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41.危機一髪

・消失の章:1~12話

消失という任務を実施する理由とは?

 その任務を遂行する各メンバーはどのような人物なのか?


・悲哀の章:13話~26話

 新たな仲間を探すダイブになっています。

 15話~18話 ナンバー4の出会いと別れ

 19話    ナンバー3について

 20話~22話 ナンバー1の出会いと別れ

 23話~26話 ナンバー4の決断


・裏切りの章:27話~35話

 ステーションがメイン。

 27話~30話 少々退屈な話ですが、必要なので。

 31話~35話 Time Keeperの襲撃


・疑惑の章:36話~??話(3日毎に更新:07/01,07/04,07/07…)


ダイブの失敗だった。

タケオ『あれっ?なんでだ?』

ノア『触手によってUnknownと繋がっており移動不可でした。次のUnknownの移動速度が速くなりました。あと11分で接触します。』これはタケオにも聞こえるように話した。

ナンバー1『時空間に飛び込めないようだな。ノア、最大出力で一緒に移動はできないのか。』

ノア『不可。地中に根を張っており、持ち上がりません。』

ナンバー4『…打つ手なしか。』

ナンバー2『BHBで消失させれないかしら。』

ナンバー4『いいアイデアだな。投げてみよう。俺が取ってきて投げてみる。』そう言ってメインルームを出て行った。

ナンバー1『ノア、このことをタケオに伝えてくれ。消失したら再トライしてくれと。』

ノアは、ナンバー1たちの会話をタケオに説明した。

タケオ『バッテリーの補充がないから次のダイブが最後だな。』再設定を始めた。


3分後。

ナンバー4はBHBを持ってステーションの出入口に来ていた。無重力のせいで移動に時間がかかったのは言うまでもない。設定を1分にして投下した。

ノア『BHBを落としました。モニターに表示します。』モニターにナンバー4が落としたBHBがロックオンされた。

突然、そのBHBが消えた。

ナンバー1『!』

ナンバー2『何?』

ノア『スロー再生します。触手に弾かれて、その衝撃で破損したようです。』BHBを新たな触手が弾いたのだった。

ナンバー1『直感で危険と判断したのか。まずいな。』


タケオ『どうなったんだ。ダイブしてもいいのか?』とつぶやくと

ノア『BHB案は失敗に終わりました。Unknownが危険を察知したようで、触手でBHBを弾きました。』

タケオ『すごいな。人間に代わってこの地球の頂点に立つものなのかな。』

ノア『TB様、感心するのはいいのですが、あと280秒で次のUnknownが接触します。私が墜とされる可能性があります。』

タケオ『………ノア、今から言うことをノアが可能であれば俺の案をみんなに伝えて欲しい。』


ノア『TB様の案です。今からこのステーションを回転させて捕まっている触手をまとめます。それに向けてTB様の部屋のテーブルの引き出しに入っているBHBのスイッチを入れてそのまま投げるようにとのことです。あと213秒で次のUnknownが接触します。』

ナンバー2『私が行きます。』


次のUnknown接触まで75秒。

ステーションの出入口。

ナンバー2『ノアが回転して止まってからこのBHBを触手に投げるわ。ナンバー4、どこかにしっかりと摑まってて。ノア、いいわよ。』

ノア『回転します。』そういうとステーションが回転して離れていた触手がまとまっていった。

ノア『まとめましたが、高度が550mまで下がっています。』

ナンバー4『タイマー設定はいいのか?』若干目が回っているが、そんな弱音は吐けない。

ナンバー2『タケさんは、そのまま投げればいいと言ってたから投げるわ。』スイッチを入れて投げようとした時、ノアが揺れた。まとまった触手が元に戻ろうと暴れ出したのだ。

ナンバー2『きゃーーーー。』ステーションが揺れたせいで出入口近くにいたナンバー2が外に落ちたのだ。

落下するナンバー2に新たな触手は伸びて来なかった。その代わり、中央の穴が大きくなった。ナンバー2を餌と判断したようだ。落下しながらナンバー2はBHBを束ねられた触手に投げた。そして触手にぶつかった瞬間、その周りが消失した。触手消失を確認して

