秋葉原ヲタク白書91 君はメイドール
主人公はSF作家を夢見るサラリーマン。
相棒はメイドカフェの美しきメイド長。
この2人が秋葉原で起こる事件を次々と解決するオトナの、オトナによる、オトナのためのラノベ第91話です。
今回は、メイド長仲間がモデルのドールが出回っているとの噂を調べてみたら、ドールはドールでもラブドールw
オマケに顔をコピーした3Dプリンターのエンジニアが失踪、コレに時間旅行技術を狙う時間ナチスと地底人が入り乱れ…
お楽しみいただければ幸いです。
第1章 不気味の谷
"不気味の谷"を知ってるか?
いや、地名じゃ無い。ロボットでも、ボカロでも、何処まで人に似せるべきかと逝う話。
人に似せるホド"好感度曲線"は上昇スルが突如急降下し嫌悪に変わるポイントがある。
"カワイイ"が"キモ"に変わるポイント。
が、さらに似せると"カワイイ"は急回復。
この"好感度曲線"の急降下と急回復が"不気味の谷"だ。
今回は、この谷間に落ち込んだ、美しき人造人間の物語だ。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
シスターが御帰宅してるwアーメン←
「ソレ、一緒に軽井沢に逝った時の写真ょ。両親にも会わせたの。なのに…」
「残念だったね、レナリ」
「ミユリにも神の御加護を。でも彼とは別れたの…ってか、その写真は何処からっ?」
ココは、僕の推し(てるメイド)のミユリさんがメイド長を務める御屋敷。
悩める子羊が群れなすコトから"巨大密集星団バー"とも呼ばれている。
今宵は、老舗の聖シスコ修道院のシスターレナリが御帰宅しておられる。
黒いベールに総レースのボリューム袖…ナゼかミニスカw神ょ許し給へ←
何しに来たの?営業?
「彼のSNSから拾ってきたわ。レナリ、貴女タグ付けされてるわょ」
「ふん。未練タラタラなのね。悪い気はしないけど…ソレで私に似せた"萌えドール"を密かに製造してるのかしら」
「え?許可を得ズに貴女の顔した"萌えドール"が出回ってるの?」
「そーなの!"萌えドール"をネットで見たメイド長仲間から聞いて青ざめたわ。私は、コレでもカトリック系の御屋敷にお仕えスル身でしょ← コレは、逝ってみれば3次元リベンジポルノよっ!最低!」
激怒しつつも何処か嬉しげなレナリさん。どうも彼女似の"萌えドール"があるらしい。
"萌えドール"と逝うのは基本、玩具だが性愛の対象にもなり得る精緻で高級な人形だ。
どーやら"萌えドール"の販売停止とか、回収とかをお望みなのかな?
まさか"私がモデルのドールが新発売よ!"って宣伝に来たワケじゃw
「その元カレ氏は、謎の失踪って話だけど、まさかシスターが過激な行動に出たワケではナイょね?」
「えっ?私が殺して神田川に捨てたとでも?」
「誰がソコまで逝った?!タダ、2日前に万世橋の上で言い争うシスターを見たってヲタ(ク)がいたモンで…」
「ドールの製造をやめてって頼んでたのっ!ところが、彼は"光栄に思え"って」
「そりゃヒドい。昨夜は何処に?」
「彼が失踪した夜?やっぱり疑ってる?弁護士と会ってました。ドールの製造を差し止めるためにね。弁護士センセに直接聞いて裏を取れば?」
「信じるょ」
「確かに、あんなコトされて激怒もした。でも、彼が失踪してもドールは回収されないわ」
「彼に何かおかしなコトはなかったの?」
「…実は1つある。彼は、私以外に恋人はいないハズなのにホテル"24"の予約シートを持ってた。宿泊日は昨日よ。もしかしたら…密会か何かカモ。あ、お祈りの時間だわ」
話すコトだけ話したら、サッサとお出掛けするシスター。
さて、僕達は彼女に何かをリクエストされたのだろうか?
