47.タケオvsドジル
・消失の章:1~12話
消失という任務を実施する理由とは?
その任務を遂行する各メンバーはどのような人物なのか?
・悲哀の章:13話~26話
新たな仲間を探すダイブになっています。
・裏切りの章:27話~35話
ステーションがメイン(Time Keeperの襲撃)
・疑惑の章:36話~47話
ナンバー1vsディーン
タケオvsドジル
・犠牲の章:48話~
One for all, All for one
タケオ『じゃあ、行ってくるよ。』
ナンバー4『二人とも楽しんで来いよ。ナンバー2のその姿は初めて見たな。』
ナンバー2『似合うでしょ。』ワンピース姿を見せながら言った。
ナンバー2『もしかしたら今日、ナンバー1が帰ってくるかなあと思うけどフォローお願いね。』
ナンバー4『…分かった。なんとかするよ。』
二人は出て行った。
ナンバー4『ここに一人は初めてだな。』
ダイブしたナンバー2とタケオ。降り立った時、ふらついた。
タケオ『なんか、クラっときたなあ。ジャンヌ?』
ナンバー2は蒼白な顔をして前を見ていた。知ってる顔だった。
ナンバー2『どうして…。』
ドジル『久しぶりだな、タケオとジャンヌ・ダルクだけか。ダイブに対して俺たちと遭遇するかもという危機感が無いんだな。』
タケオは周りを見回した。ドーム?東京ドームか?なぜ、ここに?
タケオ『今、何年だ。ここは東京ドームで合ってるよな。』分からなければ聞けばいいと判断した。
ドジル『2020年の東京ドームだ。そうか。ダイブ先が違ってたので混乱してるな。』優越感からかご機嫌だった。そして、
ドジル『おい、タケオ。お前に会わせたい人間がここにいるぞ。』そういうとドジルの背後から首にナイフを当てられた子供が二人出てきた。
ドジル『お前の子供たちだ。離婚してから会ってないんだろ。最後に会わせてやろうと思ってな。俺は優しいんでな。』
ナンバー2『タケさんの子供………。』複雑な気持ちになりながらタケオの顔を見た。
タケオは、今の状況を考えていた。なぜ、2025年が2020年にダイブになったのか。場所は同じ東京だが、なぜ、指定場所ではなく東京ドームだったのか。周りを見回しながら考えていた。そして見つけた。ドジルたちの近くに置いてある小さな黒い箱を。無造作に置いてあるが、明らかにこの状況に違和感ありありの品物だった。
ドジル『おい、今度はだんまりか。感動過ぎて言葉が出ないのか。さあ、タケオ。お前に二者択一の問題を出してやろう。お前の子供を助けてほしければ仲間のジャンヌ・ダルクを殺せ。それとも子供を見殺しにして二人で逃げるか?さあ、選べ。』
ドジルの提案にナンバー2は、動揺した。タケオに子供か私のどちらかを選べと言っている。きっとタケオなら、赤の他人の私よりも血を分けた子供たちをえらぶだろう。タケオに殺される?ふと、アレクサンドラの言葉を思い出した。『裏切りを受け入れてください。』あれはこのことだったのか。てっきりナンバー3のことかと思っていた。今なら分かる。タケオに殺されるならそれでもいいと思った。だから
ナンバー2『タケさん、私のこと…。』(は気にしなくていい。子供たちを助けて)と言おうとしたのだが、タケオがナンバー2の方を向いて
タケオ『ジャンヌ。あいつらの近くに小さな黒い箱がある。あれを確保したい。あれが俺たちをここに誘導した装置だと思う。俺が隙を作るから、確保したらダイブして戻ってくれ。解析したい。あとあの五人以外に気配はあるか?』
ナンバー2『えっ?』予想外の言葉で茫然とした。
タケオ『おい、しっかりしろ。』
ナンバー2『……あと一人いるわ。あいつらの後ろのフェンスの向こうだと思う。』気配を探りタケオに教えた。
タケオ『フェンスの?…ということは銃かな。あ~、あのときの男かな。』ロキを思い出したらしい。
