あの人に……
時おり姿を見せる貴方に目を奪われる日々でした。
貴方に取っては自分はただの通りすがりでしょう。いつもの時間にいつものようにすれ違う私の事を貴方はどれだけ知っているのでしょうか?
長い髪を風になびかせて去っていく貴方を見つめるだけでは、もう耐えられそうにありません。そして私は決意しました。
「今……お側に参ります!!」
そうして彼女は燃え盛る思いと共に彼を追って行った。
???「で?」
??「いや、『で?』とか言われてもねえ……そのまんまだよ」
エリス「ハレー彗星を追って太陽が出奔した、と」
地球「流石に太陽だけあって情熱的だねえ」
エリス「いやいや誰が上手い事を言えと」
火星「まあ、ハレーが来る度に熱視線送ってたしねー」
金星「熱視線て……太陽フレアの事?そーいやバンバン吹き上げていたっけ」
エリス「それであの有り様な訳?」
エリスがジト目で見るその視線の先では、木星が懸命に太陽系の中心でくるくる回っていた。
木製「う~~ん、やっぱり僕じゃみんなを引っ張りきれないよ~~」
水星「気張れ!それでも太陽系二番目の太陽に成り損なった惑星か!」
木製「そのネタまだやるの~~?」
土星「それより何か寒くな~い?」
エリス「そりゃ、圧倒的に熱量が足りないだろね……」
こうして地球は氷河期に入るのであった。
…………たぶんウソです。
ちなみにこの後、自分は太陽系の惑星じゃなかった、とグレて宇宙をさ迷っていた冥王星に説教されてしぶしぶ太陽は戻ったとかなんとか。