「何はともあれ、失踪当夜にホテルをとってる。誰と何をしてたのか調べよう」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
ホテル"24"は、いわゆる駅近ホテルでココの支配人には、僕は色々と貸しがアル。
と逝うか彼がホレてるデリヘルの総元締め女子に貸しがありソレを彼が恩義に感じ…
ま、いいや。色々お願い出来る立場なのに、逆に何かお願いされてる?え?何かお困り?
「僕を呼ぼうと思ってた?ホント?」
聞けば、昨夜一風変わった客が訪れたが"連れ"を残して蒸発したとのコト。
ハードなバトルの末、精魂尽き果てた女を残し、颯爽とホテルを去る絶倫男?
男のロマンだ!憧れるなぁ←
「いつにも増して意味深な展開だね。確か、前回は欧州宇宙機関のスパイが立てこもって…って話だっけ?今回は誰?」
「あら。その"連れ"の方は…オフィスにいらっしゃるの?」
「え?コチラ?…やややっ?」
オフィスの狭い応接に…レナリさんがいる。
くたびれたジャージを羽織り茫然と虚空を…
「レナリさん!どーしたんだ!シッカリしろ?薬漬けにされたか?」
「レナリ!ミユリょ…あら?コチラは、もしかしてラブドール?」
「ラブドール?ソレって、つまり…」
ダッチワイフだ笑
流れるようにウネるセミロングの髪、溢れそうに大きな瞳、滑らかな肌、全く同じ背丈。
しかし、目が死んでいる。しかも、永遠に続くだろう無表情。もちろん微動だにしない。
清掃に入ると全裸ドールがベッドに大の字?
あぁ清掃のおばちゃん、トラウマだろうなw
「ホテルの部屋で何をしようと勝手だケド、コレはちょっち怖いな」
「とりあえず、シリコンから指紋とか取ってもらいましょう。新橋鮫さんに連絡してみます」
「正に"不気味の谷"現象だ。無生物を人に似せて逝くと親近感が増すが、あるポイントを超すとソレが嫌悪感に変わる。今が…その"谷底"だなw」
「ラブドールは、物と交わりたい物欲主義者にはうってつけですね。コレって、物欲ですょね?まさか性欲?」
「大人のおもちゃの市場規模は、年間50兆円近い。僕達は今、その最先端の目撃者だ」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「この"レナリ08"は、タダのラブドールではありません。本物の恋人感を出すために、相手の好き嫌いや会話内容を覚え、AIで深層学習している。だから、顧客は"彼女"と疑似交際が楽しめるのです。モチロン、生身の恋人と違い"彼女"は、貴方の話をトテモ良く聞く。貴方に一途です」
今"レナリ08"の足裏のシリアルナンバーから割り出した製造元でアキバ発スタートアップ"完全メイドロボティクス社"を訪問中。
ダッチワイフメーカーでなくて良かったょw
「中央通り沿いのタワービルにある弊社まで、衆人環視の中"レイナ08"の回収に御尽力を頂き、誠にありがとうございました」
「全くです」←
「ブルスの失踪に、弊社のみんなも胸を痛めておりました」
「ホテルでラブドールを拾った時は、てっきり彼が愛用者なのかと思いました。でも、伺えば御社のエンジニアだったとか?」
「彼は3Dプリントの責任者で"レナリシリーズ"では顔の設計を担当していました」
「同僚との仲は良好でしたか?」
「えぇ。元々サバけた社風ですし」
「ラブドールを持ち帰るコトは、よくあるのですか?」
「珍しくありません。今は特にテレワークの一環で奨励もしてまして。ソレに…"レナリシリーズ"は、1体150万円で半年予約待ちの大ベストセラーです。真っ先にお試し出来るのは従業員の特権でもあります」
「高価なんですね」
「しかし、肝心なのはセックスではありません!」
「ええっ?!違うンですかっ?!」←
「本質は違います。人は孤独だ。男も女も。だから、大事なのは心の交流。"レナリシリーズ"は相手に一途で、絶対に飽きたりしない。ネットにつなげば、どんな会話にも対応可能。スポーツに、音楽に、好きな体位。人付き合いの苦手なヲタクには、天の恵みのハズですっ!!」