ドジルたちはホームベースのやや後ろ、対してこっちはセカンドベース付近。40m弱ならいけるか?と考えた。
ドジルは、ニヤニヤしながら待っていた。タケオは子供を置いてダイブして逃げないと思っていた。だから仲間を殺させ、子供の目の前でタケオを殺す。最高のシチュエーションだと思った。
タケオがドジルたちの方を向いた。そして
タケオ『やるぞ。ジャンヌ、頼む。』そういうと瞬きを3回してホームベースの方へ走り出した。(13秒)
ドジル『子供はどうなってもいいのか?』タケオがジャンヌ・ダルクを殺さずに向かってきたので思わず叫んだ。
タケオがピッチャーマウンドの手前で何かを取り出す。
ドジル『ロキ!』叫ぶと同時に銃声が鳴る。ロキがタケオの眉間を狙った。
タケオが頭を横に振り、マウンドから何かを投げた。ドジルが本能で危機を察知したのか後方に飛んだ。それはs-BHBだった。落ちた瞬間に子供たちとナイフを突きつけていた敵、合わせて4人が消失した。
ナンバー2は、こどもたちの消失を見て言葉を失った。タケオが自分の子供を殺したからだ。
ロキは、銃弾を躱されたことに驚き、追撃を忘れていた。疑念が確信になるためにもう一度狙うことにした。
ドジルは、理解不能だった。バレていたのか。どうしてバレたのか。瞬時に四人の仲間を失った。独断でここまですればもうディーン神父様に会うことはできないと思った。そうなのだ。仲間が認識阻害アイテムで子供の姿をしていたのだ。
タケオは、消失を見届けてから再び走り始めた。痛いロスだった。時間内にドジルには到達できそうになかった。子供たちは8割はニセモノと思ったので消失させた。2割の方が正解だったとしても真実は知らないから、ニセモノだと思うことにした。タケオはどうしてもドジルに一撃を食わせたかった。理由は、ジャンヌを辱めたからだった。付き合う前とはいえ、ノアの録画を見てドジルの行動は許せなかった。だから、このチャンスを逃すわけにはいかなかったのだ。
再び銃声が鳴った。タケオには飛んでくる銃弾が見えていた。こめかみに打ち込んだナノマシンのおかげで動体視力を大幅に上げていたのだ。しかし脳や目への負担を考えて13秒が限界で、タイムリミットが迫っていた。タケオは再び銃弾を躱した。それを見たロキは、何らかの方法で銃弾が見えてると判断した。元スナイパーの意地なのか、続けざまに銃を撃った。そのうちの一発をタケオが被弾した。左わき腹を貫通した。
タケオ『くそっ。イって~!トラウマになりそうだ。』よろけながらのドジルに向かう。動体視力を上げても身体能力は元のままなのだ。当然、躱すスピードが上がっていなので銃弾の速さについていけない。逆にじわじわ銃弾が体に食い込むのを見てしまったのだ。
ドジルは銃弾を躱すタケオを見て動けなかった。人間じゃないと感じていたが、被弾したのを見て、迎え撃つべくファイティングポーズを取った。右手にはナックルを嵌めている。嬲り殺すつもりだった。
タイムリミットを超えたせいか頭痛がひどいが、今解除したら負けると判断し動体視力を上げた状態で突っ走った。
ロキの位置からタケオがドジルに隠れて見えなくなった。ロキは迷っていた。ドジルの命令通りに殺そうとしたが、殺せなかった。ディーン神父様からは無傷で連れてくるようにとも言われている。ドジルの命令には十分に応えたから、もう手を出す必要はないと思ったが、やはり元スナイパーのプライドが失敗を許さなかった。もう一度狙いをつけ機会を伺った。
タケオは右手に棒のようなものを握っていた。それをドジルの胸めがけて突き出す。ドジルがナックルを嵌めた右パンチを繰り出した。タケオは感じた。自分の棒がドジルの胸に届く前にドジルのパンチの方が早いと。今、スイッチを押しても致命傷を与えられない。じゃあ、相手のパンチに耐えられるか。答えは否だ。確実に吹っ飛んで意識が飛ぶ。万事休すだと思った。
