38.ノアとTB
・消失の章:1~12話
消失という任務を実施する理由とは?
その任務を遂行する各メンバーはどのような人物なのか?
・悲哀の章:13話~26話
新たな仲間を探すダイブになっています。
15話~18話 ナンバー4の出会いと別れ
19話 ナンバー3について
20話~22話 ナンバー1の出会いと別れ
23話~26話 ナンバー4の決断
・裏切りの章:27話~35話
ステーションがメイン。
27話~30話 少々退屈な話ですが、必要なので。
31話~35話 Time Keeperの襲撃
・疑惑の章:36話~??話(3日毎に更新:07/01,07/04,07/07…)
第7格納庫。
ナンバー2がこの格納庫にこのステーションのマニュアルがあると思うと言っていたが、全く整理されていなかった。
ナンバー2『ごめんなさい。ここは全くの手つかずで、整理してなくて。』
タケオ『探すのに時間がかかりそうだな。ジャンヌ、任せてもいいか。俺は移動先を探そうと思う。』
ナンバー2『分かったわ。』
タケオ『任せた。モニター室かメインルームにいると思う。』ナンバー2を残して出て行った。
最初にモニター室。
タケオは、STステーションがどんな位置が最適なのかのデータを探しにモニター室に来ていた。教授がピンポイントで今の場所を決めたとは考えておらず、候補地点がいくつかあったのでは?と思ったのだ。数十分でそれらしきデータを見つけて、
タケオ『ビンゴ!まだ運があるな。』ホッとした。あとはこのステーションを操縦できるかだな。
次はメインルーム。
タケオは、ここでナンバー2が来るのを待つことにした。とりあえず電源を入れてと思ったのだが、電源ボタンらしきものが見つからない。俺がいた時代よりも250年先の技術は分からないものだらけだった。
タケオ『お手上げだな。”ノア”ねえ。ノアの箱舟からとったのか?ジャンヌのところに探しに行くか。』第7格納庫に向かおうとしたとき。
??『あなたの声は認証できません。』
タケオ『ん?』
再び第7格納庫。
ナンバー2は、悪戦苦闘していた。マニュアルは見つかっていない。そこにタケオが入ってきた。
ナンバー2『タケさん、探してるんだけどまだ見てないのがこれだけあるの。』
タケオは、手つかずの書類の山を見て、
タケオ『…ありがとう。もう十分だ。疲れただろう、休んでて。』
再びメインルーム。
タケオ『ノア。』と言った。
ノア『あなたの声は認証できません。』
タケオ『はいはい、毎度言わなくても分かってますよ。ノアのマニュアルがあれば見せて欲しい。』
ノア『承認できません。………学習モードに移行します。マニュアルの一部を開示します。』
タケオ『学習モード?なんかいけそうか?おおー!宙に文字が浮かんだぞ!』
ナンバー2『どういうこと?』結局タケオに付いてきた。タケオのそばにいたかったからだった。
タケオ『このステーションは音声認識らしい。【ノア】という言葉で電源が入るみたいだ。だけど部外者は制限がかかるみたいなんだ。学習モードというくらいだから、おそらく子供たちを乗船する予定だったから、その子たち用なのかもな。だからどのくらいできるかは分からない。』
タケオは空中に映し出されるマニュアルを読み始めた。残念ながら移動の操作方法は無かった。学習モードで操作方法が見れるとまずいだろうから当然と言えば当然の結果だった。残りはハッキングか。ハッキングできる自信はなかったが、やるしかないと思った。
数時間後。
ナンバー2が椅子にもたれ掛かって寝ていた。
タケオのスキルではハッキングは無理だった。お手上げ状態でしばらく考えているようだった。そして
タケオ『ノア。今から言う座標に移動してほしい。座標は●★◆なんだが。』
ノア『移動命令の権限がありません。また、その座標は、不明です。』
タケオ『使えねえ。ノア、このステーションがある空間周りを把握したい。ソナーのようなものはあるのか。』
ノア『あります。使用可の状態です。飛ばしますか。』
タケオ『できるのか!やってくれ。』
ノア『データ収集中。半径50km四方まで解析終了。解析した範囲を表示しますか。それともすべてが終わってから表示しますか。』
タケオ『へえー。まずは終わった範囲を表示してくれ。』
ノア『表示します。』
タケオ『時空間はこんな感じになっているのか。この多数の点は次元渦かな。ん?端に映ってるこの大きい●はなんだ。』
ノア『不明です。データからunknownな物体のようです。』
タケオ『怖いことをサラッと言うな。時空間の穴みたいなもんかな。今ノアがいる場所と同条件の場所は選定できるか。』
ノア『可能です。解析が終わっている範囲内にはありません。』
タケオ『ということは、候補地点は遠そうだな。』
ナンバー2『ウゥン。…タケさん、私寝てた。』
タケオ『起きたのか。ちょうど休憩しようと思ったんだ。ノア、見つかったら教えてくれ。探索精度を上げるため何回か飛ばして確認してくれ。あとで見に来るよ。ジャンヌ、行こう。』ナンバー2とメインルームを後にした。
ノア『データ収集中。…条件をクリアしましたので学習モードを終了します。登録可能となりましたので登録してください。次回からは権限者モードになります。』
しかし、誰も聞いていなかった。
食堂。
タケオ『お手上げだ。時空間を移動することは無理そうだ。』料理を作りながらみんなに説明した。権限者になったのを知らないタケオだった。
ナンバー4『どうするんだ。』
タケオ『教授がやった方式でやる。』
ナンバー1『ダイブか。』
方法は簡単だった。一旦、適当な世界にダイブして、戻る際の座標を書き換えればいいのだ。問題は、一気にバクタ―セルが無くなることだった。巨大なステーションのダイブにはそれなりのエネルギーが必要なのだ。バクタ―セルの在庫が少なくなるのでその調達が最優先になる。
ナンバー1はミンリたちの死の真相を早く知りたかったのだが、バクタ―セル不足もあるが薬の改良が終わってない以上我慢するしかなかった。
その日の夜中。
タケオの部屋。
タケオが目を覚ました。そう言えばノアに探索をお願いしたままだったことを思い出した。隣で寝ているナンバー2を起こさないように抜け出してメインルームに向かった。
メインルーム。
タケオ『おっ、さすがに探索と解析は終わってるな。ノア、ご苦労さん。さあ時空間はどんな感じなのかな。表示してくれ。』
ノア『………あなたの声は登録されておりません。まずは登録してください。』
タケオ『またかよ。ほったらかしで学習モードが終了したのか。あれ?登録?さっきは認証だったよな。』
ノア『権限者への条件をクリアしましたので登録してください。』
タケオ『クリア?どんな条件だったんだ。』
ノア『シークレットです。』
タケオ『あっそう。登録ね。なんでもいいのか。』
ノア『音声を登録するためのものです。好きな言葉でOKです。』
タケオ『名前にするか?いや、イニシャルにしょう。馬場竹男だから“TB”で登録してくれ。』
ノア『登録完了。TB様よろしくお願いします。』
タケオ『おう!じゃあ、さっそく表示してくれ。』
ノア『解析結果を表示。』
タケオは、じーっと画面を見ていた。数分後に一言『ちっとも分からん。』