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【4】さらなるチートゲッチュ

すんごく遅くなってすみません

更新頻度を上げられる様に頑張ります。

これからも応援よろしくお願いします!

翌日もその翌日も俺は一人洞窟に籠りひたすら武器やら車両やらを作っていた。

「さーて武器と移動手段が出来たのは良いがこれから何すっかね……」

二人乗りのバイクと百人乗っても大丈夫的な車を作製済みなので、遠出する事も可能だ。更に、更に、この車達は燃料が要らないなんともエコな車達である。

錬成には膨大な量の魔力と集中力が必要であるため洞窟に籠ってひたすら錬成をしていると肉体は寝かせろ〜だの、飯くれ〜だの訴えてくるので、どうにか出来ないかと考えていると……


「シン〜いい加減きてよぉ〜」


となんとも情けない声が聞こえてきた方を見てみるとそこには、早く飯食わせろやゴルァって目で見ているノルンが居るじゃありませんか。


流石に放置したら後が怖いので食べるか


「あー悪いな今行く」


今日の夕飯はキノコグラタンにパスタ、鳥の丸焼きといつもより豪華であった。


「今日はいつもより豪華だな」

「これはね、近くでものすごい音が聞こえたから行ってみたらさ、なんか行商人と野党が乱闘してたの だからそっとぶっ倒してきたんだけどその時のお礼で貰ったの」

・・・・・・。


あれ?なんかキャラ変わってね?


そんな事はどうでもいいとして、今後の方針を話しておかないとな。


「ノルン、今後の方針を決めた これから俺たちは魔王城へ行く途中にダンジョンがあればそこで鍛錬する 三日後にここを出る 何か質問は?」


「えーっとなんで魔王城なの?」


「前魔王の事知っておきたくてな それとこの洞窟の資源じゃ作れない物があるんでな 他には?」

「特に無いわ〜」


「あーそうだ忘れない内にこれを渡しておく お前の為に作った正真正銘の一級品だよ」


そう言ってノルンに渡したのは、深緑の宝石が付いた指輪だった。


「これは?」


「それは魔力タンク兼亜空間収納用のアーティファクトだ その中にはなんでも収納出来るようにしたから何時でも取り出せるぞ」


実はこの指輪にはそれだけでは無くて、全属性魔法無効化と対デバフ特効、超回復……など大量のおまけ付きだ。


やらないといけない事を忘れていたので女神に会いに行くか。『システムコマンド コール トゥー ゴット』

「どうなさいましたかマスター?」

「あー2つほど追加で能力を貰おうと思ってな」

「はい。かしこまりました」

女神は内心どんな要求が飛んでくるのかとヒヤヒヤした。

「一つ目は、十個ほど要求出来る数を増やしてくれ 二つ目は、超回復をくれ」


女神は内心とんでもない事言ってくれちゃったよ

と思いつつもその要求を飲み込んだ。


翌日


魔王になるという気鋭な気持ちでいる俺だが、実際のところ自信なんてものは砂粒ほどもない。で、今日はオリジアという街にノルンと出かけている。ノルンはそこの国立大図書館へ行きたいというので、仕方なく付き合っている状況だ。


 そこは図書館というより中世ヨーロッパに出てきそうな宮殿の様。精緻せいちな作りをした純白の柱に、まるで聖女の様に清らかな壁。柔らかい朝陽が反射し、より神々しいものとなっている。


「で、ノルン。何を読みにここに来たんだ?」

「今からおよそ三千年前に書かれた神話に出てくるリファインドっていう女神による戦記。騎虎となって戦った彼女のその果敢な姿が描かれた名作でね。だけど彼女が殺した兵士や百姓の鬼哭きこくが聞こえてしまって、それに耐えかねて最期には自らの命を絶ったっていう、最高に中毒性があり尚且つ泣けるヒューマンドラマ」


