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35.ネモ教授の死

・消失の章:1~12話

消失という任務を実施する理由とは?

 その任務を遂行する各メンバーはどのような人物なのか?


・悲哀の章:13話~26話

 新たな仲間を探すダイブになっています。

 15話~18話 ナンバー4の出会いと別れ

 19話    ナンバー3について

 20話~22話 ナンバー1の出会いと別れ

 23話~26話 ナンバー4の決断


・裏切りの章:27話~35話(次回更新は07/01)

 ステーションがメイン。

 27話~30話 少々退屈な話ですが、必要なので。

 31話~35話 Time Keeperの襲撃

タケオ『解除できた。』と言った。BHB改は割れてカウントは止まっていた。

ドジル『クレイジー。爆発したかもしれないんだぞ。』

チャンも信じられないという顔をしている。

ナンバー1もナンバー4も唖然としている。

抱っこされているナンバー2は反射的にタケオを強く抱きしめていた。

タケオ『そうだな。そのときはお前たちも道連れだな。』とにやりと笑って言った。

タケオ『だけど、こっちには幸運の女神様がついているんだ。』そう言ってナンバー2を見た。

タケオ『それに仮に爆発しても、少なくとも俺はこんな美女を抱っこして一緒に死ぬんだからお前たちよりも幸せだよな。』と謎の理論を展開した。

ナンバー2はタケオの言葉を静かに聞いていて、恥ずかしくて顔が赤くなるのを感じた。

ドジル『くそっ!いいか!お前たちTime Breakerは悪なんだ。いつの時代も悪が滅びる。運命は変えられないんだ。』必死だった。自分たちが有利だったはずなのになぜか早くこの場から逃げたかった。

タケオ『悪?なら戦争はどうなる?どちらが悪なんだ。負けたほうが悪で勝った方が善なのか?それならお前たちに勝てば俺たちが善=正義だな。』

ドジル『なっ!』返す言葉が無かった。このタケオといたら確実に死ぬと思った。それはチャンも同じ考えだった。こちらの手札を全て無効にした。言葉でも言い返せない。それにとにかくこの男の情報がない。強いのか弱いのか分からない。今は、退散するしかなかった。

ドジル『くそっ。行くぞ。』そう言って出入口に向かった。背後からタケオが何かしかけてくるかと思ったが、何もなかった。そして、ステーションから無事に出た時、五人はホッとした。任務はネモ抹殺で成功したのに失敗したと感じていた。


ナンバー4『肝を冷やしたよ。』

ナンバー1『助かった。』

タケオ『ああ。一生分の運を使ったな。あとは不運しかないかも。腰が痛くなってきた。』そう言って大きく息を吐いた。久々の背負い投げで腰が痛くなってきたようだ。歳には勝てないのだ。

ナンバー2『私、そんなに重くないです。でも重くなった?それなら原因はタケさんです。タケさんの食事が美味しいから。もう大丈夫です。降ろして下さい。』そう言って自分のお腹を見て

ナンバー2『キャッ。』自分の姿に気付き、恥ずかしくなった。

ナンバー2は降ろされるときに思った。BHB改を踏んだ時、私を抱いていた手に力が入ったのはきっと一か八かの挑戦だったのだと。



Time Keeperが去ってから数時間たった。

ここはSTステーションの医務室。

全員が集まっている。その中心に生命維持装置につながれて教授が横たわっていた。

タケオ『心臓はなんとか動き出したが、見た通り脳死状態だ。』

ナンバー1『脳だけは治療できないな。どうする。』

ナンバー4『治療できないんだろ。』

ナンバー2『そんな。まだ温かいわ。』そう言って教授の手を握る。

ナンバー2『私は、ここで一番古い時代の人間。だから分からないけど、きっともっともっと先の時代に行けば治療法があるはずよ。』泣きながら懇願した。

タケオ『仮にそれが可能だったとして、もし記憶を失っていたらその記憶までは元には戻らないよ。もう違う人だ。』

ナンバー2『ウゥゥ~。』

泣いているナンバー2を見るに見かねたタケオ『きっと脳の最先端治療は、AIとの融合になると思う。それでも記憶は元に戻らないが、あらかじめみんなの知っている教授のことをAIに教えておけば教授らしくはなるかもしれないし、会話や日常生活を送れるようになるかもしれない。』気休めで言ったこの言葉は失言だった。タケオは言ってからしまったと思ったのだ。

ナンバー2『それなら、その方法を!』

ナンバー1『ナンバー2。その教授はもう俺たちの知っている教授では無いよ。』ナンバー2の肩に手を置いて優しく言った。

ナンバー2『それでも、タケさん。』藁にもすがる思いでタケオを見た。

タケオもナンバー2を見返した。一旦目を閉じて、そして開いてから強い眼光で

タケオ『やらない。もう諦めろ。』そう言って、教授の生命維持装置を外した。

ナンバー2『やめて~!』泣き叫んだ。

タケオの行為にナンバー1とナンバー4も驚いた。

ナンバー2『どうして、どうしてこんなことを。最先端治療でなんとかなるって言ったのに。』

タケオ『それは可能性の話だ。現実を見ろ。そんな治療や手術をだれがしてくれるんだ。俺たちに手を貸してくれる医者はいるのか。無理だろ。教授は脳死状態、もう心は死んでるんだよ。』

