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77.NEW FACE~マサムネ~

==========第二部========

・New Face :75話~

・Who are you?:64話~74話


==========第一部========

・消失の章: 1話~12話

・悲哀の章:13話~26話

・裏切の章:27話~35話

・疑惑の章:36話~47話

・犠牲の章:48話~63話


ゾーンの目の前に会いたかった麻希がいた。但し、かなり疲れているようだった。髪はボサボサで服装もよれよれのジャージを着ていた。何があったのか?

ゾーン『麻希、何があっ…。』

麻希『入って。』と家に入った。

麻希『こっちよ。』

そこには、小さな小さな赤ちゃんが寝ていた。

ゾーンは、一目見て分かった。自分の子だと。

麻希『抱っこしてくれる?』

ゾーン『ああ。』危なっかしいが抱っこするゾーン。

ゾーン『小さいな。』

麻希『もうすぐ2ヶ月よ。名前は、マサムネ。この地の有名な人の名前よ。』

ゾーン『マサムネ。』涙を流すゾーン。

麻希『それで来た早々悪いけど、少し寝たいの。期待はしてないけどとりあえず見守ってて。』

ゾーン『世話したことがないからな。抱っこするぐらいしかできないけど。』

麻希『十分よ。ありがとう。』そう言って寝たのだった。

幸い、マサムネは初めて父親に抱っこされたのだが、気持ちよかったのか2時間ほど起きなかった。先に麻希のほうが起きたのだった。

麻希『まだ寝てる。すごい。』

ゾーン『いいもんだな。俺は子供が作りにくい状態になってるらしいから自分の子を持てるとは思ってなかった。』

麻希『それ、どういうこと?』

ゾーンは、その理由を説明した。

麻希『そう。すごい確率なのね。』

ゾーン『なあ、一緒に行かないか。』

麻希『そうね。この子が生まれてから考えてたんだけど、しばらくはこのまま育てたいの。そっちにいけば、もう他の選択肢は無くなると思うの。この子には、普通に生きることを選べるようにしておきたいの。そうね。せめて高校卒業まではここで生活させたいわ。』

ゾーン『…そうか。言ってることは分かる。高校卒業となると18歳か。……18年。』この時、ゾーンは18年後にダイブすればすぐだと思った。

ゾーン『麻希、俺はこの子、マサムネを強く育てたい。だからそのための教育はしてもいいか。ずーっとはいられないが、時々…定期的に…いや、頻繁に会いに来る。時間差で。』

麻希『あなたならそういう風に育てたいだろうと思ってた。男の子だしね。ということは了承したということね。18年後の私はあなたと一緒に行くわ。この子はどうするのかしらね。お腹は空いてる?何か作るわ。リクエストある?』

ゾーン『カツ丼とカツカレーが食べたい。』と即答した。

麻希『クスッ。そんなにすぐに言うくらい食べたかったの?』

ゾーン『俺が認めた奴が作ってくれると約束したんだが、それは叶わなくなったから…それでも食べたい。』

麻希『まあ、何か事情がありそうね。でも肝心のトンカツが無いわ。今から買いに行くにも遅いし…玉子丼とカレーライスではダメ?』

ゾーン『俺には、これがある。ちょっと待っててくれ。』とタイムベルトを指してから消えた。


その後、ゾーンは一旦戻った。そしてキーリングに抱きつき

ゾーン『心の友よ。』とある人物の名言を言ったのだった。

その場にいる者たちにマサムネのことを話した。そして現状も。

ローランド『トンカツはともかく聞いた感じ、まずは先立つものが必要だな。』

ゾーン『どうすればいい?』

ロキ『簡単だ。』そう言ってゾーンに説明した。

ゾーン『分かった。それなら簡単だ。』

ロキ『やりすぎると目立つから程々にな。』

レオンハルト『それはそうと誰も気づいていないのか?』

他のメンバー全員『何が?』

レオンハルト『その子供のことだよ。その子はおそらく………。』


ゾーンはトンカツを持って帰って、食事を満喫し、麻希と今後について話し合った。


幼児期:ゾーンは、基礎訓練を教えることはもちろん、入園卒園入学卒業式には必ず顔を出していた。当然、ゾーンは目立つので他の保護者がびっくりしたのだった。


小学生:マサムネはこのころから、家庭環境が特殊であることに気付き始めた。父親は、たまにしか帰って来ず、しかも軍人のようだ=カッコイイと思っていた。そして父のようになりたいと思い、ゾーンの教え通りに日々基礎訓練を欠かさず実施した。時々、友人と言って他の大人がやってきて色々教えてくれたりして、それも楽しかった。

小学2年生の頃に女の人がやってきた。母親は、とても再会を喜んでいた。とても綺麗な人だった。マサムネの初恋であった。

小学校を卒業した日に両親から衝撃的なことを打ち明けられた。信じられない内容だったが、ダイブして、それが真実であると分かった。そして6年後にこの世界に残るか父親と一緒に行くか決めたらいいと言われた。

マサムネ『タイムベルトがあったら一生働かなくていいかも。宝くじの番号とか分かるし。あー、そんなことには使わないけど。』

ゾーン『いや、なんで使わない?俺たちは使ってるぞ。』

マサムネ『えっ?』

麻希『話を聞いたでしょ。父さんは無職なのよ。私も働いていないわ。どうやって生活費を稼いでいると思う?』

マサムネ『えっ?まさかタイムベルトを使って宝くじ?そんなのはやってはいけないんじゃない?』

ゾーン『誰が決めた?使えるものは使う。それでいいんだ。』

麻希『マサムネ、あなたが私たちと一緒の道を選ばなくてもタイムベルトは渡すわ。だから好きにすればいいの。とにかくまだ時間はあるからゆっくり考えればいいわ。』


中学生:多感な時期だが、マサムネはタイムベルトで思いっきり楽しんだ。いろいろやらかしたが、その後始末は、ゾーン,ローランド,ロキがしていたのだが、未だにそのことを知らなかった。そして、中学卒業と同時に未来を決め、そして薬を飲んだのだった。


高校生:一応、普通の生活の最後の3年間。だから、高校では、最後の3年間を同級生たちとそういう付き合いをして別れるつもりだったのだ。そのはずだったのだ。彼女と会わなければ、彼女を助けなければ、サクラを好きにならなければ…。


マサムネ:父が薬を飲んだゾーンということが関係しているのだろう。彼は平行世界に存在しなかった。つまり、一つの世界のタイムライン上にしか存在しない特殊な人間だった。だから、ゾーンは平行世界の麻希に会っても、マサムネが居なかったのだった。






???『ゼス様、私にも任務を。』

ゼス『ボア。お前は他のものと違って、自制が効かない。衝動的に人を殺すだろう。時期を待て。お前に適任の仕事がある。』

ボア『それは例のイレギュラー絡みでしょうか。』

ゼス『そうだ。死の時期がズレてきている。おそらくイレギュラーが生まれたせいだろう。だが、今動けばお前も他のものたちも殺される可能性が高い。』

ボア『我々以上に強いものなど…。』

ゼス『ゾーンとローランド。この二人と対峙すれば苦戦するだろう。他の奴らもいる。人間を侮るな。二人を同時にあの場所から引き離すように餌は撒いてある。だから、待つのだ。』

ボア『…分かりました。』



次回は03/07の予定


『New Face~サクラ~』 です。

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