「勝手に決めつけられてヲタク的に迷惑至極だけど、ソレで貴方は自分が"神の仕事"をしてる気分に?」
「まぁね」←
何か狂ってるw
「では、神の御心に伺おう。"レナリ08"はブルス失踪の現場にいた。失踪原因の手がかりを記憶しているかもしれない」
「なるほど。メモリーのストレージは暗号化され、第3者がアクセスしても拒否されるだけです。顧客にしかアクセスは出来ナイのです。とは言え、方法はある。ウチもブルスを取り戻したい。手を貸しましょう」
「何が記録されているか、分かルンですか?」
「ソレは"レナリ08"に直接聞くのが良いと思ひます」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
僕とミユリさんが、かなり恥ずかしい思いをして運び込んだ"レナリ08"を今度はエンジニア達が実験室みたいな部屋へと運び込む。
たちまち"レナリ08"には、複雑なヘッドギアやコード類が取り付けられる。
ストレッチャーで運んだので気分はERと逝いたいが何となくフランケン的w
「平たく言えば"レナリ08"に勘違いをさせるのです。今、話しかけてるのはブルスだとね。すると、ブルスとの最後の会話の記憶を自動的に呼び出し、そのママ会話の続きが出来るワケです。僕が合図を出したら"やぁレナリ"と声をかけてあげて。はい cue」
「やぁレナリ」
おおっ!"ラブドール08"が目を開く!び、美人だっ!ドギマギッ!
「あら、ブルス。今日の調子はどう?」
「最高さ。君は?」
「私もよ。ありがとう。早速"良いコト"をイタしましょ?」
「え?ま、また改めて」
「はい。貴方の股を改めます。私と他の話がイタしたい?」
「イタしたい。えっと僕の友達には、会ったコトあったっけ?」
「貴方のお友達と心を込めてイタすわ。ソレで貴方が喜ぶのなら」
「あぁ気が変になりそーだ。いや、そーじゃなくて…昨日、誰かホテルに来た?そのぅ、僕達がイタしてる時とか?」
げっ!気マズい沈黙。僕1人カッと熱くなるw
「テリィたん。質問が複雑過ぎたカモ。シンプルに言い換えて。try again」
「OK。昨日僕が逝った言葉を覚えてる?」
「…イエスタデイを検索します。素敵な曲だわ。私、ジンジン感じちゃう」
「ヤタラとエロいアレクサね」
ミユリさんの鋭いコメント。赤信号が灯るw
「だね。電源切って下さーい。で、データだけもらえますか?ウチのサイバー屋にも調べてもらうので」
「すまない。聴取に応じるには早かった。役に立てるかと思ったが」
「役には立った。しかし、良く見て気づいたが"08"の顔立ちは、カタログよりも遥かに自然だね。左右が非対称ナンだ?」
「もしかしたら、ブルスが"08"だけ特注で人間らしい顔立ちにしたのカモしれません。一方の耳を高くしたりして」
「ブルスは、顔を設計してたンだょね?実在女子がモデルでは?」
「まさか。この"レナリシリーズ"標準タイプは、ウチのベストセラーだ。実在の女子を無断でモデルになどしない。そりゃ最早"神の仕事"じゃナイでしょ」
「しかし…もし、許可を得てないとしたら、ラブドールにされた女性は、さぞかし怒るでしょうね」
「それで、彼女はブルスを失踪させたのかな。"神の神隠し"だね」
第2章 性欲か?物欲か?
ところが、翌日、神隠しに遭ったハズのブルスを目撃したとの情報が舞い込む。
いや、目撃どころではナイ。何かのイベントに乗り込んで、ブチ壊した模様だw
早速、御出勤前のミユリさんを誘って会場のビジネスホテルへ出掛ける。
ビジホならではの狭いロビー一杯に手作り感満載の横断幕がかかってる。
"タイムトラベルコンベンション"
主催は…"時間旅行協会"?そんな(愉快な)協会がコロナ下にあっても良いのか?
とりあえず、ミユリさんにアリスのメイド服で来てもらったら、案の定、大歓待←
「おお!不思議の国のアリスと白ウサギのコンビですね?素晴らしい!特に貴女は…モノホンのメイドさんみたいだ!」
モノホンのメイドさんだょw
ってか僕の何処が白ウサギ?
