30.タケオの日常
・消失の章:1~12話
消失という任務を実施する理由とは?
その任務を遂行する各メンバーはどのような人物なのか?
・悲哀の章:13話~26話
新たな仲間を探すダイブになっています。
15話~18話 ナンバー4の出会いと別れ
19話 ナンバー3について
20話~22話 ナンバー1の出会いと別れ
23話~26話 ナンバー4の決断
・裏切りの章:27話~(3日毎に更新)
ステーションがメイン。
タケオがナンバー7となってから数日が過ぎた。覚えることが多かった。
タケオ&ネモ教授。
教授からは、現行装置の説明を受けた。その際に、教授は、タケオがある会社の開発部にいたと聞き、回路等も説明して理解を深めてもらおうと思った。どの程度できるかは不明だったが、ナンバー4のタイムベルトを修理したことからある程度は使えそうだと思っていた。まずは、ナンバー4が遭難した原因を調査してもらうことにした。教授がタイムベルトを一通りチェックしたが問題なかったが、第三者から見ると何か分かるかもしれないと思ったのと、タイムベルトの構成を理解してもらうためだった。
タケオ『教授。特にハードもソフトも問題ないようですね。これはナンバー3という人が作ったのですか。』
教授『うむ。一応、全て私が作った。ナンバー3には、その後の改良を任せていた。何かおかしなところがあったのかな。』
タケオ『いえ、この回路の原理に驚いて。こんな発想ができるなんてすごいなあと思ったら教授でしたか。』
教授『タケオ君、私をおだてても何もでないぞ。』
タケオ『えー、カレーも?』
教授『それは例外だ。私のカレーに飽きないか?他のメンバーは口には出さないが不満があるようでな。』
タケオ『食文化の違いですかね。俺は飽きないですね。』
教授『そう言ってくれるのは嬉しいが、食事担当は君になってしまったからな。色々な料理を頼む。』
タケオ『大丈夫ですよ。大勢で食べるのは楽しいですよね。』
タケオは、食事担当&装置メンテナンス担当になりつつあった。
教授は、暇があればタケオとド〇えもんの話で盛り上がっていた。たまにナンバー4も加わり三人で盛り上がることもあった。
怖いもの知らずのタケオに驚かされることがあった。
ある日研究室で大きな音がしてナンバー4が駆け付けた時は、部屋が散乱し、タケオが壁を背に倒れていた。
ナンバー4『タケオさん、大丈夫?』
タケオ『イタタタタ。ベルトをいじってたら突然壁にぶつかった。ハハハハハ。』
ナンバー4『………』知らずに瞬間移動を起動させて壁にぶつかったようだった。
また、ある日、ナンバー1が格納庫でナンバー2とナンバー4を鍛えているときにタケオが入ってきて
タケオ『なあ、これカウントが動いているんだけど何か分かるか?なんとなくヤバいかなあと思うんだが。』
三人『!』
ナンバー2『ちょっと!キャーーーー!1分切ってる。』タケオからBHBを奪い取ってカウントダウンを止めたこともあった。
タケオ『おっ、止まった。まずかったかな。』他の三人の慌てぶりから、やっぱりヤバいものだと理解した。その後のナンバー2からのお説教があったのは言うまでもない。
とこんな感じでタケオは装置の理解?を深めていった?のだ。
タケオ&ナンバー1。
ナンバー1は、タケオの年齢からあまり戦う力は望めないだろうと思っていた。それに日本人という人種は平和主義なので殺人には向いてないだろう。実際に組手をしてみるとナンバー4よりも下だと感じた。それも仕方がないと思った。意外だったのは、スタミナがあることだった。ナンバー2やナンバー4が音を上げる基礎訓練も平然とまではいかないが全てクリアした。仕事の片手間に畑等の農作業をしていたことでスタミナがあるようだ。殺人という禁忌をクリアできればナンバー4よりは使えるかもしれないと思い、無理のない程度で戦いのスタイルを身に着けてもらおうと思った。大怪我でもされたら食事に影響を及ぼすからだった。タケオが料理をしてくれるようになってから食事が楽しみになっていたのだった。最後の晩餐と聞かれれば間違いなく『カツカレー』と即答するだろう。
タケオ自身は、基礎訓練は苦ではなかった。歳のせいもあり体力が衰えてきたことを実感していたので体力維持にいい運動だとおもった。しかし組手はいやだった。理由はもちろん、痛いのがいやだった。
タケオ&ナンバー2。
ナンバー2は、タケオから様々な料理を習っていた。最初に調理器具の正しい使い方から教えてもらっていた。ある年齢から戦いに身を置いたため、料理スキルは劣っていた。それでも一生懸命料理もしてきたが、独学の限界を感じていた時にタケオがやってきたのだ。だから、真剣にタケオから学んでいた。
