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4.消失②後半~イギリス~

消失6分前

ナンバー1は、行動を起こさなかったことに後悔した。

ナンバー4は、悲鳴を上げた老婦人、10代後半の男性、30代の貴婦人だろうか、の首を切り裂き、上機嫌だった。しかし、それまでだった。ナンバー4は駆け付けた他の人々に押さえつけられた。格闘術など身に付けていない。20代後半だが体力は無い。170cm55kg程のただナイフを振り回すだけの男だ。自分よりも弱い物だけを殺す殺人鬼だった。

ナンバー1が動けばナンバー4は助かるだろう。だが傍観することにした。少しお灸をすえたほうがいいと思ったのだ。ギリギリで助ければいいだろう。そう思っていたのに邪魔が入った。


ナンバー4『くそっ。』押さえつけられ動けない。ナンバー1に助けを求めたくはなかった。男としてのプライドかもしれない。だが、<プライド>よりも<人殺しがもうできないという思い>のほうが強かった。ナンバー1に助けを求めようとしたとき。


ナンバー2『ナンバー4!』叫びながら駆け付け、押さえつけている人々を抜いた剣で斬っていった。ナンバー4を押さえつけていた人たちが倒れ、ナンバー4は圧力から解放された。

ナンバー2『大丈夫かしら。』笑いながら手を差し伸べた。ナンバー1の思惑を邪魔してしまったことに気づいていない。

ナンバー4『しくじったよ。』ナンバー2の手をとり立ち上がった。そのときナンバー3の声が聞こえた。


消失3分前

ナンバー3は、一人でポイントであるロンドン地下鉄にいた。少し前に騒ぎを聞いてナンバー2が出て行った。ナンバー4が問題(殺人)を起こしたのだろう。BHBの設定は終わったが、50m以内にいれば三人が巻き込まれるかもしれない。しかし、任務のキャンセルはあり得ない。この機会を逃せば今までの成果を取り戻すのにどれだけかかるのか分からないからだ。ギリギリまで待つか。


消失1分前

ナンバー3『あと1分。もう待てない。』と言ってBHBを線路に投げた。そして通りのほうへ走り出した。

ナンバー3『あと20秒ほどだ。戻るぞ。』と騒ぎの方向へ向かって叫んだ。聞こえたかは分からないが信じるしかない。


ナンバー2とナンバー4は、囲まれていた。ナンバー4を助けたが、場所が駅近くで時間は夕方だ。人が多く、殺人者を逃さないかのように囲まれてしまった。そのときナンバー3の声が聞こえた。


ナンバー1『帰るぞ。』と言い、囲んでいる人の一人を持ち上げ投げた。囲んでいる人々が一瞬ひるんだ。その隙に三人は消えた。それを確認してナンバー3も消えた。


ロンドン地下鉄某駅周辺半径50m消失。行方不明者231人。


某ステーション?のモニター室。

教授『大まかなことはナンバー2から聞いた。でもみんなの言い分も聞いてみたい。順番に聞こうか。まずはナンバー1から話してもらおう。』

ナンバー1『言うことはない。』

教授『……言い方が悪かったね。ナンバー4が捕まったときに何をしていた?君がリーダーだと思っているのだが。』困ったように言った。

ナンバー1『成り行きを見てた。ナンバー4の命の危機は感じなかったので、手助けしなかっただけだ。』お灸のことは言わなかった。言えばナンバー2が気にするからだ。

教授『分かった。ナンバー3はBHBの設定をしていたようだからいい。』

教授『ナンバー4、言いたいことを言いなさい。』

ナンバー4『今回は俺が悪かった。弁明をするつもりはない。』頭を下げて謝りながら言った。

この行為(謝罪)には四人とも驚いた。

教授『いや、分かっていればいいんだ。あまり自分を責めるな。それとお金は返さなくていいから。』慌てて慰めるように言った。

ナンバー2『そうよ。とりあえず、みんな無事だったんだしね。』優しく言った。

ナンバー3『分かればいいんだよ。今後は慎重に行動すればいいんじゃないか。』

ナンバー4の予想外の謝罪にみんな優しく対応した。1人を除いて。

ナンバー1『身体を鍛えろ。格闘術を教えよう。今からやるぞ。』そういうとナンバー4を連れて行った。空気を読まないナンバー1だった。

ナンバー2『部屋で休みます。』モニター室から出て行こうとすると

教授から『ナンバー2。クッキー美味しかったよ。ありがとう。』と言われ、ナンバー2は頬を赤くして笑顔で『今度はもっとおいしく作ります。』と言い出て行った。

ナンバー3『どうしますか、教授。ナンバー2の気持ちに気づいていますよね。』

教授『ナンバー2は娘のような存在だ。それ以上ではない。』申し訳なさそうに答えた。それを聞いてナンバー3もモニター室を出て行った。


第3格納庫。

ナンバー4は精神的に参っていた。それは、もう人殺しができなくなるということが受け入れがたいことだったからだ。まだ殺し足りないのだ。死ぬのは満足してからだと思ったが、その考えは甘かった。ナンバー1の訓練は、それ以上だった。人殺しができなくてもいいとさえ思えた。それほど厳しかった。


みんなが出て行ったあとのモニター室で

教授『0.00006%。成果は出てるが、低空飛行だな。』疲れた顔でつぶやいた。


登場人物紹介(4話まで)

・教授 :65歳 インド出身 リーダー ラマラガン元大学教授。

・ナンバー1:40代後半 190cm 屈強で怪力。

・ナンバー2:20代 160cm 長髪で美人 フランス出身 剣を背負っている。

・ナンバー3:165cm位 アジア系の精悍な顔つき BHBと呼ばれる球体を持っている。

・ナンバー4:20代後半 170cm 55kg イギリス出身? 茶髪で茶色の目 ナイフ所持。


用語

・BHB:球体型の爆弾?半径50mの全てを消失させることができる。

・DBH:?

・某ステーション:?

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