「時間旅行協会長のワルスさん。万世橋"の方"から来ました、SF作家とメイド長のコンビです」
「おおっ!もしかして、あの有名なミユリさんとお付きのテリィたんのコンビ?リアルにお逢い出来てウレしいなー。で、何か?」
「昨日、コチラの会場で、オープニングの基調講演で、ブルスとか逝う男が執拗に絡んで来たそうですが?」
すると、ワルスは突如マイクを掴んで、石鹸箱みたいな(カラオケ)ステージへと上がる。
「この後は15時よりマグノリアホールにてパネルディスカッションがあります。テーマは"トンネル型タイムマシンの復権"です。16時からの回では"縄文時代に潜む同性愛を語ろう"のコーナーが併設されます。そして!みなさんお待ちかねのタイムトラベルは、19時キッカリに始まりますょ!では、ソレまで解散です」
すると、行儀よく前から詰めて座った約15人が、ナゼか一斉に元気良く拍手スル。
"コンベンション"にしては明らかに少人数だがコロナ下で開催可能の最大人数?
見ると飛行帽やゴーグルなどスチームパンクぽいコスプレをしてる者多し。
ワルスは"時間旅行…した?"と描かれた黒Tシャツにジーンズと逝う姿。
因みに、その黒TはEV横で売っているw
「えっと。何の話でしたっけ?」
「ホラ。何か昨日、基調講演を台無しにされたとか?で、でも、その前にどーしても気になる!19時から始まるタイムトラベルって何?」
「あぁ。LARPですょ」
「えぇ?LRDP?」
「ソレは"遠距離砂漠挺進隊"でしょ?ウチのは"ライブアクションロールプレイング"です」
「あ、そう…ってソレ、ますます気になる一方なンだけど、ところで一昨日の夜はドチラに?」
「徹夜でコンベンションのオープニング準備をしてました。何で?」
「貴方の基調講演を台無しにした男は、その夜から失踪しているのです」
「…驚いたな。あの設計書はやっぱり本物だった。だから、未来人に拉致されたンだ」
「ちょっち待った!その設計書って何のコトですか?ってか未来人って誰?」
「発表中にその失踪した男が飛び出して来て何か大声で叫び始めたのです。急いで警備を呼んだら、元々警備なんて雇ってナイのでw収拾がつかなくなったトコロで有志が男を取り抑え、コトなきを得ました」
「有志?」
「ええ。軍人のコスプレをした…いつも遊びに来る陰謀論者グループだと思います。ホテルの前のタイヤ痕と室内の靴跡だけ見ると、ホンモノの軍人かと思いました」
「陰謀論者グループ?そんな(愉快な)人達まで協会員なの?ってか、貴方自身が陰謀論者でしょ?とりあえず、ブルスはナゼそんなに取り乱したのかな?」
「私は、NASAの極秘計画について話していました。NASAは、常に世界征服の闇技術を開発中ですが、あの男はその関係者に違いナイ。私の話を聞き心底怯えていました。命でも狙われてるかのように」
「人が命の危険を感じるホドの機密!余程スゴい基調講演だったのですね?具体的には、テレポーテーション?波動エンジン?ワープ航法?」
「あっはっは。そんなの全部、空想の産物じゃナイですか!私が話した技術はモノホンです。今、NASAが開発中で、世界を根本から変えてしまう技術なんですょ!」
「おおっ!その技術とはっ?」
「タイムトラベルです」
瞬間、キレイなチョウチョが飛び交う…
「…そ、そのぉSFみたいに、人を別の時代へ転送出来る奴…かな?」
「いいえ。モチロン違いますが、小規模では既にタイムマシンは開発中です。今回、その設計書を私は発表しました。基本原理は、有機物を送る3Dファクスと思ってもらえれば。送信者がタンパク質の分子をセットするとマシンによって分子がスキャンされる。そのデータが別の時代に送られ、3Dプリンターで完全なコピーが作られる」
