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私と勇者の初めてのデート½—

あれから1日が経ち、私は今勇者が暮らすこの帝都グランに来ていた。あの日に勇者と魔王はどっちから私とデートするのかで言い争い、最終的には私がじゃんけんで勝った方からデートをすると言ったのだが、2人共じゃんけんすら分かっていなかったため1からルールを説明して3回勝負を行った結果。勇者が2回勝ち、先行は勇者ラインヘルツさんからに決まった・・・。

そのために今こうして帝都に来ている訳だが、問題なのは今いる場所だった。なぜならここは帝都の王宮の中の一室、もう部屋の広さが人が住むのに必要がないと言っていいほどおかしかったのだ。しかもラインヘルツさんというと、少し準備をしてから来るらしく、とりあえずこの部屋で待っていてほしいと言われたので今こうして待っている状態だった。私はなぜかメイドらしい人達に無理やり黄色いドレスに着替えさせられた。

しばらくして、ドアをノックする音が聞こえた。

「ラインヘルツです。お迎えに上がりました」

私はドアを開けると、そこには金髪の美少年がそこにいた。白い服に青いマントを身につけた、まさしく王子様のような姿だった。

「どうされましたか、我が愛しき妻」

「あ、いえなんでも。とてもお似合いだったのでつい見とれてしまっただけですので」

そう言うと、彼はとても嬉しそうに笑ってくれた。

「妻もとても美しいですよ・・・」

その時、私は彼の言葉に違和感を覚えた。

「あのさ、ちょっといい?」

「はい。なんでしょうか?」

私はハッキリとこう言った。

「私はまだあなたの妻になった覚えはありませんので、ちゃんと名前を呼んで頂けないでしょうか?」

「これは大変失礼致しました。ではなんとお呼びしたらよろしいでしょうか」

「そう言えばまだ名前言ってなかったわね。私の名前は早乙女時雨、昨日30歳になったわ。どうぞよろしく」

「では僕も改めまして自己紹介を。僕の名前は

ラインヘルツ・ゴットバルトと申します。僕も昨日で18を迎えました。時雨様とお呼びしてよろしいでしょうか?」

「えぇ構いませんよ。私もラインハルトくんって呼びますからってあれ?」

・・・・・・えっ?

「聞き間違えかしら?ラインヘルツさん、もう一度聞きますけど、あなたお幾つ?」

「はい。18歳を昨日迎えました」

えっ・・・えぇーーー?!?!?!

「あ、あなた、今18歳ってほんとなの?」

「はい、本当ですが?」

「あなた分かってるの?今私とあなた、12個も年が離れているのよ?!」

「えぇ分かっておりますが?」

「あなたから見たらもうおばさんよ?ちゃんと分かってるの?」

「そんな自分を謙遜なさらず、時雨様の美しさはお歳なんて関係ありませんよ?」

「関係あるのよっ!!!」

私はつい大きな声を出してしまった。

「時雨様?どうなさいました?なにか不快な思いをさせてしまいましたか?」

彼の言葉は私を心配してくれている言葉なのに、年下と知った瞬間、私は現実に押し戻された。

「いい?あなたは未成年、普通は私とお付き合いなんてしちゃいけないの。分かってるの?」

「あの、すみません。よくわからないのですが」

私はあまりに耐えられなくて、部屋を出ていってしまった。

「時雨様!!!」

「ついてこないで!!!」

そう叫ぶと彼は立ち止まったまま動かなくなってしまった。私は彼が見えなくなるくらい遠くまで走っていった。

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