そのとき、ドジルの動きが一瞬ひるんだ。タケオは体勢を崩しながらドジルの左胸に棒を当てスイッチを入れた。
ドジル『ロキ~!裏切ったのか!タケ…。』あとは言葉にならなかった。
ロキは撃った。ドジルの右胸を貫通し、タケオの左胸も貫通させたのだ。
ドジルが凍っていった。そしてタケオが倒れた。タケオの握っていた棒はアイスバーの柄だった。刃にならないが
胸に当てた状態でONにすれば先端は鋭く伸びていく。タケオはそれを狙い、成功した。しかしその代償は大きかった。
ナンバー2『タケさん!』泣き叫びながら走ってきた。そして倒れたタケオを抱きかかえるナンバー2。左胸からの出血が酷い。目からも血が流れている。明らかに無理をしたのが分かる。
ナンバー2『どうして…。』
タケオ『奴は?』
ナンバー2『タケさん!あいつなら死んだわ。タケさんがやっつけたの。もうしゃべらないで。』動かしていいのか?こんな状態でダイブしたら死ぬかもしれない。どうしていいか分からなかった。
タケオ『泣いてるのか。お前を辱めたやつだからな。一発かましたかったからスッキリしたわ。ゴホッゴホッ。』血を吐いた。
ナンバー2『タケさん…。』顔を上げ、近づく足音の方を向き
ナンバー2『殺すなら私も一緒に殺しなさいよ。』近づいてくるロキに向かって言った。
次回は8/10の予定(仕事が忙しく時間が取れず、更新間隔が空いて申し訳ないです。)
『喪失感』
登場人物紹介
Time Breaker
・ネモ教授 :死亡(インド出身 本名ラマラガン)
・ナンバー1:50代前半 190cm ロシア出身 本名ゾーン・イワゾロフ
元ロシア軍シークレットNO部隊隊長。
・ナンバー2:22歳 160cm フランス出身 本名ジャンヌ・ダルク。
・ナンバー4:28歳 170cm55kg イギリス出身?通称ジャック・ザ・リッパー。
・ナンバー5:死亡(カナダ出身 グリズリー)
・ナンバー6:死亡(カナダ出身 グリズリー)
・ナンバー7:52歳 170cm78kg 日本出身バツイチ 本名馬場竹男。禿ている。
その他
・アレクサンドラ・ボーニッシュ:26歳 人の情報を知る能力持ち。ナンバー4と相思相愛。
・遠藤麻希:女子高生 ナンバー1を好き。
Time Breaker
・ディーン神父:リーダー 常に頭巾をかぶっているので素顔は不明。
・ドジル:Time Keeper実行部隊隊長
・ロキ:元殺し屋
・バイエン:死亡(元イスラエル暗殺部隊所属)
・チャン:Time Breakerのナンバー3。裏切る。
・ローランド:元イスラエル暗殺部隊隊長
・イゾウ:?
★★★ダイブ歴★★★
00XX年イエス=キリスト抹殺(未公開)
1582年06月21日京都
1765年10月28日カナダ森林でDBH
1867年12月10日京都
1893年06月15日ロンドンでDBH
1999年11月13日北京天安門広場でDBH失敗
1999年12月31日フランスでDBH
2016年05月某日富山に遭難
2020年東京ドーム(vsドジル)
2038年02月14日東京でDBH
2041年10月某日仙台
2044年04月01日最初のタイムトラベル
2050年08月某日東京でショッピング
2051年10月某日(未公開)
2056年01月22日ロシアでDBH
2067年08月30日ロシア(vsディーン)
2080年全人類ICチップ管理化(未公開)
2127年04月05日アフリカ大陸北部
2XXX年発電胎バクテリア発見(未公開)
2XXX年バクタ―セル製品化(未公開)
2275年KASAによる宇宙コロニー完成
2278年5月6日ドイツでバクタ―セル大量強奪
2XXX年人類滅亡(未公開)
260X年Time Keeper設立
3000年10月28日元カナダ森林に埋葬