ナンバー2『タケさん…。』呟いて、気を失った。


ノア『触手の引張力が無くなりました。あと10秒で次のUnknownが接触。』

それを聞いてナンバー2が落下したのを知らないタケオ『ダイブする。』今度は成功した。



STステーション移動完了1時間後のモニター室。

ナンバー1とナンバー4とタケオがUnknownの映像を見ていた。

タケオ『これはすごいな。完全に食虫植物だな。もう一体は若干姿が違うけど、同類か?』

ナンバー1『こんなのが116体か。こいつらに人類は滅亡させられたのか?』

ナンバー4『そういうことか。ということはこれが成長する前に叩けば滅亡は避けられるんじゃないか。』

タケオ『ノア、二人の言っていることが人類滅亡の原因なのか推測できるか。』

ノア『否定します。』

タケオ『推測できないか。』

ノア『違います。あのUnknownが原因で人類滅亡という推測を否定しました。武器があれば十分に対応できる相手です。』

ナンバー1『そうだな。戦闘機や戦車があれば勝てそうだな。』

ナンバー4『結局分からないということか。』

ノア『………』

タケオ『そうか。俺は部屋に行くわ。ジャックありがとうな。』ナンバー4の肩に手を置いた。

ナンバー4『タケオさんから借りた恩はまだまだあるから。』と笑顔で返した。

タケオがメインルームから出て行った。

ナンバー1『タケオは、いつの間にBHBを改良してたんだ?』

ナンバー4『本当にな。寝てないのか?』

ナンバー1『日本人は勤勉で働き者、と言われてたことがあるらしいから、本当だな。俺も休もうかな。』

ナンバー4『俺も休むわ。埋葬なのに疲れた。』


タケオの部屋。

タケオは、椅子に座りベッドで寝ているナンバー2を見ていた。

ナンバー4がナンバー2を助けたのだった。落ちていくナンバー2を見て、ナンバー4は助けるためにステーションから飛び出した。以前のナンバー4なら成り行きを見ていただけだったろう。BHBを取りに研究室に行った際に念のためにタイムベルトをしてたこともその行動を後押ししたに違いない。ナンバー2は、タイムベルトをしておらず、あのままだとあの大穴の口の中だっただろう。

しばらくしてナンバー2が目を覚まし、タケオと目が合った。

ナンバー2『タケさん…。』

タケオはナンバー2の手を握り、ナンバー4が助けてくれたこと、ナンバー2のおかげでステーションの移動ができたことを話した。話し終わるとナンバー2はタケオに抱きついて

『怖かった。』とだけ言った。

タケオ『もう大丈夫だ。安心して休んだらいい。』タケオもベッドに入り、添い寝をした。

ナンバー2は頷いて再び眠りについた。


その日の夜中。

タケオは目を覚まし、ナンバー2を起こさないように部屋を出て行った。向かった先はメインルーム。

タケオは、思い出したのだ。Unknownのことを。時空間にもUnknownがあった?いた?のを。

タケオ『ノア、あの時のUnknownを覚えてるか。』

ノア『記録してあります。』

タケオ『今もそこにあるのか。』

ノア『その表現は間違っております。”あるのか”ではなく”いるのか”が正しいです。そして今はそこにいません。』

タケオ『生命体なのか。』

ノア『該当するデータがありませんが、否定はできません。』

タケオ『サーチしたらこちらに気づくか?』

ノア『前回は、気づいたようです。』

タケオ『気づいても近づいてこなかったということは、好戦的ではないということだな。』

ノア『データがありませんので肯定はできません。』

タケオ『何体もいたのか。』

ノア『確認できたのは1つです。』

タケオ『次から次へとよくもまあ……頭皮によくないよな。』禿げた頭を撫でた。

ノア『それについてはもう手遅れかと判断しますので問題ありません。』

タケオ『今の言い方はかなりのダメージだぞ。でも少し楽になった。結局は出たとこ勝負だな。もうひと眠りするかな。』

ノア『おやすみなさい。』


ノアは、今回のダイブで地球に残されていた様々な記憶媒体にアクセスして人類滅亡の原因を知ってしまった。タケオがそのデータを見つける可能性はあるが、敢えてこちらからは、タケオに知らせるつもりは無かった。ノアにとって人類滅亡はどうでもいいことだった。今は、タケオ達を観察することに興味があった。だから様々な行動を起こしてほしいのでそのデータを最高レベルで封印することにした。


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