と、超絶早口でまくし立てられた。ノルンの紹介文に俺は苦笑いで頷くしかなかった。ノルンの記憶力と語彙力は一体どうなっているのだろうか。

 図書館の中に入ると、そこは読書家なら絶対に興奮で死んでしまいそうな量の本が天井まで並べられていた。照明は天井にあるランタン一つであるが、館内は落ち着いた橙の明りを保っている。アンティークな赤ワイン色の絨毯にはシミ一つなく、来客の足を優しく包み込んでいた。


「おお、す、すげぇ……」

 

もともと語彙力の「ご」の字も無い俺だが、今度こそ「ご」の「g」の音すらなくした。

 こんな規模の図書館は見たことがない。


 圧巻されていると、本の森の奥から白いカッターシャツに黒いベストを着こなした二十代半ばくらいの青年が現れた。艶のある黒髪に寝ぐせなんていうものは一切なく、黒ぶち眼鏡が良く似合っている。

「おや、ノルン嬢ではありませんか」


 青年はノルンに微笑みかける。カウンターテナーの聡明でかつ色気も持ち合わせた、まるで純色の様な声。対して自分の声は濁色の様である。清明色になりたいものだ。

 彼は一体何者なのだろうか。

「ええ。おはよう。今日はリファインド戦記が読みたいんだけど」

「承知いたしました。ではこちらにどうぞ」

 青年とノルンは本の森……というより迷宮に消えて行ってしまった。辺りを見渡すが俺以外に人はいない。虚無だ……。


 何もしないのも時間の無駄。俺は辺りを見渡すことにした。

 響く俺の足元。そう言えばここに来てから着替えてない。明らかにこの世界に溶け込んでいない履き古した黒いスニーカーが、ペタペタと情けない足音を立てる。

 それを覆すかの様に、コツコツと革靴の音を立てて近づいてきた青年。


「貴方はノルン嬢のご友人ですか?」


「ノルンと一緒に旅をしているシン・ホランスだ俺も本が気になって一緒に着いてきた」

すると青年はガサゴソとおもむろに背負っていたカバンから一冊の本を取り出した。

「ならこの本が良いでしょう」と言って差し出された本のタイトルは、ダークデーモンと書いてった。

(なんだこれ大丈夫か?表紙開いた瞬間に呪われたりしないか?)

なんて事を思いつつも恐る恐る読んでみることに

した。


〜数時間後〜


この本を読んでこの世界について更にわかった事

がいくつかある。


それは、この先確実に世界大戦が起きる事や、

世界の最北端には天使の舞う聖域が、最南端には悪魔の嗤い声の響く帝国があることを知った。

(何故か自分が知りたいと念じたらその事柄に対しての回答が書いてあるマジックアイテムだった様だ。)

 普通の冒険者なら聖域を目指すだろうが、俺は魔王になる。だから帝国を目指すことにするが、なにしろ情報がないに等しい状況だ。


「最南端の悪魔の帝国について知らない……?」

 金髪に紅玉の目を持ったの可愛らしい花売り娘に訊く。彼女は眉間にしわを寄せると、すぐに走って立ち去ってしまった。しかも、「兵隊さーん!」と叫びながら。やばい。不審者だと思われてるなこれ。


 次のターゲットは、茶髪青目の神秘的な見た目をした酒場の看板娘に同じことを訊く。が、またまたこの娘も眉間にしわを寄せてさっさと立ち去ってしまった。


「ノルン、俺はどうやら全人類の女に嫌われる運命だったようだ」


「そりゃこの年でヒキニートDTだもんね」


「それはいうな」

 なんでそんなことをノルンが知っているんだ……? 俺がDTなんてこと一言も漏らしていないのに……。

「ノルン、DTを卒業する方法」

「ヒキニートやめて働いて女にいいとこ見せろ」

「はい……」

 こいつ完全に俺をなめていやがる。お前こそどうなんだバージンじゃないのか?


