ったのだった。


次回は05/16 18:00 の予定


『潜入~マサムネとサクラ 前編~』 です。

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