タケオもナンバー2の調理スキルの低さを見て、これはまずいと思ったので、ナンバー2から『料理を教えて欲しい』と言ってきたときは二つ返事でOKした。年齢的には娘みたいなので、タケオは娘に接するようなアットホームな感じでナンバー2に教えていた。
そのうちナンバー2は『タケさん。』とタケオを呼ぶようになった。
タケオが料理を作り、ナンバー2がそのアシスタントということが定着しつつあった。ついでに他の家事についても知ってる限り教えていった。
あとは、時々格納庫に行き、整理整頓をしていた。二人とも整頓好きだったのと、タケオにとっては、整理整頓はどんな物があるのか知るのに役に立った。
ある日、格納庫でミシンを見つけて、『これで上手な人は服も作れるよ』と説明したがナンバー2には理解してもらえなかったのは驚いた。ナンバー2はいつの時代の人間なのかと思った。ミシンで簡単なものを縫って見せるとナンバー2は目を輝かせて、操作方法を学んだ。
タケオは、ナンバー2の家事スキルを上げる家庭教師役になっていた。
タケオ&ナンバー4。
ナンバー4にとって、タケオは兄貴のような存在だった。なぜか分からないがタケオといると殺人衝動が全く起こらない。そのためタケオを切ることができずに説得してここに連れてきたのだ。タイムベルトに異常がないことが分かれば、もう一度あの時代に行ってDVDや本を買い漁ろうとおもった。
なぜかだれもタケオを【ナンバー7】と呼ばない。
教授は『タケオ君』
ナンバー1は『タケオ』
ナンバー2は『タケさん』
ナンバー4は『タケオさん』
だった。これについては誰も疑問に思わなかった。
タケオ&【ナンバー3】
タイムベルトは元々最大三回のダイブが可能だった。従って、一回分のエネルギーが残る。それを瞬間移動四回分に使用することを提案したのがナンバー3らしい。これを聞いてタケオは、ナンバー3は素直にすごいなあと思った。
自分にも何かできないかと思い、格納庫から見つけた使い慣れたWindows版PCでタイムベルトを改良しようとしたが…ため息が出るばかりだった。
タケオ『タイムトラベルの原理は分かったけど、特に付加したい機能はないよな。まあ、ダイブ経験が一回だけじゃ全然分からないけど。』キーボードをたたいて、タイムベルトのソースコードを表示させて考えていた。しばらくして
タケオ『ふーん、なるほどね。』
タケオの部屋。
ホテルの一室を充てられた感じだが、違いは、自分で掃除したり、レイアウト変更可なところだ。一人で過ごすには十分だなと思った。教授やみんなからこれまでの経緯や目的など聞いたことを思い出していた。
1.人類が滅亡すること。
2.その未来を変えるために人々を消滅させていること。
3.未来を変えないような力が働いていること。
4.ナンバー3が失踪して新たなメンバーを探していること。
5.3と4のせいで2が中断していること。
6.自分が加わったことでメンテ役はOKで、戦闘力の高いメンバーを探す必要があること。
7.いつの間にか敵(Time Keeper)がいたこと。
8.滅亡よりも離れすぎた時代での消失は効果が無かったこと。
9.ジャックの遭難原因が分からないのでタイムベルトの使用を控えていること。
タケオは、これらの話を聞いて
タケオ『SF映画の世界だな。主人公はナンバー1で、ヒロインはナンバー2かな。となると俺か教授かジャックの誰かに死亡フラグが立つパターンだよな。でもなんだかなぁ。違和感があるというか変なんだよなあ。』と思った。
登場人物紹介(30話まで)
Time Breaker
・ネモ教授 :65歳 インド出身 リーダー 本名ラマラガン(元大学教授)。
・ナンバー1:50代前半 190cm ロシア出身 屈強怪力 本名ゾーン アーミーナイフ所持。
・ナンバー2:22歳 160cm フランス出身 長髪で美人 剣を背負っている。
・ナンバー3: 165cm位 アジア系 精悍な顔つき 行方不明。
・ナンバー4:28歳 170cm55kg イギリス出身? 茶髪で茶色の目 ナイフ所持。
・ナンバー5:1歳前後? カナダ出身 グリズリー。
・ナンバー6:1歳前後? カナダ出身 グリズリー。
・ナンバー7:52歳 日本出身バツイチ 本名馬場竹男。
その他
・アレクサンドラ・ボーニッシュ:26歳 人の情報を知る能力持ち。ナンバー4と相思相愛。
・遠藤麻希:女子高生 ナンバー1を好き。
用語
・BHB:ブラックホール爆弾。半径50mの全てを消失させることができる。
・DBH:?
・STステーション:元宇宙ステーション【ノア】