 そうこうしている間にも夜になってしまい、月も空高く朧げに光を放っている。疾風が俺の体を切りつけて、鋭い寒気が走った。

「それにしてもさ」

 ノルンは焚火にあたっていた。小さく可憐な掌がまるで炎に選ばれた少女の様に照らされ、橙の光が映っている。その様子はまるで遠い昔の記憶をたどっているかのようで、心に刺さるものを感じる。

「ん?」

「誰なんだろうね、『前の』魔王って」

 今日はそれ以降ノルンの口が開くことはなかった。なめらかな首は一切震えることもなく、月は絶頂まで上り詰めた後にどんどん下って行った。

 俺はただ、珠玉な少女をじっと見つめることしかできなかった。


 微睡から目覚めて辺りを見回る。

 ノルンはまだ眠っている。彼女を起こさないように慎重にかつ迅速に洞窟を出た。辺りは若草の生えた平原。何も起こらなさそうなただの平原である。ただただひたすらに歩いていると、声が聞こえた。

『ウィズダム・オビディエント』

「……あ?」

 誰の声なのかはまったく分からなかったが、その声を聞いた瞬間に寒気が体中を蝕んだ。

 不快だ。


 不快だ。


 不快だ。


 不快だ……! 


 何が起きたのか自分でも分からないが、何かとてつもないものに自分を操られている気がした。一体何が起こったのか。

 女神よ、その神威で俺を救いたまえ……。 

「こ、こーる……」

 ここで俺は気が付いてしまった。

 今の俺は喋れなくなっていることに。声帯が呪縛されたかの様に全く震えようとしない。

 俺は今の景色を幻覚だと思いたかったが、そうもいかなかった。サーっと血の気が引いて行くのが分かる。目を擦るがそれは変わらない。

 何故なら——


 所謂、黒騎士とかいう奴らが俺の周りを包囲しているのだから……。


「はっ?! えっ?!」

 動揺の声を上げている間にも黒騎士の軍団はどんどん俺に近づいてくる。鎧の隙間から見える深紅の瞳から放たれる鋭い眼光に刺されているかの様な思いがして、頭の中が真っ白になった。

 いや、待てよ。さっき動揺の声を上げられた。つまり、声帯はもう解放されている。そして俺はチート能力を既にゲットしている。

 殺ってやろう!

「リブロ・ディ・マジーア・アンヴォカシオン! 天に召されし魔術書よ、我の掌に蘇生されよ!」

 呪文ってこんなんでいいのか? っていう疑問もよぎったがそんなことは気にしない。

何故かここで日本で読んだラノベの事を思い出していた。ラノベといえば、戦闘シーンが肝である。どんなに面白いストーリーでも戦闘シーンがつまらなければ即読むのを辞めて中古本屋に売り飛ばす程の戦闘シーン過激派だ。因みに過激な戦闘シーンは好き。

 さあ戦闘シーンといえば……? やっぱり空を飛べなきゃ意味がない。飛行中に魔法を次々に喰らわせるのがとてつもなくイケてる……と思う。

「ヴォル・マジーア! 群青の空に旅立ち鳥の力、我に授けよ!」

 すると俺の体は一気に五メートルほど舞い上がった。景色は格別である。だがそんなことを言っている場合ではない。黒騎士は俺に向かって矢を飛ばしてきやがった。なんとも生意気な事である。

