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85.潜入~ロキ 中編~

==========第二部========

・潜入の章 :82話~

・New Face :75話~81話

・Who are you?:64話~74話


==========第一部========

・消失の章: 1話~12話

・悲哀の章:13話~26話

・裏切の章:27話~35話

・疑惑の章:36話~47話

・犠牲の章:48話~63話


次の日

ローマンは、ドドラに施設内を案内してもらい、食事もいっしょに取った。

ローマン『建物の外を見て回りたいんだが、いいか?』

ドドラ『外?何もないけど。』

ローマン『あるだろ。地面が、木々が。』

ドドラ『まあ、そういうのはあるけど。今から?』

ローマン『今から。』

ドドラ『分かった。危険はないけど、念のために言っておくが、逃げても遭難するだけだから。』

ローマン『身の安全と衣食住が与えられてるのに逃げる理由はない。』

ドドラ『まあそうだな。』


ローマンとドドラ、ブライが建物の周りを歩いてた。ローマンとドドラが外に出ようとした時にブライに会って一緒に付いてきたのだった。

ブライ『何を見てるんだか。』

ドドラ『?』

ローマン『私にはここは未開の地なんだ。この土にどんな微生物がいるかワクワクしてるんだよ。』

ブライ『変人だな。』

ローマン『私にとっては賛辞の言葉だな。』

ブライ『………。』

ローマンたちは建物の周りを一周して戻った。

ドドラ『土は持っていかないんですか。』

ローマン『いつでも採取できるから今は不要だ。』


別の日

ローマン『いつから研究できるのかな。』

ドドラ『本部から人が来て許可が出てからだと思う。』

ローマン『いつ?』

ドドラ『さあ?』

ローマン『所長に聞いてみるか。』【下っ端のドドラには聞かされてないようだ】


フェラルド所長『本部?研究の許可?ああ、それか。博士のことを伝えるのに人は送ったのだが、なにぶん本部とは同じ時間を共有してないので人づてでしか連絡ができないんだよ。大体、数日で来ると思うぞ。それまではのんびりしてればいい。そうだ。我々組織の歴史を説明しようか。』

ローマン『それはありがたい。』


フェラルド所長とローマン博士が会議室へ移動した。なぜかドドラも付いてきた。

フェラルド所長『ドドラ、お前は聞く必要ないだろ。』

ドドラ『一応、聞いておこうと思って。再確認のためであって決して忘れたわけではありません。』

フェラルド所長『ドドラ………まあいい。しっかりと聞くようにな。我々は、元はクリムゾンフォレストと言って、環境破壊を続ける人間への対抗組織だったのだよ。』

ローマン『クリムゾンフォレスト………。』

フェラルド所長『博士のいた時代ではまだまだ小さい組織だったから知らないのも無理はない。ところがある日、神の使いが舞い降りたんだよ。それにより組織は分裂してしまってな。そして我々は新たにネオ・クリムゾンフォレストとして活動するようになったのだ。もっとも我々と別れた組織は無くなってしまったが。』

ローマン『神の使い?』

フェラルド所長『そうだ。タイムワープができる装置を持ってこの地に舞い降りたんだ。それを神の使いと言わずしてなんと言う!』

ローマン『その神の使いが本部にいる?』

フェラルド所長『いや、死んだ。正確には見つけた時にはもう死んでいたんだ。』

ローマン『その死体は?』

フェラルド所長『なぜ、その神の使いにこだわる?神の使いは死んだんだ。』訝しげに聞いた。

ローマン『………それは、………神の使いなら、もしかして未知の微生物を宿してないかと……。』

フェラルド所長『………なるほど。博士らしい研究心だ。残念だが火葬してしまいもう何も残ってない。』

ローマン『そうですか。残念【本当に残念だ】。ところで分裂したもう一つは無くなったと言ってましたが、無くなるのなら分裂しなくてもよかったのでは?』

フェラルド所長『我々が滅ぼした。』

ローマン『あ~なるほど。分かりました。【邪魔だったというわけだ】』

フェラルド所長『えーと、どこまで話したかな。そうだ。残念ながら、神の使いが持っていたタイムワープの装置も万全ではなかったのだ。実は、我々の世界は、平行世界が存在したのだ。すごい発見だぞ。別の世界にも自分がいるんだからな。だけど弊害もあった。装置の複製を作ったのはいいが、同じ世界に帰って来れずに大勢の仲間が行方不明になってしまった。おそらく無数の平行世界があってそっちに行ってしまい戻ってこれなくなったと見ている。神の使いは平行世界の全てに舞い降りたわけでは無かった。たった一つの世界、この世界に、つまり我々が選ばれたと言えるだろう。だから我々にアドバンテージがあると思った。そして本部の研究者の先見の明はすごかった。神の使いの装置を使うのではなく、手元において複製を使ったんだからな。万が一、オリジナルでタイムワープを試したら、その装置は失われただろうから。』

ローマン『ちっ、研究者らしい発想だな。』

フェラルド所長『???…うむ、まあ、正確には戻れる可能性はあるが、かなり低いだろう。平行世界の数は不明だから確率は導き出せない。だが、ある研究者がそれを解決してくれたのだ。』

ローマン『ほお、それは優れた研究者なんだろう。やっぱり、そういう実績を作ると本部のお偉いさんになるのか。会ってみたいもんだ。』

フェラルド所長『それは無理だ。』

ローマン『そうだろうな。私のような新参者にそんな凄い研究者が会えるわけないか。』

フェラルド所長『いや、そういうわけではない。もういないんだ。』

ローマン『まさか………用無しになったから……。』

フェラルド所長『いやいやいや、そうではない。突然居なくなったらしい。』

ローマン『居なくなった?タイムワープでもして逃げたのか。』

フェラルド所長『それはない。タイムベルトの数は限られており、その数は減っていなかった。もちろん、内緒で作ることは部品数も把握しており不可能だ。外に出た形跡もなく、いなくなった。本部では神の使いの逆鱗に触れたのでは?という者もいたらしい。』一息ついてドドラを見た。静かだと思ったら舟を漕いでいた。首を振り、やれやれという仕草をした。

ローマン『神の使いの仲間に攫われた?』

フェラルド所長『そうかもしれん。これがその人物だ。』モニターに顔が映された。

ローマン『彼が…。』ローマンの瞳が光った。

フェラルド所長『そうだ。名前は、キーリングという。』


そこに映されたのは、キーリング元教授だった。あの変態の。


次回は05/02 18:00の予定


『潜入~マサムネとマルコ 前編~』 です。


潜入とは違うけど、流れから潜入編に入れました。

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