「要はコピー…ですか?」
「未来に複製されるコトを前提に、現時点で現物を消去すれば、ソレは立派なタイムトラベルです」
「…ん?その理屈は…わかるような、わからナイような気がスルけど、とりあえず、なぜソレが極秘で、人が失踪したりスル程のモノなのかな?」
「ソレは、NASAが開発してるからですよっ!NASAが絡む以上、宇宙飛行に応用されるのは時間の問題だ。軍隊も動く。かつては、最高の艦船が世界の海を制した。その次は航空機が空を制した。でも、コレが実現すれば、我々は"時"を制する。もはや無敵だ」
「ソレがNASAの極秘計画だとして、貴方はソレを何処で入手したの?」
「雑誌の掲示板で売ってた。オカルト雑誌"μ"の"売ります買いますコーナー"で機密資料を売りたいとね。だから、ネット経由で¥3000を振り込みました。従って相手の正体は謎です」
「えっ!¥3000って破格の値段だな。ソレって手付金とか入会金じゃナイの?¥3000ポッキリの極秘って安過ぐる!」
「金の問題じゃナイ!真実を世に問うための歴史的コストだったのでは?私は、この計画を世に知らしめた。ブルスって男は、ソレが何か気づいたのでしょう。ソレで、彼は設計書を持ち去り、恐らくNASAに殺されたンだ…あ、パネルディスカッションの時間だ。僕、パネラーなんdeathけど、もう行って良いdeathか?」
ダメだと逝う間もなくワルスはバックヤードに消えてしまう。主催者なので忙しそうだ。
ミユリさんは、アリスメイド服がヲタクに馬鹿ウケでカメラの放列の前でポージング中。
残された僕は"時間旅行…した?"と描かれた黒Tを買うコトに…やや?売り子が巨乳w
「XLは残り1枚です。¥4500」
「おいおい。ソレってタイムマシンの設計図より高いゼ?ところで…君は、いつもは何をやってる人なの?」
「巨乳レストランのウェイトレス。でも、本業は女優だから」←
そう逝う彼女の話は聞き流し"谷間"にだけ精神を集中して考えをまとめると、つまり…
今、買ったばかりの黒Tを3Dプリンターでスキャンしてデータを採ったら即破り捨てる。
そのデータで、明日黒Tをコピーしたら、黒Tは"時間旅行…した!"コトになるのか?
現実的な応用例として黒Tをアミノ酸に変えたら?NASAは火星から微生物を送れる?
コロナのワクチンを世界中に転送したり、致命的な生物兵器を拡散するコトも出来そう。
世界の軍事バランスを一気に崩す史上最強の兵器は、最凶のテロ兵器にもなり得るのだ。
「あ、そうだ!テリィたん!」
バックヤードで着替えたワルスが僕に一声かける…ん?新しい黒Tに着替えただけか?笑
まぁ汗臭かったからなw
「君達って、警察筋にツテがあるンだょね?コンベンション会場を警備するよう、頼んでみてくれないかな?」
「えっ?ソレって不要では…」
「いいや、絶対に必要だ!頼むょ警備!」
ココで警備を頼めば良かった…が、後の祭りw
第3章 コンベンション襲撃
何と、その夜に襲撃を受けるw
ホテル自体は妻恋坂交差点の湯島側にあり、もはや裏アキバとも逝えない寂しいエリア。
襲撃者?は、夕食時を狙いホテル正門から侵入、食堂でカレーを食べてた参加者を襲撃w
あ、参加者は"コンベンション"のメインイベント"タイムトラベル"に備えて行動食的にカレーを食べていたワケなんだが、突如w
「⁂%★〓⌘!」
「わ!何だ君達は?」
「◉▽♫≧▼!」
食堂の出入口から、その、あの、何と逝うのか古代エジプトチックな原住民系の方々が…
手に手に槍とか短剣とかを持ち続々、と思ったら3人だったけどw現れて参加者に迫る!