 上に行きたい、と思うと、もっと高く飛べるようになったが、このままだと上空の寒さでぶっ倒れて黒騎士の餌食になりそうなのでここまでにしておこう。

 さて戦闘シーンをまた思い返そう。まずは名乗り出て、そこからは物理から始まり、徐々に魔術……。段取りは完璧だ。よし、やってやろう。

「俺はシン・ホランスだ! お前ら集団でかかろうが何だろうが……ぐはっ?!」

 ……どうやらラノベ《厨二病》通りにはいかないようだ。

 俺の体は空彼方へと飛ばされて、宇宙と空の境目まで来ていた。というか異世界にも宇宙はあるんだな。

 どうやら本気にならないと黒騎士こいつらは倒せないらしい。

 蒼穹の中を落下しながら、俺は召喚した魔術書を開いた。羅列されている文字。魔法陣。ヒントを手繰り寄せる。意味が少しづつ解ってくる。少しずつ……。

 俺は頭脳に衝撃が走るのを感じた。

「エクソシズム・サーカムシジョン! 悪魔よ、その身を割礼により清め、祓われるが良い!」

 鋭利な銀の光が黒騎士を切り刻む。割礼ナイフはその威力を弱めない。倒れる。倒れる。倒れる。俺はその様子を泰然として見つめた。

 黒騎士は怒りに燃えた。俺のことを鋭い眼光で睨む。俺はそれを面白いと思い、口角を上げた。彼らは恐れることを知らずに俺への物理攻撃を続ける。だが全く効かない。

 天籟が煩い。そう思った瞬間、魔術書がまた解読される。

「ヴェント・フェリータ! 鋭き風よ、傷口を深く切り裂け!」

 割礼ナイフによって切断された箇所がさらに切られる。黒騎士は阿鼻叫喚。地は深紅の血で染まった。阿鼻叫喚地獄とは、地獄絵図とはこのことである。

 黒騎士の生き残りは十人となった。少数精鋭。

 彼奴らをなんとかして倒さなくては。俺は色々考えるが、それよりも先に内蔵が浮遊する感覚を感じ取った。

「あれっ……? あれぇぇぇ!」

 そう、落ちていたのだ。きっと、魔法の効果が切れたのだろう。呪文を言おうとするが魔術書を開いても何も解らない。俺は酷く汚く掠れた悲鳴を上げながら、無慈悲に地面に叩きつけられた。

 鈍い痛みが走る。起き上がると、俺のことを十人の黒騎士が囲んでいた。あー、なんで俺はリアルで女の子に囲まれないのにこんな強面の男に囲まれてるんだほんと意味不明だ。ノルンが言ってた通りヒキニート辞めとくべきだった。

 騎士の一人が俺に大剣を突きつける。彼の目元はやけに柔らかく、前髪はソフトブラックのなめらかな色。やいばのひんやりした感触を首に感じた。あ、これ首斬られるパティーンやん。


あ、オワタ


またありもしない転生する未来を想い描いていた。だがその時。

「アッヴェント・バイヒテ! 懺悔の嵐よ、ここに降臨せよ!」

 一瞬目の前が真っ暗になったかと思うと、見慣れたあの硝子玉の様に美しい少女がそこにいた。

 黒騎士は全員倒れている。

「ノルン……!?」

「こんなに早い時間に出かけたと思ったら、《《此奴ら》》に遭ってたなんてね」

 此奴ら……? ノルンとこの黒騎士軍団とは何か面識があるのか……? 気になったがなんとなく怖くなって、俺はそれ以上のことを訊くことができなかった。

 それにしても死体がゴロゴロ転がっている状態で、とても気味が悪い。

「……死体処理しよか」

 ノルンが早速死体を山積みにしているところだった。俺も協力して、死体の首根っこを掴んで連行する。ものすごくシュールな光景だ。

「……?」 

 俺は、俺に大剣を突き刺した黒騎士に違和感を感じた。此奴、顔色がまだいい。それに、瞼が少し動いているように思える。もしかして此奴、生きてる……? 

「ノルンノルン」

「はいはい」

 ノルンはというと、なんと死体の傷口を手当てしていた。死体にも少しは慈悲の心はあるらしい。だが鎧は容赦なく剝ぎ取っている。

「なんで鎧剥ぎ取ってんの……?」

「高く売れるし、色々使えるから」

「そう……。ああ、あと、此奴生きてるっぽい。どうする?」

 山積みにされた、鎧を剥ぎ取られた黒騎士たちの顔を見る。イケメンばっかりである。うらやましすぎる。でも黒騎士ってことは女とはほぼほぼ関われない。もったいなさすぎる。