ナンバー2『それでも…それでも。』ナンバー2は諦めきれなかった。そんなナンバー2を見てタケオは両手を強く握りしめて(教授、教授で頭がいっぱいみたいだな。面倒くさいけど、悲しみを怒りに変えるか。)

タケオ『…ちっ!これはもう単なる肉の塊だ。』そう言ったあとに、部屋中に“パーン”という音が響き渡った。ナンバー2がタケオの頬を叩いたのだ。そしてタケオを睨みつけて

ナンバー2『最低!教授は、私の、私たちの恩人よ。長い間苦楽を共にしたのよ。それを肉の塊なんて。あなたは、教授と少ししかいなかったから悲しくないんでしょ。今度は、こう言うんでしょ。今日はこの子熊たちの肉の塊で料理しようって。出て行って。この部屋から出て行って。ううん。このステーションから出て行ってよ~。』心音が弱くなっていく教授の胸で泣いていた。

タケオは無言で医務室から出て行った。それを追うようにナンバー1とナンバー4も出て行った。

ナンバー4『タケオさん、肉の塊は、さすがに言い過ぎじゃないかな。』

ナンバー1『ナンバー2の気持ちの矛先を変えるのは成功したようだが、ちょっと言い過ぎだな。完全にお前が悪者だぞ。』

タケオ『…口の中を切った。ちょっと休む。』それだけ言って自分の部屋に入っていった。

ナンバー4『どうする?』

ナンバー1『教授を失った。仲間割れをしているときじゃない。だけどナンバー2には時間が必要だな。少し落ち着いたら俺が仲裁に入るよ。』



三人が出て行ってから数時間後の医務室。

ナンバー2はいつの間にか寝ていた。気付いたときはもう教授は冷たくなっていた。

ナンバー2『ネモ教授。』教授の頬をそーっと触る。そしてしばらくしてから

ナンバー2『最低。』とつぶやいた。それはタケオに向けた言葉なのか、それとも…。

ナンバー2『アレクサンドラ。あの言葉は予言だったの?それなら私はどうすればいいの?』


【人はいつか死にます。辛くてもその死を乗り越えてください。そして裏切りを受け入れてください。】


ナンバー2『裏切りを受け入れるって何?ナンバー3を許せと言うことなの?無理よ…。』


第3格納庫。

ナンバー1は、ゆっくりとストレッチをしながら肉体の状態を確認していた。そしてチャンの言った言葉を考えていた。村の襲撃の真相を見る必要があるな。チャンは何かを知っているようだったが、念のために体調を万全にしてからダイブしたほうがいいと感じた。ナンバー2とタケオの仲裁をしないとなと思い

ナンバー1『フ~。タケオのためというよりナンバー2のためになんとかしないとな。』と息を吐いて、格納庫から出て行った。


第4格納庫。

ナンバー4は、瞑想していた。今回も何もできなかった。完全に役立たずのお荷物だな。ナンバー3が言ったように俺には何もない。だけどゼロならあとは上がるだけだと思った。ナンバー2とタケオのことはナンバー1に任せよう。俺には説得できるだけの経験はない。


タケオの部屋。

タケオは、ベッドで横になりながら今後どうするか悩んでいた。少し前までは単なるサラリーマンだったのだ。話が飛躍しすぎてる。死亡フラグは、今回は教授だった。きっと主人公のナンバー1とヒロインのナンバー2は大丈夫だな。次の死亡フラグは、残っている俺かジャックだ。ジャックは死にそうで死なないよな。なら次は俺だな。あの背負い投げも、偶然が重なり、たまたまうまくいったのだ。

タケオ『フッ。』と笑った。考えるのは止めよう。ナンバー2にステーションから出て行けと言われたんだった。リーダーの教授が死んだし、沈む泥船に乗り続ける義理は無い。もう去ろう。少し昔の時代に行けば、ここで学んだ知識があるし金持ちになれるだろう。そしてひっそりと静かに余生を過ごそうと思った。そうと決まれば荷造りしようと起き上がった。


登場人物紹介

Time Breaker

・ネモ教授 :死亡。

・ナンバー1:50代前半 190cm  ロシア出身 屈強怪力 本名ゾーン アーミーナイフ所持。

・ナンバー2:22歳 160cm  フランス出身 長髪で美人 剣を背負っている。

・ナンバー4:28歳 170cm55kg イギリス出身? 茶髪で茶色の目 ナイフ所持。

・ナンバー5:死亡。

・ナンバー6:死亡。

・ナンバー7:52歳   日本出身バツイチ 本名馬場竹男。

その他

・アレクサンドラ・ボーニッシュ:26歳 人の情報を知る能力持ち。ナンバー4と相思相愛。

・遠藤麻希:女子高生 ナンバー1を好き。

・ナンバー3: 165cm位  中国出身 精悍な顔つき 本名チャン・フォン。裏切る。


用語

・BHB:ブラックホール爆弾。半径50mの全てを消失させることができる。

・STステーション:元宇宙ステーション【ノア】

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