きっとライブアクションロールプレイングの華麗なる幕開けだ!と(襲撃者以外の)誰もが大喜びで、先を争い両手を挙げ捕虜となるw
僕は、何となく前々々話"川底軍艦"登場のムュウ帝国女王ピミコの臣民では?とかチラと思ったが短剣を突きつけられて押し黙る←
ニヤニヤ笑いの参加者とは対照的に迫真の演技?で襲撃トリオが何事か怒鳴る。
片隅に集めた捕虜1人1人の顔を覗き込むようにして確認しては頭をヒネってる。
僕も、顔を覗かれた時に相手を見たけど、アジア系の顔立ちをしている。
まるで、儀式シーンのエキストラで集められたスクールメイツみたいな…
結局、探し人は見つからズ相変わらズ意味の通じない雄叫びで僕達を威嚇し彼等は去る。
さすがに、何かヘンだと参加者が騒ぎ出すと主催者ワルスがクレオパトラ?を連れ登場w
ん?あの女王様は確か巨乳レストランの…
「ハイ!みなさん、お待たせしました!ただ今より、お待ちかねのライブアクションロールプレイングショー"秋葉原タイムトラベル2020"のスタートです!では、ピミコ女王、一言どうぞ!」
「マンダの生贄にせよっ!」
「ハイ!ありがとー。今のが最初のヒントでした…あ、あれ?みなさん、どーしました?ココからがスタートですょ?」
ヤハリさっきの南洋系の襲撃トリオは、主催者が雇った役者ではなかったようだ。
と逝うコトは、槍も短剣もモノホン?参加者一同、期せズしてドッと冷や汗かく。
では、何者だったのか?
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「彼等は"地底人"ょ」
そう教えてくれたのは"時間ナチス/ヴリル空挺団"のマタハ空挺団長。
彼女も漆黒の長い髪で大和撫子っぽく五反田のデリヘルとかにいそうw
でも、彼女は陥落直前のベルリンからタイムマシンで脱出してきた"時間猟兵"なのだ。
そして、彼女達もまた"襲撃"を終えたばかりで肩から下げたFG42からは未だ硝煙が…
「あぁまたテリィたんかwこの時代のアキバに来れば、絶対貴方に会うような気がしたのょね。ミユリ姉様はお元気?」
「おいおい、マタハ!またまた派手にやってくれたな。何でも"完全メイドロボティクス社"のオフィスは自動小銃の乱射でズタズタ、行き掛けの駄賃に対戦車ロケット弾まで打ち込んだそーじゃナイか!全部、防犯カメラに映ってンだぞ!」
「あらぁ、ごめんなさい。早く帰らないとベルリンが陥落しちゃうので」←
ココは、神田川にかかる"ふれあい橋"を渡った神田川岸にある嫌森神社。
深夜の境内に整列した空挺団の精鋭は…大事そうにラブドールを抱えてるw
「で、なんなんだょ"地底人"って。教えてくれたら1945年でも何年でも帰って良いょ。コッチは、ドイツの落下傘兵が暴れてるって聞いて、夜中なのに急いで駆けつけたんだゼ?」
「ココは、空挺団が"時間トンネル"の御厄介になる時に、いつも通る道だから待ち伏せしてたワケ?あのね。"地底人"と私達は友好関係にある、チベットの山奥に眠る、高度な科学文明を持つ地下王国の民々ょ。桃源郷を求め、世界中に派遣した探検隊が発見し、私達と枢軸条約を締結している」
「"高度な科学の地下王国"ってアガルタのコトだょね?しかし、あの襲撃トリオは、どう見ても南洋系だったがなぁ!ハワイアンショーで火とか噴きそうだったけど?」
「偏見!アーリア至上主義の私達が言うのもナンだけどwそもそもテリィたんの"川底軍艦"のムュウ帝国が全てのネタになってるのよっ?あの人達は1万2千年も前に赤道直下から地下に潜ったのに、未だにウホウホ踊って南洋系が丸出しじゃない!」
ソレを逝われると弱いw
「わ、わかった。また会うコトがあったら"地底人"のみなさんには是非ヨロシクと伝えて。ところで!空挺団は、何で御丁寧にもダッチワイフをベルリンへ持ち帰るの?誰かの趣味?」
「いや、コレには不快なワケ、じゃなかった深いワケがある!そもそも、あのブルスとか逝う科学者を拉致ったのも…」
