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71.Who are you?~研究者Part1~

==========第二部========

・Who are you?:64話~74話



==========第一部========

・消失の章: 1話~12話

・悲哀の章:13話~26話

・裏切の章:27話~35話

・疑惑の章:36話~47話

・犠牲の章:48話~63話


2070年大宮の某ファミレス。

ビジネスホテルでゆっくり疲れを取ったМは、ここでハンバーグ定食とステーキ、オムライスを食べて、食後のホットケーキと締めにフルーツパフェを食べていた。只でさえ容姿が目立つのに一人でこの量を食べて余計に注目を集めていたが、Мは気にしていなかった。どうせこの時代からいなくなるのだから。支払いのお金は、偽造キャッシュカードを使用してどの時代のどの銀行でもお金を下ろせるようになっている。偽造と分かる前にいなくなればいいから指名手配される心配は無かった。

М『フ~、食った食った。食べ過ぎると動きにくくなるから腹八分にしておくか。さて、次はどこに行こうかな。』と考えていたが、『高難易度のここにするか。』と呟いてテーブルにお金を置いて、トイレに行きダイブした。


2211年04月20日韓国。

М『見事に誰もいない。まさにゴーストタウンの国版だ。』

22世紀に入り、韓国はどの国からも相手にされなくなり企業が衰退し、政府が歩行税を導入することになった。その名の通り韓国の領地を歩けば歩いた分だけ税金を徴収する法案だ。当然国民はおろか国外の人々からも悪手と呼ばれ反対されたが、強硬施行された。そのために、国外から来る人はいなくなり、お金に余裕のある国民は国外に逃げ、お金の無い貧困層は、地下に逃げ生活するようになった。そのため、地上には政府関係者しかいなくなったのだった。

М『えーと、地下への入り口は……見つかって歩行税を取られるのも嫌だし……あのマンホールから行けるかな。』近くのマンホールに入っていった。サングラスを掛けて暗視モードにする。下水道特有の臭い匂いが鼻につく。

М『今から2か月後にバクテリアが発見されたことになっているが、噂ではその前から見つかっていたと言われてるから、それが本当なら今でも見つけられるはず。』


数時間後の地上。

Мは吐いていた。

М『無理だった。高難易度の意味が分かった。おエエエエエエ。』

М『食べたもの全部出してしまったな。それよりも服が臭いような…いや、確実に臭いぞ。』


1900年代のハワイで海にダイブして、匂いを取ることに専念した。

再び2070年、今度は仙台。

Мは、コインランドリーにいた。もちろん洗濯乾燥中なのだ。着替えの服は…瞬間移動でカジュアルショップから取ってきたものだ。

М『完全に失敗したな。あそこまで臭いがすごいとは思わなかった。いや、臭いだけでなく視覚からの嘔吐もあるから難攻不落なのは理解できた。だからそういう環境で育った発電胎バクテリアが他で繁殖できないのはそういうことか。確かにあの環境を再現できないぞ。韓国があの発見で世界一の国になるわけだ。』


近くの公園でコンビニで食べ物を買ってきて食べながら、右手を空中で動かしながら

М『どこに行くか。バクテリアつながりでバクタ―セルの開発者に接触するか。それとも国際刑務所のこの男に接触するか。刑務所のセキュリティーに挑むのも面白そうだな。………発電胎バクテリアではないけど、バクテリアと言えば…ローマン博士だな、この悲劇の博士に会いに行こう。』


2111年旧ロシア領のとある村。

その村から少し外れた森の中にМはダイブした。

М『最後に目撃されたのはこの近くの村だったという情報が残っていたが、それも本当かどうか。』

???『ねえ。』

Мは、咄嗟に声から距離を取り振り向いた。手には小太刀を持っていた。振り向きざまに攻撃しなかったのは、声が少女のように感じたからだった。そしてそれは当たりだった。【出現を見られたのか。消すか?誤魔化すか?】

少女『道に迷ったの? こんなところに人なんて数年に1人来ればいいのに。』

М『…ああ、人を探していて道に迷ってしまって。』少女の屈託のない笑顔での問いに、殺意を向けれなかった。

少女『お友達?』

М『いや…この近くに村とかあるかな。そこまで案内してくれないかな。』本当は村の位置は分かるのだが警戒されたくなかった。

少女『こっちよ。あっ、私は、アーラよ。まだ10歳だから変な気は起こさないでよ。』と手を差し出す。

М『М(エム)だ。ロリコンの趣味は無い。』と握手した。

アーラ『……ふーん。』しばらく握られた手はそのままにしていたが、『言っておくけど悲鳴を上げれば村の人たちがすぐに来るからね。』

М『ロリコンの趣味は無い。』念を押した。

アーラ『その言い方が気に入らない。ロリコンて。まあいいけど。』

М『………。』どうも苦手なタイプだ。


しばらく歩くと村に着いた。

村の男『よお、アーラ。そっちはボーイフレンドか。どこでひっかけてきたんだ。』

アーラ『おじさん、おばさんにあることないことないことないことを適当に言うわよ。』

村の男『あ……ごめんなさい。』

アーラ『よろしい。今回は大目に見るわ。』

М【怖っ、もう離れたほうがいいかも】

М『ありがとう。あとは自分で何とかするよ。』

アーラ『人を探してるんでしょ。情報収集したいならこっちよ。』

М『どこに連れて行くんだ。』

アーラ『あそこよ。』指さした先は、おそらく酒場だ。

М『なるほど、そういえばお腹も空いてきたし…お金無いや。』

アーラ『はあ?お金がないのにどうやって過ごすのよ。』

М『いや、他の国のお金なら持ってるんだが…ここら辺のお金は分からなくて。』日本のお金を見せた。実際にそうだった。ロシア崩壊後の通貨は分散された村というか集落ごとに違っていて用意できなかったのだ。

アーラ『そのお金に興味のある人がいればいいけどね。日本のお金よね。多分大丈夫だと思うわ。』二人は酒場に入っていった。

酒場のマスター『おや、アーラ。そっちはボーイフレンドか。なかなかいい男じゃないか。』

アーラ『おじさん、私にも選ぶ権利があるの。分・か・る?』睨みつけた。

М【選ぶ権利って、さりげなく見下されたような気がする】

アーラ『人を探してるんだって。ここなら知ってる人がいるかもしれないと思って連れてきたの。あとお腹が空いてるみたいだけどお金は日本のしか持ってないらしいわ。』

マスター『それなら払えるぞ。で、誰を探しているんだ。』

М『知ってればいいんだが、ローマン博士と言って…。』

その名を聞いた酒場にいた者たちが一斉に持っていた銃をМに向けた。


次回は01/25の予定


『Who are you?』

研究者の後編です。

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