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21.候補者②Part2

・消失の章:1~12話

消失という任務を実施する理由とは?

 その任務を遂行する各メンバーはどのような人物なのか?


・悲哀の章:13話~25話ぐらいを予定

 新たな仲間を探すダイブになっています。

 15話~18話 ナンバー4の出会いと別れの話です。

 19話    ナンバー3について触れます。

 20話~   ナンバー1の出会いと別れの話です。


あの橋から数十m離れた某所。

ナンバー2『ナンバー1の出血が酷いわ。一旦、戻りましょう。』

ナンバー1『ダメだ。任務の中止はあり得ない。』死んでもこれだけは譲れないらしいが声に力が無い。

ナンバー4『その出血はやばいぞ。戻らないなら病院だが、無理だよな。』

ナンバー2『それは無理よ。』

『どうしたんですか。』女の声。

二人は振り向いた。女性が立っていた。制服から女子高生だと分かったが、近づいたことに気付かなかった。消えようにも二人のタイムベルトの瞬間移動回数を使い切ってしまっていたのだ。目撃者は殺すしかない。

ナンバー2『友達が怪我をして。』と言った。とりあえず出方を見ようと思った。

女子高生『えっ。』ナンバー1に近づいた。そして

女子高生『これは斬られたような。ひょっとして辻斬りに会ったの?』

ナンバー2『…ええ。なんとか逃げたんだけど怪我が酷くて。』

女子高生『警察と病院に。』

ナンバー2『ダメよ。』強い口調で反対した。

女子高生が一歩下がってこちらを伺っている。

ナンバー2『ごめんなさい。正直に言います。私はある国の要人の身内なんです。こっそり抜け出して夜の景色を見ようとしたらこんなことになって。これを父に知られたらこの二人は極刑を免れません。だから警察も病院もダメなんです。心配してくれてありがとう。もう行ってください。あとはできれば他言無用で。』自分がここまで咄嗟に嘘が言えるなんて思わなかった。

女子高生『…』無言でナンバー1に近づき、ナンバー1の右腕を肩にかけた。

女子高生『重っ。』

女子高生『家に来たらいいわ。病気の母しかいないし。でも医療道具とか無いし、薬も母の物は使えないだろうし家庭用のものしかないわ。』

ナンバー2は、この申し出を受け入れるか断るか迷っていたが、

ナンバー1『…助かる。』と力の無い声で言った。これで申し出を受け入れるほうに決定した。

ナンバー2『…ありがとう。いいの?アルバァ代わってあげて。』ナンバー4は苦笑して女子高生と交代した。

女子高生『こっちよ。』

しばらく歩くと、古い家に着いた。

女子高生『こんな家だけど母子二人には十分なの。入って。』

ナンバー1『すまない。針と糸を貰えないか。裁縫用でいい。とりあえず傷を縫いたい。あとは酒でもあれば助かる。』か細い声だがはっきりと聞こえた。

女子高生『分かったわ。そこの部屋で待ってて。』女子高生は奥に行った。

ナンバー4『警察に連絡されないか?』

ナンバー2『大丈夫だと思うわ。信じたいのよ。殺したいの?』

ナンバー4『いや、なぜだろう。彼女には不思議とそんな気持ちは無いな。』

女子高生『お母さん、困ってた人がいたから家に来てもらったの。うん、大丈夫だと思う。』奥で声がする。母親と話をしているようだ。会話が途切れてしばらくすると、女子高生が戻ってきた。

女子高生『はい、針と糸。針は一応火で消毒しといたわ。糸は本当に裁縫用よ。お酒なんだけど誰も飲まないから父が残していったウイスキーがあったからこれでいいかしら。』

ナンバー1『助かる。あとは自分でやるから一人にしてくれ。』

ナンバー2『そんな…。』と言おうとしたが、

女子高生に『何言ってるの。男だからって恥ずかしがらずに何でも一人でしようと思わないで。』と言われた。

ナンバー1『分かった。20分後に入ってきてくれ。集中したいんだ。』

女子高生『…分かったわ。』そして、ナンバー2とナンバー4を見て『お腹は空いてない。私はペコペコ。大したものはないけど食べる?』

ナンバー2『ありがとう。いただくわ。』

ナンバー4『腹減ってたんだよ。助かるよ。』

三人は部屋を出て行った。


一人残されたナンバー1は、服を脱いでウイスキーを傷口にかけた。うめき声も出さないが額に汗がにじむ。そして斬られた箇所を縫いながら考えていた。刀を振り下ろしている最中に刀が伸びたかのようになったと考えた。足は動いていなかった。間合いは、腕を伸ばした分は取っていた。それに、ステーションでモニターに映し出された顔とあの対峙した顔は同じだったが、何かが違って見えた。とても自殺するとは思えない。縫い終わり、残ったウイスキーを飲んでから、色々考えたいと思ったが、もう考える余力は無く、眠りについた。