「待て?ブルス失踪の原因って君達だったのか?!なぜブルスを拉致するンだ?科学者だなんてトンでもナイ。奴は金儲けに走った、ただの3D印刷技師だぞ?しかも、専門はラブドールの開発ナンだゼ?」
「あのね。彼の拉致…じゃなかった謎の失踪には、確かに"時間兵器"の研究が絡んでる。有機物をスキャンし、未来や過去に転送する上で、どーしても必要な技術なのっ!」
「ソレってアキバの地下にある極秘の国家プロジェクト"時間トンネル"と同じ技術じゃナイか…まさか、ベルリンでも同じ研究をしてるのか?」
「ダメ。悪いけど答えられない。ソレが報復兵器"V-4号"だなんて」
「ええっ?"V-4号"?ん?"1号"は空軍、"2号"は陸軍だょね?"3号"が欠番でヤタラ気になるけど順番だから海軍だとすると、"4号"はフリダシに戻って、またマタハのトコロ?だから空軍所属の降下猟兵がアキバに来たンだな?」
「うーんテリィたんにだけは話したいけど…"時間兵器"の研究は口外"ダメ絶対"なの。口チャックょ"V-4号"のコトだけは。東部戦線送りになっちゃう」
「もう今頃は、東部戦線も西部戦線もエルベ河で1本線になっちゃってるょ。ソレに、ベルリンから秘密保持命令が出てるなら、もう無効だ。既に"コンベンション"参加者には昨日、設計書が流出してる」
「えっ?…おおっ!コレを何処で?…ってかヤタラ薄っぺらくて多分ソレは偽物ね。大方どこぞの似非オカルト雑誌の"売ります買いますコーナー"で…」
「"月刊μ"の悪口逝うな!…と、とにかく!昨日のコンベンションの基調講演で発表されて、既に大勢が目にしている!」
「ガーン。何千人も?」
「15人」
「微妙!…でも、国家機密ナンだけどな。しかし、既に流出したのなら私も話しちゃうわ。もちろんSFに出てくるようなタイムマシンそのものじゃないのょ。そのシステムの一部分。いわばパーツね。デジタルから有機物へのデータ変換機とでも思ってもらって構わない。私達の任務も、当初は関連技術情報の収集だったの。でも、その後で設計書があるコトがわかり、しかもソレが奪われた後とわかってエラい怒られちゃって…」
やはり、ベルリンは"時間トンネル"の開発を進めているンだ。
そして、その重要パーツの"設計書"の存在も明らかになるが…
「でも…ついに、我が"ヴリル空挺団"は、設計書の奪還に成功したのっ!さぁ、ベルリンに戻るわょ!この設計書と共に!」
マタハが指差すのは…全裸のラブドールw
第4章 アキバの片隅で
「御足労に感謝致します"将軍"。いや、おかえりなさいませ、と申し上げた方が気分でしょうか…」
「正直"プレイ"以外で君達ヲタクと会うのは気が進まナイ。こうして見も知らない君と会うのも"メグミ先生"が"ハッスル大回転サービス"を無料で…じゃなかった、彼女から一生のお願い!って懇願されたからだ。さて、前置きはコレぐらいにしよう。何が聞きたい?」
「先ず御安心を。"将軍とメグミ先生の萌えライフ"がアキバの外で語られるコトは絶対にありません。もちろん、今後も、今宵も含め御屋敷での秘めゴトが口外されるコトは一切ありません。で、1つ頼みがあるのです。同じ"萌え友"のヨシミで」
「おぉ。何でも聞いてくれ」
「一昨日、AMC"時間トンネル"関係のエンジニアが都内で"時間ナチス"に拘束されました。その際"時間ナチス"は、関係技術の設計書も持ち帰ったようですが」
「聞いている…だが、黙認だ」
「なぜ?」
「陥落直前のベルリンで建設中の"時間トンネル"は、結局完成しない。現代から科学者やら技術やらを連れ去り、突貫作業で進めてるようだが、最終的には失敗する。コレは歴史の必然でアリ、覆るコトは無い」
「ソレで"将軍"は、安心して"メグミ先生"とプレイを楽しめるワケか…」