「ちょっと一旦生かそう、此奴」

 ノルンはその黒騎士を洞窟の中に連れて行った。俺は死体から流れ出ている血液を、地面に穴を掘って焼いてからそっと埋めた。


「鎧くらい脱がせてやったら? ノルン」

 洞窟に着いても一向に目を覚まそうとしない黒騎士。よく見ると彼のものだけ鎧の種類が違った。まず軍手の素材が桁違いで品質が良く、鎧の光沢だって他とは違うし、彼の持ち物に黒のフラッグもあった。このことから、彼は指揮官であることが伺える。

 だが彼は他の黒騎士より一回り背が低い。あまり戦えなさそうに見えるが……? 

「そうだね」

 ノルンが重い鎧に手をかけて彼の頭部から引き離した瞬間、俺とノルンは驚愕した。

 その黒騎士がノルンよりも年下の少女に見えたから——。

 

「え?」

 ノルンの情けない声を初めて聞いた気がする。ソフトブラックの小綺麗な髪はローツインテールにされている。(あれでも女騎士の正統派スタイルってポニテだったような……? まあいいか)ふっくらとした睫毛に対してキュッと鼻筋は通っていて、肌に関しては本当に戦場で戦ってますか? ってくらいに傷は無く綺麗だ。

「かわいい子だな……。何処かのノルンとやらとは大違いだ」

おっと心の声が漏れてしまったようだ……

「黙れこのDTヒキニート!そんなんだから女寄ってこないんだぞ」

「スンマセン」

 ちょっと核心突かれました反省いたします。申し訳ございませんでした。

「……はっ?!」

 その黒騎士が目を覚ました。ルビーレッドの瞳がゆらゆらと動く。が、それの中心にある真っ黒な瞳孔が行き場を失っていた。

「ごめんびっくりさせて。私はノルン」

 ここは俺が介入すると面倒なことになりそうだから引っ込んでおくことにする。それにしても、あの少女は一体……? 気になるから俺は聞き耳を立てることにした。

「わたしの名前は、アティカ・マリア・マンス。南の方に住んでる。悪魔族。黒騎士団の指揮官であり最高副責任者やってる。一応十二歳……あっ?! 多分ね?! だけど、歴は結構長い。多分九年目。でもわたしは、ずっとこれしかやったことないから、あんまり世界のこととかわかんないんだ。お姉ちゃんは元魔王なんだけど」

「ええーっ?!」

 しまった、と思った時にはもう遅く、ノルンと黒騎士……マリアが目を点にして俺の方を見ていた。マリアは「誰ですか」と呟いて、黒騎士特有の鋭い眼光で俺を睨んだ。辞めて 辞めて。心が痛いから。

「俺は……シン・ホランス。なんか次に魔王になる……らしい」

 そういうと、マリアが「ええ?」とノルンの方を見た。

「大丈夫。こんなんだけど多分やるときはやる……と思う。話続けていいよ」

「そうなの……? で、だけどお姉ちゃんは生まれたときから魔王だから顔も名前も知らない。アハトユジクルの最南端にある宮殿でひっそりと暮らしているらしい。妹は三人いる。一人はアリス。さっき殺された。もう一人はジゼラ。多分何処かで商人やってる。もう一人はケールスティン。お姉ちゃんの唯一のお世話係。そんなことはどうでもいいけど、マンス家は南の悪魔帝国ではいわゆる皇族になるわけです。だけど実権は誰も握っていない。お姉ちゃんはもう魔王じゃないしね」


なんかおいしい情報沢山あるじゃん。よーし此奴は奴隷にしよう。

そう思ったので、そっとずっと封印していた(というか使う機会が無かった)眷属完全支配を使って確実に堕としておいた。


色々とヒントになる話をしてくれているのは分かっているが、さっき妹を殺されたというのによくもまあ平然としていられるものだ。こういう残酷さも黒騎士には必要なのだろうか。

「取り敢えずさ、隣町に行こうよ」

「「隣町……?」」

 突然のマリアからの提案に、俺とノルンは首を傾げた。隣町に行って、何をするのだろうか……? 

