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51.対峙

・消失の章:1~12話

消失という任務を実施する理由とは?

 その任務を遂行する各メンバーはどのような人物なのか?


・悲哀の章:13話~26話

 新たな仲間を探すダイブになっています。


・裏切りの章:27話~35話

 ステーションがメイン(Time Keeperの襲撃)


・疑惑の章:36話~47話

 ナンバー1vsディーン

 タケオvsドジル


・犠牲の章:48話~

 One for all, All for one

三人がダイブする約1時間前のとある時代。

テントの中に数人の人が集まっており、会議らしきことをしていた。

その中心にいた女性が席を立ち、話を遮った。

サニー『どうされましたか、アレクサンドラ様。』

アレクサンドラ『いけない!そのダイブは大勢の死を招く。なんとか知らせないと。』

サニー『!?。彼らのことですか。今は、こちらの議題に集中してください。それに、まだ、そこまで回復されていないのでは。仮に時間を無視した念話を使うとまた倒れてしまいます。こちらの状況も思わしくありませんので止めていただきたいのですが…。』

アレクサンドラ『それは………分かっています。ごめんなさい。会議を続けましょう。』【ジャック、なんとか生き残って!】

サニー『………。』【これ以上会議は無理のようですね。あと二年強しかないことを考えるとアレクサンドラ様の気持ちを優先させたほうがいいかもしれない。】



2609年11月11日Time Keeper本部~ハワイ~


三人はTime Keeperが設置していたG-Boxの誘導によって指定時間よりも前にダイブした。

三人の出現を見たTime Keeperのメンバーらしき男がどこかに連絡を取ったようだが、ナンバー1は無視することにした。しばらくすると知った顔の男が近づいてきた。元ナンバー3=チャンだった。

チャン『三人揃って来たのか。こっちだ。』三人は無言でチャンの後に付いて行く。もちろんいつでも戦えるように警戒は怠らないようにしていた。

チャン『ゾーン、怪我はもういいのか。ディーン神父とやり合ったと聞いたぞ。』

ナンバー1『ああ、もう大丈夫だ。なんならお前たち全員を相手にしてもいいくらいだ。』

ナンバー1の挑発を無視して歩いていく。【ジャンヌの雰囲気が違っている。何があった?】と感じたが、聞ける雰囲気ではなかった。

しばらく歩くと前方に車椅子に乗った頭巾を被った人物を中心に人々が集まっていた。

ナンバー1『久しぶりだな。怪我でもしたのか?』

ディーン『お前との戦いで無理をした。その代償がこれだ。よく来た。だが、一人いないようだが…。』

ナンバー2『そちらのせいで安静中よ。』

ディーン『そうか。それについては謝罪させてもらおう。部下を制御できなかった私の責任だ。すまなかった。安静中ということは命は助かったのだな。それなら良かった。』

ナンバー2『もういいわ。事情は聞いているわ。話し合いをしたいのよね。どんな内容なのかしら。』

ロキは表情を変えなかったが、目の前の女性はあの時の女性と同一人物ではないのでは?と思えるくらい雰囲気が違っているのを感じた。もう弱々しさは微塵も感じなかった。

ディーン『そうだな。場所を移動しよう。』

ナンバー1『いや、ここがいい。』敵の指示に従わない方がいいと判断した。今のところは。

ディーン『そうか。分かった。全員武装を解除しろ。武器は地面に置き、三歩下がり両手を前にして立ってろ。』Time Keeperのメンバー全員がその命令に従った。三歩下がらせたのは、ゾーンなら全員が動き出す前に対処できるであろう距離であり、両手を前に出させたのは、もちろん武器を隠し持っていないことの意思表示だった。

ナンバー1『ナンバー2、ナンバー4、我々も武器を置こう。』アーミーナイフを地面に置いた。ナンバー4もナイフを地面に置いた。ナンバー2は、拒否しようと思ったが、従うことにした。但し、剣を置いただけだった。持ってきたs-BHBはそのままだった。ナンバー1は、ナンバー2をジーっと見ていたが、BHBを取り出そうとしないのを見て、諦めたのか視線をディーンに戻した。

ディーン『君たちは、武装解除しなくてもいいんだぞ。こちらは私を含めて26名だ。5人死んだのでね。』

ナンバー2『それはご愁傷様。ところで気に入らないわね。話し合いならその頭巾を外してほしいわね。』

ローランド『おい。』

ディーン『ローランド、よせ。その言葉はごもっともだ。取るが、怪我で醜いから覚悟してほしい。』頭巾を取ろうとしたとき


ナンバー1が

ローランドが

チャンが

ロキが

上空の一点を見上げた。四人とも同じ方向だった。そして釣られて全員が空を見上げる。だが、青空しかない。この時代に鳥や虫は存在しないのだ。

ディーン『どうした。』

ローランド『気のせい…だったようです。』他の三人を見る。チャンとロキも同意見のようだ。ゾーンだけがまだ上を見ていた。しかし、数秒後

ナンバー1『何もないな。………だが、念のために武装しておいたほうがよさそうだ。お前たちを信じよう。お前たちも武装しておいたほうがいいかもな。』そういうとナンバー2とナンバー4に武器を取るように促した。

その言葉にディーンがもう一度上を向く。しばらくその状態でいたが、『何もないな。念のために全員武装して警戒を怠るな。但し、Time Breaker 三人には何があっても攻撃はするな。』もっと入念に何かあることを前提に探していたらもしかしたらディーンならその異変を見つけられたかもしれない。肉眼では見えない約500m上空の一点に開いた数ミリの穴を。

全員武装するのを待ってから

ディーン『さて、何から話そうか。やはりネモのことか。ゾーンよ。』それを聞いてゾーンは頷いた。

ディーン『その前に素顔を見せるんだったな。』そういうと頭巾を外した。

ナンバー2『ひっ!』

Time Keeper側にも動揺が走る。

ナンバー4『人間なのか。』

ナンバー1は、声こそ出さなかったが、さすがに表情が曇った。

ディーン『気が済んだかね。あまり、いいものではないだろう。できれば隠したいんだがいいかな。』

ナンバー2が無言で頷く。

ディーン『助かる。』ディーンの顔は右半分が無かった。いや、あるが右半分は人間のそれではなかったのだ。再び頭巾を被り

ディーン『事故で、右側を失ってしまった。右脳もな。なんとか一命を取り留めたが、そのために右半分は機械で補っている。当然体の一部にもな。ゾーン、これが稲妻を降らせる種明かしだよ。お前との戦闘でエネルギーを使い過ぎて今は歩くのもやっとなんだ。だから私だけは座って話させてもらうぞ。』

ナンバー2『ごめんなさい。その怪我はもしかしてネモ教授が関わっているね。』

ディーンは頷き『それも含めて話そう。ネモのことを。』


次回は9/07の予定


『ネモの軌跡』

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