「え?何?…と、とにかく!戦後、彼等の研究は宇宙ロケットやジェット機などと並ぶ"戦利技術"として、連合国側に供与される。ソレを基に、アメリカではタイムトンネル、旧ソ連でも同種のトンネルが、宇宙開発や核兵器と同様、極秘の国家プロジェクトとして推進されるが、いずれも壮大な失敗に終わる。唯一、遣日潜水艦により戦前から技術供与を受けていた日本においてのみ"時間トンネル"として、秋葉原の地下で完成、運用されているのが史実だ」
「欧米では、ナゼ失敗したのでしょう?」
「ズバリ放射能だ。時空航行においてトラベラーはトンネルから放出される特殊な放射線を浴びるが、何故か被爆国以外では、この"放射線浴"にことごとく失敗、計画全体が頓挫の憂き目に遭っている」
「なるほど。爆撃するコトではなく、被爆するコトに何か意味が…」
「ソレが歴史の因果というモノだ。つまり、結局"時間ナチス"が誰を拉致し、何の設計書を持ち帰ろうとも、ベルリンはトンネルを完成させるコトが出来ない…もう良いかな?おーい"メグミ先…」
「あ、将軍!」
「ダメだ!もう全て応えた」
「いや、実はメグミンの大好物な体位は…」
「おおっ!何…ルセナ?そうだったのかっ!借りが出来たな!ありがとう、テリィたん!」
ドアですれ違いながら、僕と"メグミ先生"はハイタッチw
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
さて、今回も、今終わったばかりの"将軍"との会話も含め、ジグソーパズルのピースが出揃って、ようやく全体の絵が見えて来る。
先ず"将軍"だけど、もちろん萌えネーム。
江戸時代じゃナイし今は将軍なんていない。
ただ、アキバには"将軍的な高官"をもてなす高級娼館があって、そこのマダムに、またかと思われるカモしれませヌが僕は貸しが…
で、彼の話に拠れば、我が国が極秘に完成させた"時間トンネル"を通って現代のアキバに到着した"時間ナチス"はブルスを拉致。
ところが、ブルスは肝心の3Dプリント技術の設計書をラブドールのAIに刷り込んでいる。
そうと知った"時間ナチス"は"完全メイドロボティクス"を襲撃、ドールを奪還スル。
一方、雑誌"μ"を購読して"売ります買いますコーナー"を読んだ"地底人"はコンベンションを誤爆、コチラは空振りに終わる。
因みに"地底人"が、1万2千年前に太平洋の底に沈み、以来地下で再起を期すムュウ帝国人と同種族かは歴史の検証を待つしかない。
南洋系のイデタチはソックリなのだがw
"地底人"も、かつては"地上人"で"伝説の時間兵器"により、地上で暮らしていた太古の時代への回帰を狙っているとのコトだ。
あ、ソレからブルスだけど、その後の捕虜交換?か何かで陥落直前のベルリンを脱出し、今は地底王国の首都アガルタにいるらしい。
誰かチベットの山奥でアガルタに迷い込ンだらレナリはアキバで元気にしてると伝えて。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
あ、ソレからメグミンw
彼女は、明るく快活な幼稚園の先生みたいな人で…と逝うワケで"将軍"がハマってるのは自分が赤ちゃんになる"幼児プレイ"だw
「テリィたん!"将軍"に何を教えたの?」
「えっ?何?何もw」
「ソレが、ヤタラ面倒な体位で迫ってくルンだけどソレが…良いのょお。惜しいわ、赤ちゃんにしとくのが」←
「えっ?体位?あ!あ…ルセナかw」
「ルセナ?インドかチベットのセックス奥義かしら?」
「いや…チェスのポジションだ。ジョークだったのにw」
「うふ。ステキなジョークをありがと、テリィたん。また借りが出来たね」
おしまい
今回は海外ドラマでよくモチーフになる"タイムトラベル"をネタに、宿敵の"時間ナチス"に"地底人"、ラブドールメーカーの代表や3Dプリンターのエンジニア、"時間旅行協会"のコンベンション主催者や巨乳女優などが登場しました。
海外ドラマで見かけるアリゾナ砂漠地下数千mにある科学センターの風景を秋葉原に当てはめてw展開しています。
秋葉原を訪れる全ての人類が幸せになりますように。