「隣町シャクトは、酒場がある。酒場はめちゃくちゃいい情報交換の場の一つなんだよ? 知らないの?!」

 マリアは俺とノルンに顔を近づけて熱弁した。なんだコイツ酒場オタか? 超新手のオタだな。今度コイツにスマホというものを持たせてあげたい。

連絡手段としていいから暇な時に作るか。

などと模索していると、


「まあそういう訳で! 行こ!」 

 マリアは洞窟を颯爽と抜け出していってしまった。俺たちもそれに続いて走り出す。なんか仲間が増えちゃったな。そうね。ノルンと笑い合いながら、草原を駆け抜けた。


酒場を出て暫く草原を走ると野盗が行商人を襲っているではないか……ん?どこかで見た気がする奴らだな。


そこで俺は車を停め、奴らの方へ歩み寄った。


そしたらなんと問答無用で襲って来てくれたので、目にも留まらぬ速さで腰のホルスターからリボルバーを引き抜き全員の頭を撃ち抜いた。


「はぁ……やれやれ、せっかく交渉しようと思ったのに問答無用で襲ってきやがった」

どこかで見た事あると思ったがそれはどうやら自分の思い違いだったらしい。


戦利品を漁り死体をそこら辺の平地で焼き、川に流して処理を終わらせて、酒場に戻ったら戻ったで大喧嘩が発生していたのでそれを宥めて、とても酒を嗜める状況でなくて酒場にいるのが嫌になって来たので、宿屋で黒騎士どもから剥ぎ取った鎧などを錬成でインゴットに加工して新しい武器を作ろうと考えていた。

だが、ここで魔法を使ってしまうと衛兵が飛んできそうなのでいつの間にか手に入れていた隠蔽スキルと創造スキルを使って、新しいチートを作ることにした。


〜3分後〜


「ふう 思ったより早く出来たな」


経った今完成したチート、完全遮断オールブロック


ネーミングセンスがないのは今に始まったことでは無いのでご愛嬌だ。(そもそも他の人間がこのスキルを使う事はないがな)


オマケで、スキルコピーも作っておいた。


「さて 作りますか」

先日の黒騎士どもから剥ぎ取った鎧などを錬成しまずインゴットに解体する。

すると、インゴットにエンチャントが付いていることに気がついたので解析してみると、どうやら火に対する耐性が強い様だ。

「こんだけのインゴットがあれば"アレ''が作れるな」

アレとは、俺が前世にラノベ《厨二病》を読んで培った知識を用いて、作る対人対物ライフルである

(このライフルが後の大量殺戮蹂躙パーティのメインウェポンになる事をこの時の俺は知らない)


概要は、電磁加速による超電磁砲レールガン化もでき、更に秒間一万発を撃てる《オートマチックトリガーアンドインフィニティアーモ》

もあり、

ミサイルランチャーというおまけ付きのゴリッゴリの現代(というか未来)兵器である。


こんなゴリッゴリなのにもかかわらず重量僅か五キロなのである。(重力魔法と軽量化魔法と耐久強化魔法の副産物)


ワンタップでモードを切り替えられるというオプションも標準装備。


弾薬も大量に作った。


腐蝕弾、焼夷弾、毒弾、爆裂弾、ダムダム弾、ミサイル、などなど。


トータルで三億発程軽く錬成しておいた。弾薬専用の宝物庫も作っておいた。


ちなみに、何故、無限弾薬が実現できるかと言うと自分の超回復によって魔力も回復するためすぐに創造して弾薬を形成すると同時に発射するというのを繰り返しているのだが、先程作ったスキルコピー《万物複製》を使い、無限に等しい位に複製しているため

、秒間一万発というぶっ壊れ性能にプラスして無限弾薬が実現できているという訳だ。


今度、試し撃ちしないとな。


どうやらまた明日からは忙しくなりそうだ。

チートしすぎちゃったかも……

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