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80.NEW FACE~Dr.リリー②~

==========第二部========

・New Face :75話~81話

・Who are you?:64話~74話


==========第一部========

・消失の章: 1話~12話

・悲哀の章:13話~26話

・裏切の章:27話~35話

・疑惑の章:36話~47話

・犠牲の章:48話~63話


ロキは、大まかに話をした。もちろんダイブのことや爆死はまだ話してはいない。

マリー『他の医者には任せられない事情があるみたいだけど、それは話してはもらえないのね。でもそれだと、私はここを離れるわけにはいかないわ。ここにはこんな無免許医の私でも必要としてくれる人々がいるのよ。』

ゾーンが一歩前に出ようとした。

ロキがそれを制止して

ロキ『分かりました。それでは定期的に見てもらうことはできないでしょうか?移動手段についてはこちらに任せていただければ問題ありません。』

マリー『はあ~。諦めなさそうね。少し考えさせてもらうわ。』

ロキはその言葉を聞いてお辞儀をして出て行った。ゾーンも。

ロキ『しばらくここに滞在しよう。爆発原因を取り除けばもっと好意的になるかもしれないしな。』

ゾーン『かりそめの命か。』

ロキ『薬を飲まなければな。』


次の日の朝方。まだ薄暗い。

ゾーンとロキが同時に起き、村から離れたところへ瞬間移動した。

村で爆発が発生したのだ。

ロキ『記録より早いぞ。爆撃ではないようだが。ゾーン?』

ゾーンは無言だった。その目は怒っていた。

ゾーン『一旦、戻ろう。』


レオンハルト『時期がズレていた?そうか。まあ死亡が確認された日と爆死した日が同じとは限らないからな。』

ロキ『なるほどな。』

レオンハルト『で、ゾーンは何を怒ってるんだ?』

ゾーン『やり直し可能とはいえ、任務を失敗した。外部からの侵入は無かったはずだ。』

ロキ『ああ、俺も分からなかった。となると予め爆弾が仕掛けられていたのか、内部にスパイがいるのか?』

ゾーン『視点を変えよう。マルコ、一緒に来てくれ。』

マルコ『分かった。』そこにはいつもの陽気なマルコはいなかった。



2度目のダイブ。

村から数km離れた場所に三人はいた。

ロキ『二人で大丈夫か?』

ゾーン『問題ない。お前の真似をして交渉すればいいんだろ。』

ロキ『まあ、そうだが、臨機応変さも必要だぞ。平行世界は、前回と全く同じとは限らないからな。』


そうなのだ。タイムリープのようなやり直しではない。任務を失敗すればそういう世界で進まなければならない人々がいるのだ。しかし、たった一つの世界での死は、平行世界の同じ人の死でもあるから結局無意味だし、少なくとも目の前での死を回避させる程度なのだ。


ゾーン『マルコは、捕まる役だ。手を出すなよ。できれば口もな。』

マルコ『分かってるよ。』

ゾーン『ロキも頼んだぞ。』

ロキ『ああ、こっちは任せとけ。』

ゾーン『行くぞ。』

ゾーンが交渉中に捕まったマルコがやってきた。この辺りは同じ展開だった。つまりこの平行世界でも明日の朝には爆発が起こる可能性が高いということだ。

食事後、

マリー『何をしてるんだい。』

マルコが建物内を調べ出したのだった。

ゾーン『盗聴器等がないか念のために調べてる。』

マリー『…そう、機関も私のような者に時間を割くほど暇じゃないだろ。みんな心配し過ぎなんだよ。』

リリー『先生、何を言ってるんですか。先生のお陰でここの人や遠方からも治療に来て、大勢の人を救っているんですよ。』

マリー『私だけの力ではないよ。リリー、お前の薬に対する研究心があるからこの地域でも治療ができるんだよ。本当ならお前の薬を学会で発表したら大金持ちになれるだろうに。』

リリー『先生、一つの成功の陰に大勢の治験者が必要なんですよ。幸い、ここには治験者が大勢いるから助かってますけどね。まあ、どの治験者も苦しんでいたけど、まあ死んでないからもっと強力な薬で実験してもいいのかしら…。』

マルコ【マッドサイエンティスト?】

ゾーン『………。』

マリー『さて話があるのよね。』

ゾーンはロキの真似をして説得した。答えは同じように保留となった。

その夜

マルコ『盗聴器も爆弾も無かったな。』

ゾーン『そうか。』

マルコは、武器マニアである。あらゆる時代の武器の情報を集め、試作してるのだ。

マルコ『起きて見張るか。』

ゾーン『それしかないな。』


だが、失敗した。爆発したのだった。

ゾーン『ロキ、何か見たか。』

ロキはライフルスコープで遠距離から観察していたのだ。

ロキ『いや、突然爆発した。怪しい人影も無かった。』

ゾーン『分かった。もういい、戻ろう。』


レオンハルト『また、失敗した?三人も行ったのにか。』

マルコ『事前に調べたが爆発物は無かった。』

ロキ『外部からの攻撃も動いた人影も無かった。ただ、爆発は数か所で同時だった。』

ローランドがゾーンを見た。ゾーンは頷いた。

ローランド『俺とゾーン、そしてロキでいこう。今度は原因が分かるはずだ。爆発回避はできないだろうけどな。』

ロキ『まさか…。』

レオンハルト『可能性としてはそれしかないか。胸糞悪いな。』

イゾウを除くメンバーはその可能性を悟ったようだ。


3度目のダイブ。今回は爆発の元を確かめるだけのダイブだ。当然、村の人々は死ぬだろう。

知らない人間が死ぬ、ただそれだけだ。

目的が医者から爆発の原因を探ることになっているのだが、2度の任務失敗がそうさせたのだった。

ロキとローランドが交渉に行って、ゾーンは銃を突きつけられるのを待った。

ロキ『あれ?』

ローランド『どうした?』

マリーに会うための交渉をする場所にリリーがいた。

ロキ『彼女は、ゾーンとともに登場するはずだった。』とローランドに小声で説明した。

ロキがマリーに会いたいと交渉しているところにゾーンが合流した。

村人に緊張が走る。

ローランド『仲間だ。…その、なんだ。彼は途中で腹が痛くなって置いてきたんだ。ほら、ガタイも大きいしいっぱい食べるから…まあ、俺たちもいない方がゆっくりコトを済ませることができると思って…。』我ながら嘘くさい言い訳だった。

リリー『紙とかは持ってたの?薬ならあるわよ。』

ゾーン『ノープロブレム。』と手を振って断った。

リリー『…手で拭いたの?…。まあ、ここならそれも有りだけどね。』

ゾーン『………。』


その夜

ローランド『すまん。』

ゾーン『ああ、別に気にしてない。』本当に気にしてないようだった。

ロキ『それよりもこの平行世界は過去のと違ってるな。明日の朝に爆発があるのか分からないぞ。』

ゾーン『時間直前に俺はあのマリーのところに行こう。』

ローランド『なら俺は適当に別の建物に行くさ。』

ロキ『念のために、俺は離れて観察しよう。』

過去2回の爆発時刻寸前でゾーンはマリーの建物にロキは別の建物に入った。その数秒後、爆発が起こった。


それを遠くから見ていたロキ『時間は変わらずか。…で、ローランド、どういうつもりだ。それは。』

ローランド『いや、成り行きで…。』

ローランドはリリーを抱えていた。

ゾーン『………。』



次回は03/28の予定


『New Face~Dr.リリー③+タケシ~』 です。

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