15分後に女子高生が覗いたが、ナンバー1はもう寝ていた。

女子高生『5分早かったけど、自分で縫うなんてすごいわね。』そう言っておにぎりと飲み物を置いてそーっと出て行った。


翌日の朝。

ナンバー2は、母親が休んでる部屋で女子高生とその母親と談笑していた。

女子高生『アリサさんは、日本語がとても上手なんですね。何か国語話せるんですか?』

ナンバー2『フフフ。秘密よ。』笑って誤魔化した。

母親『ありがとうございます。麻希がこんなに笑ってるのは久しぶりに見たわ。』

ナンバー2『いえ、こちらこそ助かりました。麻希ちゃんが見ず知らずの私たちにこんなに親切にしてくれて何かお礼がしたいわ。』

麻希『えー。なら一緒に買い物に付き合ってもらおうかな。でも護衛も付いてくるかあ。』笑いながら言った。

ナンバー2『大丈夫よ。二人で出かけましょう。自分の身は自分で守れるくらいの格闘術を習っているので。学校から帰ってきてからでいいかしら。それならまだ昼間だしね。』

麻希『えー。今日は学校休んでもいいでしょう。』

母親『いいわよ。たまには楽しんできなさい。でも夜はバイトでしょ。』

麻希『うーん、なんか、今日行きたい気分だし、バイトのシフトを明日に変更できるか聞いてみる。ちょっと待ってて。』そう言って部屋を出て行った。

母親『アリサさん。お金は後で払いますからあの子が楽しめるようにしてもらえないでしょうか?私の看病と生活のためのバイトと。きっと遊びたいのに。』

ナンバー2『お金のことは心配しないでください。お礼をしたいので麻希ちゃんが楽しめるように行動しますわ。』

母親『ありがとうございます。』

しばらくすると制服から私服に着替えた麻希が笑顔で戻ってきた。


ナンバー4は、寝ているナンバー1の部屋で話をしていた。

ナンバー4『辻斬りは、やっぱりあの男子高校生だったな。意味深な遺書を書いて警察をかく乱しようとしたのか。』

ナンバー1『分からんな。とりあえず、あの男を調べて欲しい。評判とか。あとは兄弟がいるかを。俺は早く戦えるように回復に専念する。』

ナンバー4『分かった。俺一人で調べよう。姿は見られたから例の首輪を使うよ。』

ナンバー1『俺のベルトと交換しよう。お前のベルトはもう瞬間移動は使えないだろ。』

ナンバー4『そうだな。念のためにそうするか。』


ナンバー4は出かけたようだ。ナンバー4は、うまく調査できるだろうか。あの辻斬りに兄弟とくに双子がいるなら辻褄が合いそうだが、そうでない場合は、仲間にはできないだろう。ナンバー4とは次元の違うトラブルを起こしそうだ。そう思いながらナンバー1は、横になろうと思ったとき、ナンバー2と女子高生が入ってきた。

ナンバー2『具合はどう?』

ナンバー1『見ての通りだ。』

麻希『不愛想ね。いつもこうなの?』

ナンバー2『そう、いつもこうなのよ。』

麻希『ふーん。そう言えば自己紹介まだだったわね。麻希よ。』

ナンバー1『…』

麻希『…』

ナンバー1『…』

麻希『麻希です。』怒り口調で言った。ナンバー2は声を殺して笑ってる。

ナンバー1『さっき聞いた。』

麻希『名前を教えてくれませんか?』怒りを超えて呆れた声だった。

ナンバー1『…ゾーンだ。』

麻希『ゾーさんね。傷が治るまで遠慮なくいていいけど。一つだけ言っておくわ。私たちは今から出かけるけどお母さんに変なことをしたら許さないからね。』

ナンバー1『!』今までにないくらいに驚いた顔をした。

ナンバー1『そ、そんなことするわけがない。この怪我だぞ。』かなり慌てている。

麻希『へえー。じゃあ怪我してなかったらやらしいことするんだ。』

ナンバー1『フ~。』深呼吸をして落ち着いてから『大人をからかうんじゃない。』と笑顔で対応した。

麻希『面白いね。ゾーさんは。』

ナンバー2『というわけで麻希ちゃんとショッピングに行ってくるわ。念のためにこれを使うわ。麻希ちゃん見てて。』そういうと麻希の目の前で認識阻害チョーカーを使った。日本人女性になった。

麻希『えっ、えっ。』

ナンバー2『すごいでしょ。要人がお忍びでショッピングや遊びに行けるように開発されたものなの。』

麻希『びっくり。すごーい。』

ナンバー2『さ、行きましょう。ナン…ゾーン、行ってくるわ。』そう言うとナンバー2と麻希が部屋を出て行った。

ナンバー1『楽しんでこい。アリサ、マキ・エンドウ。』その言葉を聞いて麻希は振り向いたが、すぐにナンバー2のほうを向いて出て行った。麻希は、苗字も名乗ったかな?と思ったが、たいしたことではないと思いすぐに忘れた。


登場人物紹介(21話まで)

Time Breaker

・ネモ教授 :65歳 インド出身 リーダー 本名ラマラガン(元大学教授)。

・ナンバー1:50代前半 190cm  ロシア出身 屈強怪力 本名ゾーン アーミーナイフ所持。

・ナンバー2:22歳 160cm  フランス出身 長髪で美人 剣を背負っている。

・ナンバー3: 165cm位  アジア系 精悍な顔つき 行方不明。

・ナンバー4:20代後半 170cm55kg イギリス出身? 茶髪で茶色の目 ナイフ所持。

・ナンバー5:1歳前後? カナダ出身 グリズリー。

・ナンバー6:1歳前後? カナダ出身 グリズリー。

その他

・アレクサンドラ・ボーニッシュ:26歳 その人物の情報を知る能力持ち。ナンバー4と相思相愛。

・遠藤麻希:女子高生 ナンバー1をゾーさんと呼んでいる。

用語

・BHB:ブラックホール爆弾。半径50mの全てを消失させることができる。

・DBH:?

・STステーション:5人と2匹の基地?

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